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サイバーブレイン〜人間とアバターが共存する世界で、アバターを持たない平凡な女子高生がAIとリンクしてブレイバーへと変身する〜  作者: nashlica
第1章 腐敗した資本主義編:前

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カンナギ港の解放

『トロイの木馬』によって、システムがハッキングされたカンナギ港を解放するため、私たちは『トロイの木馬』を排除する。しかし、木馬を囲うバリアは非常に硬く、その上木馬から大量にウィルスとランサムウェアが放たれ、木馬に近づけられない状態が続く。

 アリスの救援もあり、その状況は打開しつつあるが、それでも木馬から放たれるウィルス達に苦戦する。


「くそ! 早いところ木馬に近づきてぇが、ウィルスどもが邪魔で近づけられねぇ!」

「このままじゃこっちがジリ貧になるわ! 何か対策とかない?」


 美生と香里奈は無尽蔵に押し寄せるウィルスに嫌気をさす。アリスは2人の背後にバリアを展開し援護する。


「流石に多すぎるわね。これ以上相手にしていると、木馬を倒す前にこっちがダウンするわ」


『正宗』を振りながら、カマキリ達を駆除する。しかし、倒しても次の波が木馬から放たれる。ウィルスの大群が私に襲いかかる。私はそれをすぐさま避け、散らばったウィルスを斬り裂く。


「木馬に近づける方法があれば楽なのだけど、このままじゃ近づけさえもできないわね」


 木馬への接近方法がない以上、木馬に近づくさえも敵わない。どうするか考えていると、アリスはあることを考える。それを伝えるために、アリスは私達を遮蔽物に行くよう指示する。


「このままでは、どうやっても木馬には近づけないのは明白だね」

「ウィルスを駆逐するまでやるしかないのかよ」

「無理ね。あれから出るウィルスは無尽蔵と言っていいわ。このまま行くと、こっちがジリ貧で数の暴力に押し倒れるわ」


 3人は『トロイの木馬』の打開策を考える。美生の言うとおり、『トロイの木馬』に内包されているウィルスの量は無尽蔵と言っていいだろう。その上バリアまで張られている以上は、接近も許しはくれない。

 だが、黙ってそれを相手にする余裕はない。どうするかを考えていると、アリスはある作戦を思いつく。


「二手に分かれて戦うのはどう?」

「無茶言うなよ。こっちは雪崩れ込んでくるウィルスで手一杯だぜ?」


 アリスの作戦に、香里奈は乖離的になる。香里奈の言う通り、木馬から出る大量のウィルスに対応しなければ木馬への接近チャンスはない。かと言って木馬に接近してもバリアが固い以上は、木馬本体にはダメージすら入らない。

 しかし、アリスの作戦には私も一理ある。このままみんなでウィルスの群れを相手にするのはキリがないのも事実だ。


「いや、アリスの案には一理あるわ。このままみんなであれから出るウィルスを駆除しても、また新しいウィルスの群れを相手にしてキリがないわ。ここは二手に相手しやった方がまだマシよ」

「確かに、それならまだやれそうね。それならどうする? 私は手柄が大きい方がいいけど?」


 美生は『ゲイボルグ』を肩に背負いながら作戦を聞く。アリスは私たちに作戦を伝える。


「前衛と後衛に分かれて行動する。前衛は木馬のバリアを破壊し、後衛は木馬から放たれたウィルス達は殲滅。これを繰り返すことで、木馬のバリアは砕けて、木馬本体を破壊できる。今の状態ならどのみちジリ貧でこっちが倒れるのなら、これが正攻法と言えるね」

「後ろが囮で、前がバリアを破壊するってわけか。いいだろう、前は私が請け負うぜ」


 香里奈がアリスの作戦にのる。そして意気揚々よ前衛を引き受けた。


「それで? もう1人は?」

「美生ちゃんには私の護衛をお願いしたい。私の『イージス』と『アイギス』で充分防げるけど、防ぎきれない分の排除ができない。なら、速さがある美生ちゃんなら、カバーはできると思う」

「あいつに手柄を譲るのは癪だけど、あなたとペアでやってみたかったわ。いいわ、あなたの背中は私が守ってあげる」


 美生はアリスの案に乗っかる。そうとなると、空いてる一枠は前衛だ。


「なら私は、香里奈と前衛を引き受けるわ。というか、元からそうするためにあえて美生を後衛にしたようね」

「美羽ちゃんにはわかったか。美羽ちゃんの『γのギリシア・コード』と香里奈ちゃんの『κのギリシア・コード』なら、あのバリアを破壊できると確信しているんだ。一撃が重い『ギリシア・コード』なら、手数に頼らずとも破壊できると思ってね」

「性格が悪いわね。それなら、早くやりましょう」


 アリスと話し終えると、私は香里奈がいる木馬のあたりまで向かう。木馬のあたりまで向かうと、香里奈がバリアの破壊に勤しんでいた。


「随分と遅かったじゃねぇか。もう始めてるぜ?」

「ごめんなさいね。アリスと長話をしていたわ」

「長話は結構だが、まずは木馬を壊さないとな。話の続きは、そこからだ」

「そうね。終わってからゆっくり話しましょうか」


 香里奈と私は、木馬のバリアの破壊を開始する。香里奈は氷を纏った『ヤタノカガミ』を斧のように振るいながら、バリアに攻撃する。


「『κ・スパイラル』!」


 回転しながら木馬のバリアに連続攻撃する。香里奈の重い一撃が木馬のバリアに亀裂を入れる。そして、最後の一撃が加わると、バリアの亀裂が割れ、バリアは砕ける。

 私と香里奈は木馬に向かって接近する。だが、バリアはあれだけでなく、何層にも展開されていたのだ。


「どうやら、バリアは一つだけじゃなさそうね」

「あぁ。それに再展開までの時間も早いらしい。こうなれば、木馬を破壊しないと戻れないようだな」

 「そうね。ウィルスどもを任せてる2人のためにも、速攻で終わらせましょう」


 私と香里奈は引き続きバリアの破壊をする。香里奈が連続攻撃をしていた間に、『レギンレイヴ』に『エネルギー』を充填させた私は、溜めた『エネルギー』を一気に放出させる。


「『γ・フィスト』!」


『レギンレイヴ』のモーターを回転させる。蓄積された『エネルギー』を一気に放出させ、バリアに向かって殴る。すると、蓄積した『エネルギー』によって、バリアは一気に砕けた。

 砕けたバリアの穴に向かって私と香里奈は飛び込む。すると、もう一層のバリアにぶつかり、再びバリアの破壊に入る。


「まだあったの!?」

「しぶとい野郎だぜ。美羽! 私が亀裂を入れるから、お前は入れた亀裂に攻撃を加えてくれ!」

「そうね。これ以上は悠長に『エネルギー』を入れている時間はないわね」


 香里奈が『ヤタノカガミ』でバリアに攻撃する。しかし、香里奈は少し首を傾げながら攻撃を続ける。


「どうかしたの?」

「このバリア、さっきの2つとは違って固いぞ。通りで亀裂が入りづらいと思ったぜ」


 香里奈が何度も攻撃を加える。しかし、バリアに亀裂が中々入らない。どうやら、先の2つのバリアと比べてこのバリアは強度が強いようだ。


「仕方ねぇ。あれで行くぜ!」


 香里奈は『ヤタノカガミ』を分離させ、『ソーラー・エネルギー』を一気に放出させる。


「一気に行くぜ! 『Λ・バスター』!」


 高出力の『ソーラー・エネルギー』を一気に放出する。すると、あれだけ固いはずのバリアが砕け、木馬まであと一歩のところまで接近できる状態になった。しかし、最後のバリアも展開されており、香里奈の高出力の『ソーラー・エネルギー』を塞いでしまう。だが、威力もあってか直撃したバリアに亀裂が入る。


「今だ!」っと香里奈の声と共に、『ヴァルハラ』をバリアの亀裂に撃ち込む。そして、最後のバリアが砕けた時、すぐに『正宗』に持ち替え、『エネルギー』を刀身に溜める。


「これで、最後よ!」


 木馬の胴体に向けて、『正宗』を振るう。


「『α・ブレイズ』!」


『トロイの木馬』の胴体を横に向けて斬る。その反動で木馬は上を向きながら機械の遠吠えを上げながら消滅した。それと同時アリスと美生に襲いかかっていたウィルスとランサムウェアの大群も一気に消滅した。


「やったな。これで、軍艦もフェリーもここに入港できるぜ」

「えぇ。みんなのおかげよ。ありがとう、香里奈」

「お礼なんていらないわよ。みんなでやらななきゃいけなかったわけだしよ」

「そうね。素が出ててるわよ」


「あ」っと思ったのか、香里奈は照れる。現に今回はここ最近では一番厄介な相手だった。

 これも『商人X』が一枚噛んでいるのか。そう疑問に感じているが、今はただ、これからについて話し合わなければならない。

 下を見ると、美生が1人で待っている。どうやら、アリスはそそくさと軍艦に戻って行ったようだ。

 私と香里奈は空からおり、地上で待っている美生と合流するのだった。

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