表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/75

小学生時代の秘密の宝物の残骸

慶ちゃんが宝物探しに行こうというのだ!それはいったい!

とにかくだ、とにかく、明日一日頑張れば休みになる。

休みになってぐっすり寝たら、この妄想どもは消えるにちがいない。

今日はゆっくり寝よう。

そう思って俺は寝た。朝の5時。

「いかれた顔してババンバーン!バンバンバババババババババーン!」

ふとんの上から誰かゲシゲシたたく。

起きてみると慶ちゃんだった。

周囲を見回す。

まだうすぐらい。忍ちゃんは薄目をあけてこっちを見ている。

剣ちゃんはまだ寝ている。

「勇者よ!」

慶ちゃんが変なこと言い出した。

「宝物をさがしにいくよ!」

「頭おかしいんか」

俺は即答した。

すると、忍ちゃんがゆっくりと口を開く。

「別に頭おかしいとか言ってもいいけど、この子たち馬鹿だから

あなたの波動にする反応するのよ、つまり、この子たちが頭オカシイ

発言するってことはあんたが頭オカシイのよ!」

びしっと忍ちゃんは俺に指をさしどや顔をした。

いかん、完全に俺いっちゃってるかもしれない。

こんなの現実じゃない。幻にちがいない。

「なあ、お前、まぼろしだろ!」

俺は目の前の慶ちゃんにとうかける。

慶ちゃんはニンマリ笑う。

「うんにゃ」

慶ちゃんはくびを横のふる。

絶望する俺。

「にゃうん?」

くびをかしげる慶ちゃん、ちょっとわかわいいじゃねえか。

俺はロリコンじゃねえけどな!

「じゃあ、宝物をさがしにいこう」

「だから何いってんだ、このクソ寒いのに」

「だって、今から探しにいかないと、会社にまにあわないよ」

「だから探しにいかなきゃ会社に間に合うよ」

「……忍ちゃん、何か方法ない?」

「そうね、こいつの会社のメインサーバーいウイルスぶち込んで、

顧客情報ネットにばら撒いたら今日一日こいつの仕事ないわね」

「できる?」

「ほほほ、私を誰だとおもっているの?英知の精霊をなめんじゃないわ」

「おいやめろ!」

オレは忍ちゃんを制止した。こいつらは精神エネルギーだからものは

うごかせない。唯一、動かす方法があるとすれば俺に憑依すること。

俺に憑依して、俺のアカウント使って、俺の会社のサーバーに進入したら

俺が逮捕されて会社がクビになるじゃねーか!ふざけんなよ、この野郎!

慶ちゃんが俺の顔を覗き込む。

「トリック オア トリート!」

「と……トリートのほうで」俺はふるえ声で言った。

朝の5時から宝探しなんてたまったもんじゃねえぞ。

俺は慶ちゃんに手を引かれ、背中に寝た剣ちゃんをおんぶして歩いた。

後ろから忍ちゃんがついてくる。

近所の神社のある小山の近くにくる。山の麓に湧き水があって、亀の石像が

口から水をだしている。その階段をのぼって少しわき道にそれる。

「ここだよ!」慶ちゃんが指をさした。

「はあ?」

「ここを掘るんだよ!」

「あーはいはい」

俺はいやいやその場所を掘った。すると、さび付いたお菓子の鉄の箱がでてきた。

なんだこりゃ。

その中にはドロドロに溶けた漫画雑誌らしきものがつまっていた。

なんかイヤな予感がした。

ああ、なんかそんな事があった。小学校の頃俺は親から漫画を買って

もらえなかった。この公園のゴミ箱に捨ててあった、少年ソンダーを

学校の研修でプラネタリュームを見に行くとき、草むらに隠れて

友達と見た。プラネタリュームを見ずに、必死になって草むらで見た。

あとで、先生に見つかって二人ともなぐられた。漫画はその時、

草むらに隠して、あとで絶対友達と見ようなと約束したんだ。

でも、友達は殴られてびびってしまって、もう、その漫画は見に行かないと

言った。俺は一人でもその漫画を裏切らないといって、お菓子のカンカンを

もって山に行って、好きな頁だけ切り取って、ビニール袋に入れて、

カンカンに入れて、土に埋めたんだ。

ああ、思い出した。

なんかとても悲しいような切ないような気持になった。

手の中にあるのは、水が浸入してドロドロに溶けた腐った土の塊、

そして錆びてボロボロになった鉄の箱。それだけだった。それだけなのに

頭の中に昔のことが走馬灯のようによみがえっていた。

「あー……」

決して楽しい思い出があわけじゃない。幼稚園受験して必死に入った

小学校。でも毎日が勉強だけだった。

毎日学校が終ったら塾に行って、日曜日の特別研修して。

頭が狂いそういなって、それで、ノイローゼにならないために、

ずっと頭の中で空想してた。そのため、中学校受験では関西屈指の

名門中学校、難田中学には入学できず、親を悲しませた。

そして、地元の工房大学付属中学に入学したのだ。そこで俺は

切れてしまい、成績がズルズル落ちて、ついに最下位になってしまった。

ああ、小学生の頃、オレのため、俺の将来のためといい聞かされて

死に物狂いになって勉強した。そして、社会人になったとたん、

オレは、崩れてしまってアニメとゲームと漫画に逃避する、

底辺のアホに転落してしまった。でも、今が一番幸せかもしれない。

あの頃、思いっきり遊んで、ぐーたら生活していても、

今の結果とかわらないんだったら、俺はあの頃にもどって

他の普通の小学校に行ってた連中みたいに思いっきりあそびたい。

でも、もう、時計の針は逆にはもどらないのだ。

「たからもの!たからもの!」

大声で歌いながら慶ちゃんは踊り、俺の周りをぐるぐるまわった。

俺の背中で寝ていた剣ちゃんが目をさまる。

「あう!慶ちゃんが面白そうなことしてる!ボクも踊る!」

剣ちゃんは背中から飛び降りて、楽しそうに慶ちゃんと一緒になって踊った。

「ふう、ほんと、馬鹿ばっかね、あんたもおどりなさいよ」

忍ちゃんは俺にむかっていった。

「いや、けっこうです」

俺はきっぱりことわった。

なんか、キャラが勝手にうごいて、勝手にお話ができてしもうた。

慶ちゃんたちは勝手にうごいてくれるから楽じゃのお。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ