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悪魔の島 ―選ばれし20人、生存率0%  作者: 虫松
レッベカ・レイチェル編

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19/29

第1話 レベッカ・レイチェル編、観測者たち

※彼らは英語で会話している(日本語表記)


森を抜けた瞬間、一気に視界が、開けた。


広がるのは平原。


まるでサバンナのように、どこまでも続く草原。


背の低い草が風に揺れ、視界を遮るものは、ほとんどない。


レベッカが立ち止まる。


目を細める。


「……いいわね」


レイチェルも周囲を見渡す。


地形。

風向き。

草の倒れ方。


すべてを“情報”として捉える。


「視界は良好」


「遮蔽物なし」


「接近は事前に把握できる」


ソフィアが小さく息を吐く。


「……少なくとも、森よりは安全ね」


エヴァが即答する。


「合理的」


「奇襲リスクが低い」


レベッカが歩き出す。


ゆっくりと。


「ここなら敵が来ても逃げられるわ」


4人は並ぶ。


一定の距離を保ちながら。


誰も無駄に喋らない。


足音だけが、草を踏む音として響く。

レベッカがしゃがみ込む。


地面に触れる。

土を指で崩す。

匂いを嗅ぐ。


「……乾いている」


「水は近くにあるはずよ」


レイチェルが頷く。


「植物の分布が偏ってる」


「地下水脈がある」


エヴァが言う。


「なら直線的に進む」


「無駄な迂回はしない」


ソフィアが周囲を見る。


少しだけ、不安げに。


「……でも、静かすぎない?」


沈黙。


レベッカが微笑む。


「いいことよ」


「捕食者がいない証拠」


レイチェルも淡々と続ける。


「少なくとも、この時間帯はね」


“時間帯”その言葉が、わずかに空気を重くする。


だが

誰も止まらない。

彼女たちは進む。


水を求めて。

風が吹く。

草が揺れる。


遠く。

ほんのわずかに。

草の流れが、逆らった。


誰も気づかない。

レベッカが呟く。


「興味深い……この島は進化が歪んでいる」


レイチェルが応える。


「データを取る」


「仮説を立てる」


「それだけよ」


4人は歩く。


迷いなく。


恐れもなく。


この時、彼女たちはまだ信じていた。

知性こそが最強であると。


だが。

その足元。

見えない場所で

草は、すでに“悪魔の道”を作っていた。


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