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悪魔の島 ―選ばれし20人、生存率0%  作者: 虫松
直人・慎吾編

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第2話 直人・慎吾編、塔の呼び声

悪魔の島の森を抜けた先

視界が、開ける。


木々の隙間から見えたそれは、

明らかに“自然のものではなかった”。


遠く。

空を突き刺すように――


塔


黒く、細く、歪んだ形。


まるで大地から“生えている”かのように、

不気味にそびえ立っている。


挿絵(By みてみん)


風が止む。


その瞬間だけ、音が消える。


彩花が目を細める。


「……人工物?」


慎吾

「分からない……でも自然じゃない」


直人は短く言う。


「目的地だな」


迷いはない。


だが――


美和だけが、違うものを見ていた。


「……あそこ」


小さな声。


だが、確信がある。


三人が振り向く。


美和は塔を見つめたまま、言う。


「……呼んでる」


沈黙。


彩花が即座に否定する。


「根拠は?」


美和は首を振る。


「分からない……でも」


胸に手を当てる。


「ずっと前から……感じてた」


慎吾が静かに聞く。


「……何を?」


美和

「この島の“中心”」


風が吹く。


草が揺れる。


だが塔は動かない。


ただ、そこにある。


直人が歩き出す。


「行くぞ」


即断。


美和の言葉を信じたわけではない。


だが。


他に選択肢がない。


慎吾が後に続く。


「……あそこに何かあるのは確かだ」


彩花は最後まで立ち止まる。


塔を見る。


その構造。


高さ。


周囲の違和感。


「……ありえない」


小さく呟く。


だが。


走って追いつく。


「待ってよ」


歩きながら、美和が言う。


「……きっと」


三人が聞く。


「この島の秘密がある」


沈黙。


その言葉は。

希望か。


それとも終わりの合図か。


直人が答える。


「なら、暴く」


「全部だ」


その目は、冷たい。


だが

どこかで焦っている。


慎吾は塔を見上げる。


(あそこに……答えがあるのか)


(それとも――)


思考を止める。


今は進むしかない。


彩花が呟く。


「……仮に“中心”だとして」


「何があるの?」


美和は、少しだけ笑う。


「分からない」


「でも……」


一瞬、表情が変わる。


「行かなきゃいけない」


風が強くなる。


塔の方向からまるで呼び込むように。


学生の四人は進む。

誰も振り返らない。

もう後ろには何もないから。

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