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サイバーブレイン〜人間とアバターが共存する世界で、アバターを持たない平凡な女子高生がAIとリンクしてブレイバーへと変身する〜  作者: nashlica
第1章 腐敗した資本主義編:前

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テロリストを追跡せよ

 テロリストが瀬戸内グループ本社ビルに爆弾を仕掛けているという連絡を受ける。美生のタブレットでは赤い点がテロリストを示している。それが件のテロリストなのだろう。

 私たちは彼らの凶行を止めるべく動く。時刻は正午前。明日の米軍艦のカンナギ港の入港を止めるのが目的のようだ。

 だが、易々とその凶行を許す訳にはいかない。私たちはそれぞれ別行動で動き、テロリストを追跡する。


「安易に『ライド』はできないわね。テロリストに遭遇してから『ライド』をしましょう」

「そうね。この時間帯ならどこもかしくも昼食時でしょう」


 私の提案に美生は頷く。しかし、香里奈は車椅子でテラスの方まで向かう。


「アマテラス。『ライド・トゥ・ブレイバー』!」


 スマホに親指を触れ、『アマテラス』と『ライド』する。香里奈は『ブレイバー』になると、車椅子から降りテラスの手すりに足を乗せる。


「悪りぃな! こっちは足が動かないんでね。先に行かせてもらうぜ」

「香里奈! その格好じゃみんなに――――――」


 美生の静止を聞かずに香里奈はカンナギ市の空へと羽ばたく。香里奈が飛んだことによってフロアに風が吹く。


「もう! 会社のことになると突発的になるんだから」

「とにかく急ぎましょう。私は南を行くわ」


 私がエレベーターに向かうと、美生はその場に立ち止まる。


「私はここからハッキングをして向かうよ。『ダイブ』すればすぐに追いつくよ」

「なるほど。PCの主導権をジャックするのね。なら私はそのまま追跡するわ」

「わかった。スクーターの権限を勝手に美羽に付与するからそれで行って。奴らのGPSの位置情報をスマホに送ってくから」


 美生はPCとタブレットを展開しハッキングを行う。私はエレベーターで降り、美生が権限を付与したスクーターに乗る。


『あーあ。聞こえますか?』

「その声は翼?」

『はい! 香里奈様の命令で美羽さんをガイドするようにと言われたので、ヘルメットのゴーグルにスマホの情報を共有させました!』

「ありがとう。それじゃ、行くわよ!」


 スクーターのバッテリーを起動させ運転する。無免許運転で捕まりそうではあるが、今は一大事だ。

 運転のアシストは翼が行い、私はただスクーターのハンドルを回しているだけだ。


「ブリュンヒルデ。奴らの位置情報は?」

『少し移動しているようだわ。この先3.7キロ先にいるわ』

「わかったわ。翼、もっとスピードを出せる?」

『お安いご用です! 馬力を4にします!』


 既定速度を超過するほどの速さで道路を駆ける。途中の曲がり角も翼の操作でなんとか曲がり切る。


『美羽さんは羨ましいです。香里奈様にあんなに信用されて』

「いきなりどうしたの?」

『人の姿では言えないのですが、美羽さんが香里奈様にすごく信頼されていてヤキモチ妬いてるのです。私ももっと香里奈様に尽くせたらと思うのです!』


 無線越しに翼のヤキモチを聞く。どうやら私が香里奈に信頼されていることにヤキモチを妬いているらしい。

 昨日の夜から翼はどこか妬いているみたいだった。再開して間もない私に、香里奈は全幅の信頼を置いていることにヤキモチしているみたいだ。


「そんなことないわ。確かにヤキモチを妬いても仕方ない。でも、翼は翼で信頼しているから、それは別に妬くことでもないわ」

『そうでしょうか?』

「えぇ、私をガイドするように言ったのって、翼を信頼しているからだと思う。なんでも私になろうとせずとも、翼は翼で香里奈に任されたことをやればいい。ただ単純な話よ」


 私の言葉に、翼は何か晴れたような気持ちになったらしい。彼女の声には迷いがない雰囲気になる。


『そうですね! 全知全能たる私がこうクヨクヨしても仕方ないです! 美羽さん、行きますよ!』

「えぇ! このまま出してちょうだい!」

『盛り上がってるところ失礼するけど、ほどほどにね』


 スクーターのスピードを上げる。そして、テロリストのものと思われるトラックを見つけ追跡する。


『美羽さん! 気をつけてください! 美羽さんに気づいて攻撃します!』


 テロリストはトラックの窓からアサルトライフルを構える。私は咄嗟にスクーターを急ブレーキで止める。

 テロリストは容赦無用にアサルトライフルを乱射する。


「これじゃ近寄れないわね」


 スクーターが止めている内にトラックはそのまま走り出す。道路を停めている訳にも行かないのでスクータを走らせる。


「気が引けるけど、やるしかないわね」

『今のあなたは丸裸も同義よ。『ライド』するしかないわね』

「そうね。翼、スクーターを壊すことになりそうだけどいい?」

『もちろんです! 存分に暴れてください!』


 翼の現地を確認し、スクーターのハンドルを握る。再びテロリストはアサルトライフルを構え乱射する。それと同時に私はスクーターから飛ぶ。


「ブリュンヒルデ。『ライド・トゥ・ブレイバー』!」


 スクータの爆風と共に、私の体は無数の数字に包まれる。包んだ光が晴れると、私はブリュンヒルデ一つになった姿、『M・ブリュンヒルデ』になる。


「なんだありゃ!?」っとテロリストは驚いているが、私は容赦なく『正宗』を振いトラックを両断する。トラックは縦に両断され、テロリスト達は怯え出す。


「随分とコケにしてくれたわね。さぁ、降伏するの?」

「こ、この!」


 テロリストはアサルトライフルを構える。しかし、私はそれを撃つ前に足で払う。そして『正宗』を突きつける。


「あなた達の目的は何?」

「お、俺たちの目的は――――」


 テロリストに尋問をする。すると、翼からの無線が入る。


『大変です! 例のロボットの乗ったトラックがこの先に移動してます!』

「ありがとう。すぐに向かうわ」


『ウィングユニット』を展開し空へと上がる。テロリスト達は呆然としてる。

 それを他所に私はロボットの乗っているトラックを追跡するのだった。

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