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サイバーブレイン〜人間とアバターが共存する世界で、アバターを持たない平凡な女子高生がAIとリンクしてブレイバーへと変身する〜  作者: nashlica
第1章 腐敗した資本主義編:前

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テロリストを追跡せよ:瀬戸内香里奈視点

前の回の香里奈視点での回です。

美羽視点はこちら↓

https://syosetu.com/usernoveldatamanage/top/ncode/3164173/noveldataid/29301205/

 車椅子から降りた瀬戸内香里奈は自身の『アバター』、アマテラスと『ライド』し瀬戸内グループのビルより、カンナギ市の上空からテロリストを探し出す。

 井崎美生から送られたGPSの位置情報を頼りに、テロリストのトラックを空から追跡する。


「アマテラス。『認識遮断(インビジブル・モード)』だ」

『いいぜ! 『認識遮断(インビジブル・モード)』ON!』


 香里奈の姿がベールに包まれる。すると外側からは香里奈の姿を捉えることができなくなった。

 香里奈は『ウィングユニット』を展開し、速度を上げながら接近する。速度を上げながらも一般車両に当たらないよう注意しながら進む。


『12時の方向。あれが例のトラックだぜ?』

「みたいだな。けど、この道路じゃ他の車も巻き込みちまう。少しスピードを落としながら行くぞ」


『ウィングユニット』の速度を緩めながら追跡する。そして、香里奈はトラックの上に登る。


「ここでしばらく待っておいてやらう。アマテラス、このトラックの中の音声をジャックしてくれ」

『いいだろう。こうなのお安いご用だぜ』


 アマテラスはトラック内のテロリスト達の音声をジャックする。すると、香里奈の耳にテロリストの会話が聞こえる。


『へぇへぇ。これであのお子様社長もビビって金を出すしかねぇな』

『そうだな。楽な仕事だぜ』

『今頃幹部連中に泣きついているんじゃねぇのか』

『違いねぇ!』


 香里奈の耳にはテロリストが香里奈もとい瀬戸内グループを嘲笑する。それを聞いていた香里奈は少しずつ怒りが込み上げてくる。


「やろぉ。私のことを舐めやがって……」

『まだだぜ。この道路を抜けてからだ』


 怒りを込み上げる香里奈をアマテラスは静止する。すると、嘲笑の声が一瞬にして焦りの声に変わった。


『大変だ! 他のチームとの連絡が取れねぇ!』

『そうなってやがる! さっきまでは正常だったぞ!』

『わからねぇ! 今あいつが解除に回っているはずだ!』

「どうなってんだ?」


 当然の事態に香里奈は驚く。なんと、テロリストのPCが全て何者かにハッキングされ、ネットワークの主導権を掌握されたのだ。

 困惑している香里奈を他所に誰かから無線が入る。


『あはははは! 驚いた?』

「テメェ!? 何しやがった!?」

『何って? こいつらのPCをハッキングしてやったのよ。おかげでダイブして乗り込んでやったわ!』

「ふざけんじゃねぇ! 私を差し置いて一番乗りなんざ許さねぇ!」


 電話の相手は『M・クーフーリン』こと井崎美生だった。どうやら彼女はテロリストのPCを全てハッキングした上で、そのままダイブして1グループを倒したようだ。


『もう、私がハッキングすればすぐ乗り込めたのに、あなたと美羽は一目散に出るんだから』

「何が悪いかよ。こっちは社員の命がかかってんだよ」

『知ってるわよそんなこと。それで? そっちはもう行けるの?』


 香里奈はトラックの荷台の上に立ち上がる。


「当然だ。いつでも行けるぜ」

『なら安心ね。私は終わるまで待つわ』


 美生からの通信が切れる。トラックは仲間と合流するため進路を変える。香里奈はこの時を待っていたかのように荷台から飛び、トラックにタックルする。

 トラックはその振動でハンドルを取られたようで、車体をフェンスに衝突する。

 テロリスト達は倒れたトラックから出て、AK-47を構えながら周囲を見渡す。


「よう。随分と派手な当たり方してんじゃねぇか」

「だ、誰だテメェは!?」

「お前らなんかに名乗るもんじゃないぜ? さぁ、ぶっ潰されてぇのはどこのどいつだ?」


『ヤタノカガミ』をロッドとドッキングさせる。すると香里奈のベーシックウェアが赤から青に変わる。


「『ギリシア・コード【κ】。形態変更(スタイルチェンジ):フリーズブレイカー』」


 氷を纏った『ヤタノカガミ』を斧の様に持ち構える。テロリストは銃を構えるが、『ヤタノカガミ』から放たれる冷気によって手が冷え始める。


「最優の銃と言われたAK-47でも、手が冷えちまえば使えねぇな」

「なんだこれ!? 寒くて銃がもてねぇ!」


 香里奈は容赦無用に『ヤタノカガミ』を振るう。そして、地面から氷の柱が現れ、テロリスト達はその反動で吹き飛ぶ。

 テロリストの1人が逃げ出すが、香里奈は『ヤタノカガミ』を投げる。そして投げた『ヤタノカガミ』を滑りながら持ち直すと、トラックごと吹き飛ばす。


「さぁ、次は誰だ?」


 香里奈は『ヤタノカガミ』を地面につけると後ろを睨みつける。それを見たテロリストは次々と逃げ始める。

 しかし、テロリストの1人がトラックについていたミニガンを香里奈に向けると、ミニガンを乱射する。香里奈はミニガンの銃弾を『ヤタノカガミ』を回転して防ぐ。


「遊びは終わりか? なら、終わらせてやるぜ!」


 香里奈はジャンプすると、『ヤタノカガミ』を振いトラックをミニガンごと叩き砕く。その反動でテロリストはミニガンから吹きたんだ。

 テロリストは最後の抵抗でミニガンを構えるが、ミニガンをオーバーヒートしたようだ。


「お前にはこれじゃなくて拳で行かせてもらうぜ?」


 香里奈は指を鳴らしながらテロリストに向かう。


「よくも私を、私の社員の命を取ろうとしたなぁ? 私の気が済むまでテメェをぶん殴ってやるぜ!」

「やめ、やめてくださ――――――! ぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」


 香里奈は気が済むまでテロリストをタコ殴りする。しばらく殴り続けると、テロリストは顔面を変形させられた。どうやら鬱憤を返すついでに満足がいくまで殴った様だ。

 気が済んだ香里奈は、テロリスト達をその場に放置して草薙美羽の元に向かう。

 カンナギ港を狙ったテロリストの一部隊は瀬戸内香里奈の手で壊滅したのだった。

 


   

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