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告死人 高校生  作者: 田丸 彬禰


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16/23

「ホワイト・ハート&レイン」の客

結局、悶々としたまま夜が明け、寝不足のまま学校に行った聡が放課後立ち寄ったのは、駅前にある喫茶店「ホワイト・ハート&レイン」だった。

喫茶店。

カフェではなく、いわゆる純喫茶と呼ばれる古風な店であり、高校生が立ち入るような店ではなかった。

聡が店に入ると、マスターらしき男がチラリと聡に目をやり、小さな声で「いらっしゃい」と声をかける。

カウンターにふたりの男。

五つあるテーブル席は二組の客がいる。


さすがにカウンターの席を選ぶのは気が引ける。


「ブレンドコーヒーを」


そう言って開いているテーブル席に向かいかけたところで、大切な合言葉を口にしなければいけないことを思い出す。


「ブランシュガーの追加を」


そして、座る。


「……まあ、この中の誰かが同業者ということなのだろうが」


マスターにそれを伝え、話が通るのなら、第一候補はマスター。

次はカウンターに座るふたりの男のどちらか。


聡は心の中で呟く。


「まあ、誰でもいい」


やがて……。


「ブレンドコーヒー」


愛想のない声でマスターはコーヒーを置いていく。


「……違うのか」

「まあ、違うわけではないけど、今日は僕が相手だ」


一瞬の断層があったかのように、目の前の席に座っているのは眼鏡をかけた若い男。

サラリーマンというより、サラリーマンを装った詐欺師、そう思わせる男だった。


「西園寺卓だ。よろしく」

「一之瀬聡だ」


「相談しに来たのに随分とデカい態度だね。君」

「不愉快と思っているのならお互い様だ」

「そういう態度だと嫌われるでしょう。みんなに」

「おかげ様で友人は多い」


「それよりも、確認したいことがあって来た。それに答えられるのか。あんたは」

「たぶんね」


「そうか。それなら結構。きちんと答えられたら、コーヒー一杯ご馳走してやる。だから、真面目に答えろ」


「いいでしょう。コーヒーをご馳走してもらえるよう努力させてもらいます」


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