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サイバーブレイン〜人間とアバターが共存する世界で、アバターを持たない平凡な女子高生がAIとリンクしてブレイバーへと変身する〜  作者: nashlica
第1章 腐敗した資本主義編:前

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束の間の安息

今回はサービス回です

 訓練が終わってから私たちは香里奈の家の浴場に入る。下半身が麻痺している香里奈は、翼の介助で服を脱がされる。

 私たちも服を脱いで浴場に入る。


「いつ見ても大きいわね。さすがは瀬戸内グループだわ」

「元々は社員向けの浴場だったみたい。でも誰も使わないから香里奈が使っているらしいよ」

「そのために天然温泉をこっちまで引っ張って来たのにね。使わないと勿体無いわよ」


 私と美生は先に体を洗う。香里奈は翼に介助されながら座る。

 質のいいシャンプーで髪を洗う。長い髪だと洗うのも一苦労だ。それは私だけでなく美生も同じだ。彼女の長い黒髪は、手入れがかなり大変だと本人が言うほどだ。


「美羽の髪って綺麗だよね。無駄のない綺麗な髪っというかなんていうか」

「それは美生も同じでしょ? 結構手入れ大変じゃない?」

「大変だよ。1日でも風呂に入ってないとすぐ痛んじゃうし」


 シャワーでシャンプーを洗い落とし、髪をある程度拭いてからコンディショナーを髪に付ける。その後にボディーソープで体を洗う。

 香里奈は自分の手で全身を洗う。立てないけど体を洗うくらいは普通の人間と変わらないそうだ。


「何ジロジロ見てるのよ?」

「いや、案外体は洗えるんだなって」

「そこまで翼にやらせるつもりはないわ。歩けなくたって、動ける範囲は自分でやるし」


 香里奈は上半身を自分の手で洗う。下半身まで行くと、翼にスポンジを渡しては足を洗わせる。


「不便じゃない? 下半身が動かないのは」

「歩けないこと以外は不便に感じないわ。動かない足の代わりに車椅子があるからどうってことないわ」

「長い付き合いだと慣れるものなの?」

「そうね。記者は役員共は表向きは心配はしてくれているけど、奴らの顔を見ているとそれが見え見えよ。それを口実に社長(この座)を貰おうとしてるくらいわかるわ」


 香里奈が目を閉じながら苦悩していることを話す。その言葉には両親から受け継いだ意志を感じる。

 私も香里奈に負けないようにしないといけないらしい。幼馴染だとしても、それは讃えるべきだと思う。

 体についた泡をシャワーで落とす。体の泡を落とし切ると浴槽に入る。天然温泉の効力が疲弊した体に染み渡る。


「はぁ〜。良い湯だわ」

「もう。おじさんみたいに言って」

「それにしても広い浴槽ね。銭湯みたいだわ」


 体を伸ばしながら風呂に浸かる。丸く纏めた髪に気をつけながら湯船に浸かる。


「香里奈様? お加減いかがですか?」

「良い風呂だわ。ちょうどいい温度に温泉のいい効力ね」

「香里奈はいつも入っているの?」

「いえ、私はいつもフロアの小さな湯船に入ってるわ。ここを使う時はみんながいる時くらいね」

「まぁこの広さなら1人で入るのは気が引けるわね。私でもそうするわ」


 硫黄の匂いが鼻に伝わるがそれほど悪くはない。ゆっくりと入るには格別な温度だ。

 しばらく入るとそろそろ湯船から上がる。バスタオルで濡れた体を拭く。バスタオルと体に巻くと濡れた髪をドライヤーで乾かす。

 美生は体にボディクリームを塗る。美生はそれを翼に渡すと、香里奈に塗る。

 風呂上がりの下処理を終えると、食事を始める。今日は彩葉が宿泊研修なので家に誰もいないので、そのまま香里奈の家に泊まる。


「今日は帰らないの?」

「彩葉が宿泊研修でいないのよ。今日は泊まるわ」

「私も悠がいないから泊まるよ。せっかく3人でいるのに失礼だよ」


 私たちは食卓で夕飯を待つ。しばらくすると、翼と他のメイドの人達が集まり食事を用意する。


「さすが大企業ね」


 私は呆れながら並べられた食事を眺める。香里奈は疑問に感じるように首を傾げる。


「どうかしたの?」

「いや、こんなに高い料理が並べられると言葉が出ないわ」

「そうだね。普段のご飯よりもすごいよ」


 香里奈は箸を持つと食事を始める。どうやら私たちに会うように和食にしたようだ。

 私と美生は用意された食事を食べる。いつも食べる料理よりも美味しく感じた。


「ふぅ〜。良い食事だったわ。お茶も美味しいし悪いことなしね」

「でも、いつも香里奈はこれを食べてるんだよね?」


 美生は香里奈に疑問を話す。香里奈は緑茶を啜りながらそれを否定する。


「いつもはフロアで翼と食べてるわ。今日は2人が泊まるから用意させただけ。明日の朝はフロアで用意するわ」

「なるほど。ねぇ、明日は私が作っても良い? 朝食くらいは用意させてよ」

「美羽の料理も楽しみね。なら、食材を用意させましょう」


 香里奈はメイドに指示をすると、メイドはその場から去る。

 しばらくしてフロアに戻ると私と美生の寝所か用意されていた。どうやらこの寝室で3人で寝るらしい。ベッドに座ってみるととても寝やすい寝具だった。



「すごいわね。いつもの寝るベッドよりも寝やすいわ」

「さすが大企業。こんなもの簡単に用意できるとは」


 私と美生はベッドで横になると天井を見上げる。横を見ると香里奈はすでに寝ていた。


「疲れているみたいね」

「同い歳なのに大人でも大変な仕事をしてるんだもん。それは疲れるよ」


 美生は布団を香里奈にかける。訓練で疲れた体を風呂や食事で癒したら私も睡魔が出てきた。

 美生はもう寝ているみたいだ。彼女も同じく疲れているのだろう。私も瞼を閉ざし、そのまま眠るのだった。

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