大当たり!
今日は恵比寿祭りの最終日だよ!
今日は久しぶりに早く仕事が終って実家に行った。実家でメシを食えば食費がたすかるからだ。両親もよろこんでくれる。ところが、今日はかーちゃんがカルチャーセンターに行っていていない。
「夜店で買い食いでもしよう」
父親が言った。俺はけっこう父親と仲がいい。
それに今日は恵比寿祭りの最終日だ。氏神様の恵比寿神社に行くことにした。
「ふふふっ、じつは福引券をもっておるのじゃ」父が言った。
この日のために、近所の商店街で買い物していっぱい溜め込んだらしい。
といっても、普通に安売りスーパーで買い物したほうが安いんだけど。
父親はいつもせっせと近所のお店で買い物をしてこの日のために福引券を溜め込む。
まあ、本人がそれで納得しているならそれでいいけど。
俺の近所は若者が都会に出てゆき老人ばっかりだ。お店も、ミカンとイチゴと
洗剤しか売ってないとか壮絶な店がある。
それでも、老人は高くて品揃えがわるいその店にいく。ほかの店にいったことがないから。習慣とは恐ろしいものだ。店のほうも、年金暮らしで、店も持ち家なので収益があがらなくてもつぶれない。すごい構造だ。
それで、神社に行った。くじ引きをまわした。はずればっかり。センベイを5枚もらった。
父親の番、突如として、慶ちゃんがおどりだした。
「ちゃったらちゃった、らったちゃちゃった、らっちゃらたったっらったちゃらった!マンボ!」
なんかマラカスをシャカシャカやりながら踊っている。
「けんけーん!」
剣ちゃんも剣をふりまわしている。こんな時は忍ちゃんにしずめてもらわないと。
「はらえたまえ、きよめたまえ~」
あー!忍ちゃんまで歌っている!
と、ガラガラから赤い玉が出た。
「おおあたりー!」
係りの人が鐘をカランカランと鳴らした。
なんと50円玉のつかみ取り。すげえ!
「やったー!」
「ぴゃー!」
「私のおかげね」
精霊たちもまんざらでもない表情だった。
1800円くらい父は掴み取った。
掴んだお金で近所の古いお店に行って、唯一置いているミカンを一袋かった。
ミカンは500円でけっこういっぱい入っていた。
精霊たちは勝手にそれの数をかぞれて自分たちのものだと宣言して
山分けしていた。みんな幸せな一日だった。
帰りにミカンを買ったよ。




