昼と夜。そのどちらが本物か
その夜。
「……お、おい。おまえ、何をやっているのだ?」
聡のそれはもう呻き声というより喚き声といったほうが正しい。
「なんでそんな恰好なのだ?」
「もしかして、そんな恰好で寝ているのか?」
それを見た聡がそこまで焦る、弥生のその姿。
それは……。
水着。
いや。
ただの水着ではない。
ビキニ。
しかも、グラビア用と思えるサイズの小さなもの。
一方、弥生は冷静そのもの。
違う。
こちらは完全に挑発状態。
昼間の弥生からは絶対に想像できない見事なウィンクを聡にかます。
そして、意味ありげに笑う。
「こんなので寝るわけがないでしょう。シャイな聡に特別に私のボディを見せてあげようと思っただけ」
「ふざけるな。だいたい何が聡だ。おまえごときに……」
「わかった。では、私のことは特別に弥生様と呼ばせてあげる」
「呼ぶか」
「それでどう?」
ここで弥生は某雑誌に登場しそうな悩殺ポーズを決める。
聡は顔を赤らめながらも必死に無言を貫くと、弥生は黒い笑みを浮かべる。
「それとも聡の好みはスクール水着。紺色の」
「わかった。巨乳の眼鏡女子の紺色のスクール水着が好きなのね。本当にエッチな子だね。聡は」
「知らん。というか、子供扱いをするな」
「そもそもそのビキニ。どこで来ているのだ?」
「ありがたく思ってね。聡に見せてやろうと思ってわざわざネットで注文した」
「だから聡はやめろ」
「じゃあ、聡ちゃん。これでいい?」
「よくない」
結局この日も弥生の水着姿を堪能しただけで終わる。




