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サイバーブレイン〜人間とアバターが共存する世界で、アバターを持たない平凡な女子高生がAIとリンクしてブレイバーへと変身する〜  作者: nashlica
第1章 腐敗した資本主義編:前

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対峙するロボット

 テロリストのトラックを破壊した私は、もう一台のトラックを上空から探す。カンナギ市の空から件のトラックを探す。美生から共有されているGPSの位置情報では主要道路を過ぎていない。この辺りからは割と近いだろう。私は『ウィングユニット』の出力を上げ、トラックのいる位置に向かう。


『まずいわね。この辺りは車通りが多い地域だわ。無理に追跡すると関係のない車にまで被害が出るわ』

「なら、泳がせてから追撃しましょう」


 トラックの高さまで高度を下げる。しかし、このままではかえって目立ってしまう。すると、私の視界上のウィンドウに機能を促す表示がされている。



『『認識遮断(インビジブル・モード)』を展開するわ。これで一般人からはあなたの姿は見えないわ』

「ありがとう。『認識遮断(インビジブル・モード)』ON!」


 ウィンドウをタップする。すると、ベールのようなものが私を包み込み、外部からは見えなくなったようだ。


「これで気がつかれないわね。このまま追跡するわ」


 速度をトラックに合わせながら追尾する。テロリスト達は私が後ろにいることに気がついていないようだ。まだこの道路からは出ないらしい。

 追跡していると翼から連絡が入る。


『香里奈様も美生さんもテロリストの排除を完了しました! 残りは美羽さんだけです!』

「あら、早いわね。なら遅れる訳には行かないわね」


 テロリストのトラックはまだ直線に進む。しばらくするとトラックは道路を右に進む。


「この通りは確か?」

『カンナギ港の通りね。奴ら、本気で実行するみたいよ』


 トラックはカンナギ港の方角に進んでいる。そしてカンナギ港より少し遠くの場所に車を止める。


『テロリストの会話を傍受したわ。あなたの耳に彼らの会話が聞こえるはずよ』


 ブリュンヒルデが傍受したテロリスト達の会話を再生させる。


『どうなってやがる! 他の連中から連絡が取れてねぇぞ!?』

『ダメだ! PCがハッキングされちまった! これじゃ爆弾を起動できねぇ!』


 音声を聞くに、美生がテロリスト達のPCの回線をジャックしたらしい。その影響で他の部隊との連携が取れていないようだ。翼からの情報が確かなら、彼は香里奈と美生にやられたのだろう。


『くそ! 『μ』の仕業だ! こんな短時間でハックするなんて、奴しかありえねぇ!』

『おい! どうすんだよ!?』


 テロリストの1人が不敵な笑いをしながらあるボタンを押す。


『おい! それは明日アメリカの船に使うんじゃ!?』

『関係ねぇ! この港を滅茶苦茶にすれば全部済むんだ!』


 テロリストの1人が何かを起動させる。するとトラックから中型のロボットが姿を現す。それを見た私は『認識遮断(インビジブル・モード)』を解除し港に急接近する。

 トラックから大量のロボットが現れる。私は指揮系統と思われるロボットの頭部に『正宗』を突き立てる。ロボットがその反動で爆散すると、他のロボット達は機能を停止する。


「な、なんだテメェは!?」

「あなた達に名乗る名はないわ。あれは一体何?」

「こ、答える気はねぇよ! 誰が答えるか!?」


 テロリストの言葉に呆れながらも『正宗』を構える。


「ならこちらを始末すれば口を開くと言う訳ね?」


 テロリストを後ろ目に、ロボットの大群を相手にする。指揮系統のロボットと見ると、ショッピングモールの一件で見たのと一緒のやつだった。


「初めまして? それとも久しぶりかしら? 相手をしてあげる」


『正宗』を構え直すとロボットの群れは私に攻撃する。すると私は『正宗』にエネルギーを溜め、横に向けて薙ぎ払う。そしてロボットの群れは一気に両断され破壊される。

 爆風からロボットの腕が現れる。私はそれを避けると、ロボットの残骸が煙から飛んで来る。


「これだけじゃなさそうね」


 煙から大型のロボットが現れる。ロボットの口から熱線が横に薙ぎ払われるように放たれる。私は空中に避けるが、薙ぎ払われた熱戦によって港の道路が焼き焦げる。


「新型? 美生の情報にはなかったわ」

『おそらくさっきの小型ロボットの大群はフェイクね。胴体しかないのは、どうやら設置型の大型ロボットね』

「中型のロボットと小型のロボットは、設置の為の時間稼ぎというわけね。悪いけど破壊させてもらうわよ」


 大型のロボットに向かってダッシュで走る。すると護衛のロボット達が私の進路を阻まんと立ち塞がる。


「『ギリシア・コード【α】。モード:ブレードダンサー』」


『正宗』からエネルギーを放出し、『エネルギーブレード』を展開する。私が『正宗』を振るうと同時に、『エネルギーブレード』は私の攻撃に合わせて追撃する。


「ならこれはどうかしら?」


『正宗』を突きの体制で構え、エネルギーを集中させる。すると、『エネルギーブレード』が『正宗』を囲うように展開される。


「『α・スパイラル』!」


 突きの構えで設置型のロボットに突進する。すると、周囲の小型のロボット達が回転する『エネルギーブレード』に斬り刻まれる。

 そして、螺旋状の『エネルギーブレード』と共に、設置型ロボットに攻撃する。すると、防いでいた手を破壊し腹部に突き刺す。

 だが、設置型のロボットは前に倒れ込みと再び起き上がる。


「中々しぶといわね。でも、雑魚を倒すよりは手応えはあるわ


 『正宗』をしまい、両手に『ヴァルハラ』を持つ。


「『ギリシア・コード【β】。モード:ガンスリンガー』」


 『ヴァルハラ』を構えながら設置型ロボットの頭部を射撃する。『ヴァルハラ』の弾が尽きると銃の射出部を開きリロードする。

 リロードが終わると、すかさず『ヴァルハラ』を連射する。


「頭部へのダメージはないのかしら? いや、あるいはバリアか」

『バリアを展開しているロボットが周囲にいるわ。そいつを始末しましょう』


『ヴァルハラ』を再度リロードし、設置型のロボットの横に向けて撃つ。すると、展開されていたバリアが外れるが、再び展開されてしまう。


「どうやら一体じゃなさそうね。他にもいそうだわ」


『ヴァルハラ』を回すと全方向に向かって乱射する。


「『β・アサルト』。これで一掃する!」


 乱射される『ヴァルハラ』の銃撃が周囲を巻き込む。何発かが港の地面を跳弾する。その跳弾した弾丸が小型のロボットの被弾し、頭部のバリアが解かれた。

 私の後ろから中型のロボットが襲いかかる。だが、私はすぐに後ろに振り向き『ヴァルハラ』を構える。ロボットの胸部に弾丸が貫通すると、ロボットはその場で倒れる。


「残りは本体だけね。なら、一気に終わらせてあげる!」


 走りながら設置型のロボットに接近する。その途中で私はまた姿を変える。


「『ギリシア・コード【γ】。モード:パニッシュメント』」


 設置型ロボットは私に向かって左腕で殴りかかる。私もそれにこうする様に右腕でロボットの左腕を殴る。

『レギンレイヴ』のモーターを加速させると、設置型ロボットの腕を粉砕する。もう片方のモーターを加速させると、ロボットの腹部に向けて殴る。


「『γ・フィスト』!」


 モーターから放出されたエネルギーを拳に纏って放つ。そしてロボットの腹部を粉砕し、ロボットはその場に倒れる。


「『ギリシア・コード【Δ】。モード:オールラウンダー』」


 再び『正宗』を持ち縦に構える。そしてエネルギーを放出し縦状に設置型ロボットの頭部を斬る。


「『α・ブレイズ』!」


 放出されたエネルギーが倒れている設置型ロボットを縦に両断する。それによって設置型ロボットは機能を停止させた。一息つくように私は『正宗』を払い肩に背負う。


「大した相手ではなかったわね」


 私が『正宗』を肩に背負ってから少しして、設置型ロボットは爆散する。それを後ろから見ていたテロリストは恐怖で逃げる。

 テロリストが逃げようとした時、偶然その場に来た美生にぶつかる。


「もう終わったの? せっかく私も加勢しようと思ったのに」

「遅かったじゃない。こっちは終わったわ」


 あまりの恐怖でテロリストは尻餅をつく。そして、そのまま泡を吹いて倒れた。

 気を失っている間に、私たちはテロリストたちを拘束するのだった。

 

 

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