告死屋高校生の誕生
そして、三日後。
蒲原が聡の前に現れる。
「おまえは次回からひとりで仕事をおこなえということだ」
聡は黒い笑みを浮かべる。
「もしかして、この前の罰か?」
「まさか。現世と同様こちらも人手不足なのだ。せっかく見つけた新人を潰すようなことはしない」
「つまり?」
「上はおまえがすでに有能な告死屋だと認めたのだろう」
「こんなに早く独り立ちをした者はいないからな」
「過分な評価だな」
「それと……」
「この前の一件がある。おまえのところに回ってくる客は皆嫌な奴ということになるだろう。それこそ、努力して助けたいと思えないような」
「それは助かる」
「だが、忘れるなよ。この前のアレは特別だ。しかも、代わりに死んだ者がいる。あのようなつまらぬことは考えるなよ。後悔する。それと……」
「一応相談ごとが出来た場合には、駅前の『ホワイト・ハート&レイン』という喫茶店に来い。そして、注文時に『ブランシュガーの追加』と言え。現れた者が同業者だ」
「あんたじゃないのか?」
「私かもしれないし、そうでないかもしれない。それはその時のお楽しみだ」
「まあ、がんばれ」
その三日後。
最初の仕事の依頼がやってくる。
それは蒲原の言葉どおり、聡が助ける気にもならないクズな男だった。
もちろん、手早く仕事を済まし、指定日に見に行くと、その通り、そこには警察による規制線が張られていた。
ほんの少し前、自分が告死したその男はつまらぬ喧嘩の末腹を刺され死んでいた。
「まさにカレンダーどおり。だが、人間の死も死に場所や死に方まで決まっていたとは驚きだな」
聡は苦笑し、そして、そこから離れていった。
「まずは任務完了」




