みんな幸せ
父親とスーパーに行ったよ
少し体調がよくなったので、父親と晩飯を食いに行く。
まだミゾオチの辺りが痛いけど、父親は俺と買い物に行くのが唯一の
楽しみになっている。俺が体調が悪かったり仕事がいそがしかったりして
断ると、素直に断念するが、そのあと、寝込んでしまう。
年寄りは無理をすると神経にくるらしい。
結局、俺が無理して時間を作って父親の相手をすることになる。
母親は友達が多くて勝手に遊んでいるので助かる。男は、仕事を定年退職すると
急にやることがなくなって、老け込むらしい。
そんな事で父親が早死にするくらいなら、俺の自由時間を削って
父親の楽しみを増やしてあげたい。
俺はミゾオチの辺りの痛みを隠しながら笑顔でスーパーに買い物にいった。
「だいじょうぶー」「無理はだめだよー」慶ちゃんたちも心配顔でついてきた。
そのあと、食事をして、喫茶店に行った。コーヒーを飲むのは辛いので、
ミルクティーにした。父親が色々と昔話をする。毎回、同じ事をくるかえす。
俺はそれを笑顔で聞く。内容は同じでいいのだ。そうやって父親は俺と
コミュニケーションがとりたいんだ。そうやって親が俺をたよってくれることが
うれしい。
けっこう体がきつかったが我慢して話しを聞いて、家に帰った。
「いいこ!いいこ!よくがんばったね!」
そう言って慶ちゃんが背中をさすってくれた。
「あんた馬鹿ね、そんな事してるからいつまでたっても病気がなおんないのよ!自分の命と親孝行とどっちが大事なのよ!」
「親孝行かな」
「馬鹿!」
忍ちゃんが激怒して涙を流した。
「ごめん、ごめん」
俺は思わず、忍ちゃんを抱っこした。
「むきょー!慶タンも抱っこ!」「剣ちゃんもだっこ!」
慶ちゃんと剣ちゃんが嫉妬してぴょんぴょん跳ねる。
ああ、この子たちが嫉妬してるってことは俺の体も大丈夫だ。
俺は慶ちゃんと剣ちゃんをかわりばんこに抱っこしてあげた。
三柱ともだっこしてもらって、とてもまんぞくそうだった。
その満足な笑顔が見られて、俺も幸せだった。
みんな幸せになれてよかった




