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悪魔の島 ―選ばれし20人、生存率0%  作者: 虫松
レッベカ・レイチェル編

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第6話 レベッカ・レイチェル編、正しい結末

真夜中。

月だけが、世界を照らしている。


平原には木もない

隠れる場所もない。


ただ広がるサバンナのような平原。


風が、草を揺らす。


その中を。


走る。


「走って!!」


レイチェルが叫ぶ。


レベッカの手を引いて。


息が荒い。


肺が焼ける。


それでも走る。


後ろ。


ズン……

ズン……


地面が、揺れる。


音ではない。


“圧”が追ってくる。


レベッカが振り向く。


月明かりの中。


それは見える。


黒い塊。


いや――


走っている。


「……速い……」


その声は、理解だった。


ドォン!!!


地面が爆ぜる。


魔カバが、加速する。


時速40キロ。100m9秒台

人間の全力を、完全に上回る速度。


レイチェルが歯を食いしばる。


「ありえない……この体重で……!」


だが。

理解する。

してしまう。


「筋肉密度が……違う……!」


ズンッ!!


距離が一気に詰まる。


「来る!!」


レイチェルが叫ぶ。


ドォン!!!


衝突。


レベッカの体が宙に浮く。


軽い。


あまりにも軽い。

3トンの塊にとって。


人間は、紙だ。


回転。

空。

月。


地面への衝突。


ゴンッ!!


叩きつけられる。


骨が鳴る。


息が抜ける。


「……っ……」


動けない。


レイチェルが叫ぶ。


「姉さん!!」


戻ろうとする。


だが。


ズンッ!!


もう一体。


横から。


「――っ!!」


視界が黒で埋まる。


ドォン!!!


レイチェルの体が弾かれる。


ダンプカーの衝突。


そのまま、地面を滑る。


草が裂ける。


土が飛ぶ。


止まる。


動かない。


静寂。


一瞬だけ。


レベッカが這う。


腕だけで。


「……レイチェル……」


血が流れる。


視界が揺れる。


ズン……


影が覆う。


顔を上げる。


そこにあるのは。


巨大な開いた口。


ギ……ギギ……


異常なほどに。


レベッカは、笑う。


涙と血の中で。


「……興味深いわね……」


ズンッ!!


視界が消える。


レイチェル。


まだ、意識がある。


わずかに。

月が見える。

綺麗だ。


ズン……


近づく。


理解する。


最後に。


「……データは……完璧だった……」


ドォン!!!


衝突。


すべてが終わる。


静寂。




この島は

「間違い」を殺す場所ではない。

「正しさ」を殺す場所だ。


彼女たちは間違っていなかった。

・地形を見た

・痕跡を読んだ

・安全圏を作った

・火を起こした

・分析し、理解した


すべて“正しい”。


だが

足りなかったのは


「スケールの理解」


この島では。

・捕食者は“想定より速い”

・質量は“想定より重い”

・縄張りは“想定より広い”


そして何より“遭遇=死”


判断する時間はない。

逃げる時間もない。

理解した瞬間には、もう遅い。


自然は悪ではない。

怒ってもいない。


ただ、そこにあるだけだ。


だが、人間にとってそれはあまりにも残酷だった。


残ったのは。

踏み荒らされた地面と、

消えた命の痕跡すらない“無”だけ。


この悪魔の島では生き残る理由はない。

ただ、死ぬ理由だけが、無数に存在する。



■レベッカ・スミス

死亡:魔カバの突進による全身強打・致命傷


■レイチェル・スミス

死亡:突進衝突および地面への叩きつけ回避行動中に側面から接触、

意識喪失後に死亡


■ソフィア・モレノ

死亡:初撃による吹き飛ばし・内臓損傷、初の衝撃で戦闘不能、そのまま捕食対象に


■エヴァ・シュミット

死亡:踏み込み衝突・圧壊、退避判断後に追いつかれ、接触時点で即死


生存者:0名

レベッカ・レイチェル組 全滅死亡



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