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〇〇日後に番になる泉先生(α)と神楽くん(Ω)  作者: 最上ふう。


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2/20

あと324日/国語研究室で

完結しているので、最後まで本日全話更新致します。

「泉先生ー。なんでここ間違ったのか教えて。……あれ、国研にいるの先生だけ?」


 ガラガラ、と引き扉を開けると、室内は閑散としていた。


「ん? ああ、そうみたいだな」


 泉は指摘されてはじめて気づいた様子。

 二人きりの空間に、神楽の肩に力が入った。


「どの問題?」


 対して、泉は平素通りに見える。

 神楽が問題用紙を見せて「ここ」と指し示すと、プリントを覗き込んだ泉と距離が縮まった。

 ベルガモットのような爽やかな香りが鼻腔を擽る。


「あー。気持ちを答えなさい系のやつな。神楽、お前、人の気持ちを想像するの苦手そうだもんな」

「うるせーよ」


 いつも通り軽口を叩いたかと思えば、もう真面目な顔で解説を始める。


「『傍線部分の佳代の気持ちとして適切なものはどれか。』この傍線部分は『知らせを聞いた佳代は沈黙した。』っていう文だろ。こういうのはまず、絶対に違うのを外せ。例えばこれなら、選択肢①の『佳代は怒っていたから。』だな」

「俺、それだと思ったんだけど」

「小学校から学び直せ」

「落としすぎだろ」

「死んだと思ってた恋人の生存を知ったのに、なんで怒んだよ」

「予想外すぎて?」

「予想外だと怒るのか」


 傍らに立つ神楽を、泉がふと見上げた。

 不意に視線が合って、心臓が跳ねる。


 泉は、真摯な瞳で告げる。


「神楽。──好きだ」

「なっ……」


 真っ赤になって言葉が出ない神楽に。


「──ほら、『沈黙した』。今の神楽の気持ちはどれだ?」


 泉のしたり顔。


「……っざけんな! 死ねよボケカス!」

「はっ、すげぇ罵詈雑言」


 持っていたプリントで泉に殴り掛かるが、もちろん風を受けてペラペラするだけで、何もならない。

 泉は笑いながらプリントを払いのけて。


「そうかそうか、お前は怒んのか」

「知るか!」


(俺のドキドキを返せ!)




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