↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様は見ている  作者: ももらら
幸せになる資格

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
73/75

たとえ本人でも……

エリンとダニーは同じ考えです。

 ノアが話し終えると、エリンは微笑んだ。

「素敵な友達ね……」

 ノアは頷いた。

「うん」

「あなたのこと……すごく大切に思ってるんだね」

「そうだね」

 エリンはこれまでのことに思いを巡らせながら優しく言った。

「ダニーさんの言葉……私も好きだな」

「どの言葉?」

「『たとえ本人でも許さないぞ』って」

 ノアは笑った。

「あれはびっくりしたよ」

 エリンは彼の手を取った。

「でも、本当にそうだと思う!」

 ノアは彼女を見た。

「あなた……自分のことを大切にしなさすぎるところがあるもの」

 ノアが少し困ったように笑った。

「そうかな?」

「そうよ」

 エリンは彼の手を握った。

「私もダニーさんと同じ気持ち……。あなたが自分のことを軽く扱ったら、私も怒るからね」

「それは困るな……」

「困ってください」

 2人は笑った。

 エリンはノアの肩に頭を預けた。

「ねえ、ノア。いつかダニーさんに会いたいな」

 ノアは頷いた。

「きっと、喜ぶよ」

「赤ちゃんが生まれる前に、会えるといいね」

「そうだね」

 ノアは、彼女の髪を撫でた。エリンは目を閉じた。

 彼女はノアの大学時代の話を思い返していた。

 少し年上で、真面目で、誰かに頼られると断れない学生。

 自分のことを低く見積もり、友人に叱られていた青年。

 今のノアと何も変わらない。

 だが1つだけ、わからないことがあった。

 26歳で大学に入るまで、ノアは何をしていたのだろう? 彼はそのことを話さなかった。エリンも尋ねなかった。

 ただ彼が今ここにいることを嬉しく思った。そしていつか彼自身が話したくなったときには、聞いてあげたいと思った。


 その夜。ノアは寝室の引き出しを開けた。中には小さな指輪の箱が入っている。

 彼は箱を手に取り、蓋を開けた。1粒のダイヤモンドが、部屋の明かりを受けて輝いた。

 ノアはしばらく見つめていた。そしてダニーの言葉を思い出した。

「お前も……俺の大切な友人であるノア・ベネットを軽く扱うのか?」

「たとえ本人でも許さないぞ!」

 ノアは静かに息を吐いた。あの頃、自分には誰かに大切にされる資格がないと思っていた。今もその気持ちが完全に消えたわけではない。

 だがエリンは自分を愛してくれている。ダニーは自分を友達だと言ってくれる。そしてもうすぐ生まれてくる子どもがいる。

 ノアは指輪の箱を閉じた。

「僕も自分のことを少しは大切にしていいのかもしれない……」

 彼はそう思った。初めてその考えを否定しなかった。

ご意見、ご感想、いいね、ブックマーク登録など頂けると励みになります。よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。