精霊ちゃん現る!
昔、忍者ブログに掲載していたブログ小説の改変です。
昔、ブログの読者だった方がまた書いてほしいと要望して
こられたので、せっかくなので小説家になろうで掲載することにしました。
小説家になりたかった。
親に言われるままに小学校受験をして某大学の付属小学校に入った。
小学生時代、友達が漫画やアニメで盛り上がるのを横目に、俺は必死に勉強した。
そして一応エリートといわれる中学校に入った。しかし、小学生の時はまだクラスで成績上位だった俺が
その学校では最下位だった。最下位!この俺が!クラスでも一、二を争う成績だった俺が!
俺の心は腐れ果てた。勉強もやる気がなくなって、ふてくされた。
いつも、心は上の空だった。
高等学校。オレは普通の学校に行った。すると、そこではまた成績上位になった。
特待生の奨学金も貰った。俺はまだいけるかもしれないと思って、友達が遊ぶのを横目に必死に
勉強した。でも、もう遅かった。中学校時代に遊んでいたのが響いた。
高校ではトップクラスの成績だったが、受験が近づくにつれ、俺の学内での成績は落ちていった。
友達が受験に向けて本気になりはじめたからだ。俺の成績はクラスで10位くらいまで落ちた。
屈辱的だった。それでも、なんとか中堅クラスの大学に入れた。
本当は文学が好きだったが、理科系のほうが就職に有利だからと言われて自分が一番苦手だった
理科大学に入った。
大学時代は辛かった。
成長しようと思って、無理矢理スキー部に入ったが、大学際で少林寺拳法部の先輩に
カラシの入った日本酒を一気飲みさせられて、「ありがとうございました!」といわされた。
不条理だと思った。あとで、便所に行ってゲーゲー吐いた。
その後、アメリカの州立大学に留学したが、そこで他の人は日本人でかたまっていたが、
オレはかまわずアメリカ人と話しをした。他の人はちゃんと英語を話そうとしたが、俺は文法無茶苦茶の
ままでかまわず、アメリカ人を馬鹿話して仲良くなった。けっこう白人の友達が大勢できた。
何度か先輩から、「日本の恥さらしになるから、無茶苦茶な英語でアメリカ人と話しをすそしるな、
今友達付き合いしている人たちと縁を切れ」といわれた。「そんなの個人の自由でしょう。ここは
自由の国です」と言ったら、ある日、ホテルの部屋に呼び出され、集団リンチを受けて何ども
頭を蹴られ、土下座させられた。それで俺は完全に心が切れた。
部屋に引篭もって誰とも会わなくなった。
みんな、俺の事をヒキコモリだといって後ろ指をさして笑った。
何もかも人から命令される人生だった。
社会人になっても、とにかく先輩から説教されて、「お前はだめだ」「お前は馬鹿だ」
「お前には何をする能力も無い」といわれ、ただ、ペコペコと頭をさげ、事務処理をこなし、
お茶をだし、飲み会に呼ばれて、とりかこまれて、説教をされる。
そんな毎日。でも、説教をされることは幸せだと思っていた。なぜなら説教を拒絶した奴は
みんなから無視され、仲間はずれにされ、そのうちうつ病になって会社をやめていくから。
会社で生きていくためには、仕事以上に人間関係が大切だ。
ただ、心を殺して、どんな不条理に思ったことにも服従して、頭をさげて生きていく。
ただ、毎日の作業をこなしていく。同じ事の繰り返し。心の底でそれが正常と思えない俺は
とにかく心をとざして生活してきた。誰とも交流せずに、家に帰ったらゲームをやったり
アニメを見たり、それだけを繰り返してきた。
子供の頃は全面的に禁止されていたアニメと漫画。大人になって一人暮らしするようになると、
狂ったようにアニメを見て、ゲームをして、漫画を見た。
楽しかった。今までの人生で経験したことのない楽しさだった。会社のうさを全部忘れさせてくれた。
俺は誰にも心を開かずに、アニメとゲームと漫画だけに浸りきって20代を無駄に浪費してしまった。
そして、30才の誕生日、誰も祝ってくれるわけでもなく、俺の誕生日を知っている人さえ
職場にはいない。
当然、彼女なんているわけもないし、給料が安いから結婚しても女房や子供をやしなっていけない。
誕生日がすぎても、また明日から毎日つまらない日常が始まるんだろうなと思いながら家に帰った。
だれもいない廊下。鍵を開ける音が冷たく響く。
ドアを開いても静まり返っている。真っ暗な部屋。
電気をつける。
「お誕生日おめでとー!」
頭に二つシニオンをつけた中華風のオレンジ色の服を着た小さな女の子がピョンピョン跳ねながら目の前に飛び出してきた。後ろから「お誕生日おめでとー!」と声がしたので振り返ると金色の鎧を着た小さな
女の子が出てきた。「お誕生日おめでとうね、はい、よかったわね、はいはい」
物陰から水色の天女みたいな着物を着た女の子が出てきた。
なんだこれ。
俺は唖然とした。。どっきりカメラか?
いや、俺みたいな普通の市民にドッキリしても意味ないだろ。
どうも見ると、人間の子供より体がずんぐりむっくりしている。
俺は恐怖を感じた。
「な、なんだお前ら!何でこんなところにいるんだ!」
「え?だってお誕生日やし」
オレンジの子がきょとんとしている。
「お誕生日なら何でお前らがここにいるんだよ」
「馬鹿ね、前からいるわよ、あなたが見えてなかっただけでね」
水色の子が眉に深いシワをよせながら不機嫌そうにつぶやく。
「じゃ、じゃあ、何で急に見えるようになったんだよ!」
「え、だって人間が30才になっても童貞だと精霊が見えるようになるって知ってるでしょ?
前にネットでその記事見てたじゃん」
金色の子が言った。
「やってもーたー!」
俺はその場に崩れ落ちた。
「これからよろぴくー!慶たんのお名前は慶たんだお」
オレンジの子が言った。
「私は忍ちゃんよ」
水色の子が言った
「ボクは剣ちゃんだよ!」
金色の鎧の子が言った。
こうして、俺と不思議な精霊たちの生活が始まったのだ。
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不定期にのんびり掲載していきます。
基本、ほのぼので気楽に読み飛ばせるものをめざしていきます。




