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サイバーブレイン〜人間とアバターが共存する世界で、アバターを持たない平凡な女子高生がAIとリンクしてブレイバーへと変身する〜  作者: nashlica
第1章 腐敗した資本主義編:前

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テロリストを追跡せよ:井崎美生視点

前の回の美生視点での回です。

美羽視点はこちら↓

https://syosetu.com/usernoveldatamanage/top/ncode/3164173/noveldataid/29301205/

 一方の井崎美生は、瀬戸内香里奈の住居フロアの一室でPCを数台開きながら操作を始める。先行して追跡に向かった2人に対して、美生は冷静であった。

 PCの黒い画面を操作しながら、テロリストの動向を探る。3台の車が並行で走っている様だ。

 美生はテロリストのトラックのGPSの位置情報をジャックし、彼らの進路を把握する。


「一台がこっちに来ているね。まずはこのトラックのイーサネットをハッキングして、他のを連鎖的に奪えばいいか」


 タッピングのスピードを速めながらハッキングを行う。『ブレイバー』特有の脳の回転を生かしながら、ハッキングのための構築をPCに打ち込む。


「クーフーリン。あとどれぐらいでできそう?」

『推定で110秒よ。ハッキング後の奴は木馬でいいかしら?』

「それでお願い。2分弱なら、ほぼあっという間だね」


 一心不乱にPCのキーボードをタッピングする。『ブレイバー』として前線に立たなくても、彼女は類まれなハッキング能力を有している。

 ホワイトハッカーしても活動する彼女は、人の身でありながらも犯罪ハッカー(ブラックハッカー)相手なら容易く倒せる。それが起因で政府に雇われているのが現状だ。

 日本政府のサイバーテロ対策にも一躍買い、近年日本のセキュリティが強化されているのは、美生の功績だろう。


「クーフーリン。あのレッテルをお願い」

『しょうがないわね。それが貼れれば完了するんでしょ?』

「うん。テロリスト達のPCサーバーは全て掌握したから、あとはあれを貼ればここからでもダイブできる。2人には悪いけど、一番乗りをさせてもらうよ」


 忍ばせていたエナジードリンクを飲み、Enterキーを押す。クーフーリンもそれにつられる様に『μ』のレッテルをテロリストのPCに貼り付けた。

 これにより、テロリスト達のPCの主導権は全て井崎美生の手に渡った。今頃彼らは突然のことに驚いている。

 しかし、それは全部にやるのはリスクがある。美生は時間差で掌握するようプログラムしていたのだ。もちろん最初は瀬戸内グループに向かっているトラックからだ。


『ハッキングが完了したわ。私はいつでも行けるわ』

「OK。それじゃ、私たちも行こう!」


 クーフーリンは美生のスマホに戻る。『ライド』する前に、美生は翼に声をかける。


「留守はお願いね」

「はい! 美生さんも暴れちゃってください!」


 翼は美生に声をかけると、球体の中に戻る。そして、美生は自身のスマホに親指を触れる。


「行くよ! クーフーリン。『ライド・トゥ・ブレイバー』!」


 数字の羅列が美生の体を包み込む。しばらくして、井崎美生はクーフーリンに『ライド』し、『M・クーフーリン』となった。

『M・クーフーリン』こと井崎美生は、腕を握りながら肩を回す。


「ふふ。やっぱりこっちの方が性に合うわね。あっちの作業は疲れるからしたくないんだけど」

『それはあなたの能力が悪いわね。さぁ、下準備は終わってるわ。そろそろ暴れましょうか』

「えぇ! 癪だけどあいつの社員を死なせるわけにはいかないわ!」


 美生は自身のPCに向かってダイブする。すると、彼女の体がPCの画面に吸い込まれた。

 無数の数式が現れるが、美生はその中を進む。井崎美生は光の先まで進んで行った。


 一方、テロリスト達は、PCがハッキングされたことに気づき、慌てふためく。


「どうなってやがる! 全然操作が出来ねぇぞ!」

「このロゴ、まさかあいつか!?」

「間違えない、『μ』だ! くそ! 日本のサツに気づかれたのか!?」


 テロリスト達は、PCがハッキングされ使えなくなったことに慌て始める。他の仲間との連携が取れなくなり、プランについての共有ができなくなったのだ。

 彼らが慌てていると、PCの画面から黒いコートを身に纏った女性が現れる。テロリスト達は所持していたAK-47を構え始める。


「な、なんだテメェ!」

「ふぅ〜。あら、驚かせたかしら?」

「く、来るな! 化け物!」


 テロリストの1人がAK-47を乱射する。美生はそれを避けるとテロリストに向かって拳で殴る。

 もう1人がナイフで接近するが、美生はそれを簡単に避けると腕を掴んで投げ飛ばす。


「次は誰?」


 美生は左手をクイクイっと挑発する。すると、テロリストがAK-47を構えるが、美生はAK-47を弾き飛ばしテロリストトラックの壁に突き飛ばす。

 もう1人も美生に攻撃するが、美生は腕に関節技を決める。その痛みでテロリストはAK-47をその場に落とす。


「くそ! このアマが!」


 テロリストが美生に拳を振るう。しかし、美生はそれを避けると脚でカウンターを決める。そして、トラックの壁に飛びかかりパルクールでテロリストをダウンさせる。


「くそ! こっちに来るな!」


 運転手はハンドガンを向けるが、美生は弾き飛ばすと逆に突きつける。


「このまま運転しなさい。命までは取らないわ」


 運転手は脅されながらも、ハンドルを握り続ける。美生はバックミラーの方を見ると、異常を察ししたトラックが後ろに張り付いていた。

 美生はトラックのドアを開けると『ゲイボルグ』を構える。


「もう面倒くさいわね。一撃で終わらせてあげる!」


『ゲイボルグ』を投擲の構えで持つ。すると、青光る電気が『ゲイボルグ』を纏う。


「『ギリシア・コード【Ζ】。』手向けとして受け取りなさい!」


『アーク・エネルギー』を纏った『ゲイボルグ』をトラックに向かって放つ。


「『Ζ・ストライク』!」


『ゲイボルグ』を後方のトラックに向けて放つ。放たれた『ゲイボルグ』がトラックを貫通すると、トラックはその場でスリップした。

『ゲイボルグ』が美生の元に戻る。スリップしたトラックはその場で炎上する。美生は後ろを見ると、運転手はさっきの電気に触れたのか気絶してしまった。


「あちゃ〜」っと美生はトラックから飛び降りる。そして、トラックはフェンスの衝突した。


「まぁ、終われば結果オーライね」


 美生はその場から離れ、空中に飛ぶ。もちろん草薙美羽と瀬戸内香里奈と合流するためだ。

 美生は空を飛びながら、香里奈に通信を行うのだった。 

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