スーパーに行こう!妙に痛いところを突いてくる忍ちゃん
お弁当を買いに深夜スーパーに行ったよ!
とりあえず、メシを食いにいこう。
しかし、外食だとこいつらが暴れて店とトラブルになるとやばい。
深夜スーパーに弁当を買いにいくことにした。
店に入ると、玄関で慶ちゃんが反応した。
「うお!何!あれなに!」
慶ちゃんが指差す方向を見ると、それは店に備え付けてある消毒液だった。
インフルエンザなどが流行ったときは店によく設置してあるものだ。
慶ちゃんはそこに寄っていく。
「ぷしゅー!」大きな声を上げながらポンプを押す。
「きゃっきゃ!」
喜ぶ。
「ぷしゅー!」
「おい、いい加減にしろよ」
俺はあわてて慶ちゃんをポンプから離す。
はっと気づくと、店員さんが俺のほうを目を細め、若干眉間にシワをよせて
みている。
ハッと気づく、この精霊は俺にしか見えていない。しかし、実際に
消毒ポンプは押されている。
結論。
俺がこいつに憑依されて、「ぷしゅー!」と言いながら何どもポンプを
押している!!!
むっちゃ恥ずかしい!
何やってんだ俺、30才にもなって、世間様に顔向けができねえじゃねえか!
俺は顔を真っ赤にしながら足早にそこを立ち去る。
これはヤバイ、こいつら精霊体なので、自分が何か物理的に動かしたい時は
俺の体を利用しやがる。ヤバイ、これはヤバイ。
俺がスーパーのカートを持ってきて、その上に買い物カゴを乗せると
その上に3人の精霊が乗ってくる。
「ちょっとストップ!」忍ちゃんが俺の前に手のひらをさしだした。
さっき、私たちの事を3人って思ったでしょ。
「あ、はい」やばい思考を読まれている。
「私たちは人じゃないのよ、これからは三柱とよびなさい。分かったかしら」
「あ、わかりました」
何敬語つかってんだよ俺。
カートに乗り込むと、慶ちゃんは早速電車ごっこをはじめる。
「ぷっぷー!」
剣ちゃんは自分の腰についた剣を引き抜いて振り回し、
「けん!けん!けーん!」と叫んでいる。
忍ちゃんはただむすっとして座っている。
いずれも身長50センチくらいの大きさだ。買い物籠の中に三柱入ると
けっこう邪魔だ。
さっきから慶ちゃんと剣ちゃんが暴れているのに、忍ちゃんはむすっとして
微動だにしない。
「なに?私が動かないのがそんなに不思議?」
やばい、また思考を読まれた。
「霊というものは動かないのが当たり前なの。こいつらが暴れているのは
こいつらが馬鹿で例外だからよ」
「でも、よく霊の祟りとか言うじゃないですか」
「あんなの霊能者の嘘よ、霊能者で霊が見えてる奴なんていないわ」
「断言しちゃっていいんですか?」
「不成仏霊と話してまともに生活できるわけないじゃない。ボロボロになるわよ。話しでいいのは私たち浄霊だけよ。浄霊と話しができるのは、神社の
地主と神主だけよ。それ以外の霊能者は全員偽者!金をとるために
一般人を騙してる詐欺師なのよ、それを肝に銘じなさい!」
「あ、はい」
俺あ生返事をした。腑に落ちなかった。俺は神社なんて家に建てたこともない。
こいつの言っていることはつじつまがあってないように思った。
それでも、変に怒らせて、またトラブルを起こされてもこまるしな。
目の前に半額シールが張られたお弁当があった。俺はそれに手を伸ばす。
「あ」
すばやくおばさんが横からそれをかっさらった。
「きー!何してるのよ、わたしの半額弁当を!」
忍ちゃんが激怒して叫ぶ、えらく俗っぽい精霊だなあ。
「え、半額商品とか好きなの?」
「当たり前じゃない。貴方が半額が大好きだからね。私たち精霊は
精神エネルギーなの。あなたが半額商品をゲットして、お徳感で
ワクワクしたら、そのワクワク感が私たちのエネルギーになるわけ。
だから、もっとワクワクしなさい」
「それだったら、色っぽいお姉さんで出てきてくれたほうが、俺、
わくわくするんだけど」
「はあ?精霊は相手のキャパシティーによって具現化するのよ、
私たちだって、相手によっては羽の生えた大天使にみえたり、
大菩薩に見えたりするのよ。あなたの頭の中にそんな色っぽいお姉さんと
いい関係になった体験があって?」
「ううううう……」
オレはその場に崩れ落ちた。
「こら、落ち込むんじゃないわよ、もっとぴょんぴょんしなさい!」
忍ちゃんが俺の頭をぺしぺし叩いた。
なんかこう、これも悪くない感じがする。
忍ちゃんが霊の仕組みについて話したよ。
霊って、普通、基本的にぼーっと何もしないでその場にいるだけで、
それ以外の霊は毎日、自分が執着してることを繰り返してるんだそうだよ!
だから、合戦して殺された霊は毎日合戦してるだけ。そこに住んでる住民の
ことなんて無視!だから普通は祟りとかしないんだって!
霊能者が霊の祟りとか言ってることは全部嘘だから金はらっても、
無意味なんだってさ!




