残虐な光景
アフガニスタンに到着した私たちだったが、そこで目を疑う光景を目の当たりにする。なんと、そこには検問をする兵士が誰もいなかった。
私たちは各々の『ウェポン』を構えながら、辺りを見渡す。
「何か不気味ね。検問には兵士の1人がいるはずじゃない?」
「そうだがな。どうも誰もいないみたいだな」
香里奈と美生が背中合わせにして警戒する。私も『正宗』を構えながら周囲を警戒する。すると、遠くから蠢くように歩く傭兵達が現れる。
「なんだあいつら!? あれじゃまるでゾンビじゃねぇか!?」
「麻薬に毒されてのかしら!? 美羽、こっちからやらないとやばいわよ!?」
二人が臨戦体制を取る。ゾンビのように蠢く傭兵達が、こちらに向かって歩き出す。
「アリスのいる場所に行くには、こちらをどうにかするしかなさそうね。二人とも、行くわよ!」
私の声に、美生と香里奈も接近する。『正宗』を非殺傷状態に抑えの、峰打ちに近い状態で傭兵達を気絶させる。それに続くように、香里奈も『ヤタノカガミ』を振り回しては同じく傭兵達を気絶させる。
対して美生は、『アーク・エネルギー』を地面に放ち、感電させて傭兵達を気絶させる。
「テメェ! こっちまで感電したらどうする!」
「あら? ごめんなさい。加減をミスったわ」
「ぜってぇわざとだろう? これが終わったら締めてやらぁ!」
香里奈は美生と口喧嘩を行う。全くこの二人ときたら、この状況でも喧嘩が絶えないようだ。だが、不思議なことに傭兵達は意識があるらしい。この格好は、どうやらイスラム過激派組織らしい。
『ナノマシンが人為的に操作されて発作に近い状態にされたみたいね。何かの実験が行われているのかしら?』
「どういうこと? あれは『アバター』をロボットに搭載させるためのやつなんじゃ?」
『本来ならね。でも、この兵士から見るに、『アバター』をあるはず。でも、これは一体?』
ブリュンヒルデが気絶している傭兵の容態を確認する。どうやら、これはナノマシンによる物のようだ。しかし、この現象は私たちも見たことのないものだ。
「どうなってやがる? ナノマシンがショック症状を起こすなんて聞いたことないぞ?」
美生はすぐさま半透明なキーボードを展開し、ナノマシンの症例を検索する。
「ダメね。検索しても出てこないわ」
『私の方でも調べても出てこないです。こちらで深掘りして調べてみるです!』
翼の無線が入る。どうやら、彼女は深掘りしてナノマシンの症例を調べるみたいだ。私たちは先に進む。アフガニスタンの地は私が思っていたほどに戦線が繰り広げていないみたいだ。別にいい意味ではない。あくまでこれは悪い意味での話だ。それどころか、ゾンビのように蠢く傭兵達が辺りを徘徊しているのだ。
アフガン国内の村に足を踏み入れる。そこで見た光景に、思わず絶句する。その光景は、戦争とは無縁の日本では見られない悍ましい光景だったのだ。
「どういうこと?」
その光景を見た私は、その一言を発する。なんと、村人全員が地面の倒れて死んでいるのだ。元々貧困だったのか、スマホを持っている人が限られている。だが、スマホを持っていない村民でも、誰一人残らず死んでいるのだ。
『う……ごめんなさいです……。私ではこれはキツすぎです……』
翼は無線越しに吐き気を感じている。それほどまでに、残虐な光景なのだ。
「これは、人の域を超えているわ。何も悪くない村人達に、こんなことをさせるなんて」
「タリバンのやつら、こうまでしてアメリカを追い払いたいのか? それとも、アメリカがこうまでしてテロリストを殲滅したいのか。人間の考えってやつは、時に度がすぎてやがるぜ」
二人はその光景に絶句している。それを見た私は、その光景に黙祷を捧げる。
「この村の人たちの供養は、終わってからやろう。それが私たちができる、せめてものことだから」
私は、『正宗』に『エネルギー』を溜め、地面に放つ。そして、それに伴い村が焼け始める。
「これでよかったのよね」
「あぁ、鳥の餌になるよりはよっぽどマシだ」
二人は焼き払われる村を見て、その場で正座し手を合わせて黙祷を捧げる。私は焼け落ちる村を見て、後ろを振り向き移動する。
「行きましょう。早くこの戦いを終わらせましょう」
「あぁ、そうだな」
「えぇ、行きましょう」
私たちは空を飛び、移動する。しばらく移動していると、ロボット達が石のレンガで出来た建物に攻撃を繰り広げているのを確認する。
その建物に居たのはアメリカ軍。つまり、アリスのいる舞台だ。
「見つけた!」
私はすぐさまアリスを発見する。だが、急降下したいところではあるが、交戦が激しいため降りられない。すると、強力な反応が接近し、アラートを鳴らす。それと同時に、翼の無線が入る。
『大変です! 強力な反応がこちらに来てるです!』
「この感じ、まさか!?」
私たちは一斉に後ろに振り向く。そして、それは前に一度倒しているあのロボットだった。
「『量産型機兵』……だと? あれは前に破壊したはずじゃ」
「まさか、量産できたというの? それも、この短時間で?」
「どうなっているの?」
戦地の奥には、あの『量産型機兵』が二足で立って鎮座していた。そして、機械の接触し合って出来る咆哮に似た音を響かせ、左手に着けていたレールガンをアリスのいる建物に目掛けて放つ。
放たれたレールガンの爆風によって、数名のアメリカが死亡する。運がいいものでも、四肢のどこかが爆風で吹き飛ぶ大怪我を追う。だが、アリスは辛うじて無事みたいだ。
『量産型機兵』は、その後に飛躍して接近し、ガドリングを構える。
「アリス!」っと私は急降下して『正宗』でガトリングを斬り落とす。
そして、アリスを救出しつつ、再び『量産型機兵』との戦闘を開始するので合った。




