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強く願えば望みは叶う……時もある
そして、あれから二十日後。
ある葬儀会場前に聡はいた。
蒲原も。
「どうだ?おまえの努力の結果を見た感想は」
蒲原の顔には微妙な笑顔が浮かぶ。
「毎晩のように彼女の夢の中に現れては警告の言葉を伝えた」
「見上げた努力だ」
「それで、今頃それを問題にするのか?許可を取ったはずだが」
「もちろん問題などしない。本来その程度ですでに決まっていた運命が変わるはずはないのだから」
参列者の列に加わる面識のある女性を眺めながらそう言って聡は薄く笑う。
「俺としては他にやれそうなことを色々考えたのだが、さすがに赤の他人のために俺が死ぬつもりはない。あれが俺にやれるる精一杯のことだった」
「そういう点では、あの結果は十分に満足できる結果といえる」
「なるほどな」
聡の言葉に蒲原の笑みは深みを増す。
「彼女自身はどう思っているかは知らないし、他の遺族が彼女をどう思っているかは微妙なところだが」
「まあ、とにかく今回の件は我々にとってもいい勉強になった」
「願い、そして、相応の努力をすれば、それが報われる……」
「こともあるのだと」
「だが、おまえは忘れてはいけない」
「死ぬはずだった彼女の代わりに本来死ぬはずではなかった者が死んだ者がいることを」
「……ああ」




