五話、新たな魔怪人
〔エクシーズ本部〕
終業時間になるとシーナは足早に帰って行く。
アスナはその背中を胸に手を当てて見つめていた。
「お母さん、シーナお姉ちゃん…やっぱり…」
アスナはシーナの様子を見て感じていたものが確信に変わりつつある。
「ホワイトクイーンとして感じているのよね?分かったわ、シーナを追いましょう」
「うん」
追うと聞くとフィオ達も行こうとするがアリシアが手で制する。
「こう言う時は少人数で行くべきよ、だからあなた達はここで待っていなさい」
「了解…」
皆仲間が心配だから一緒に行きたがる。
しかし尾行をするならアスナがホワイトクイーンとして確信しようとしているものを見るためには最低人数で行くべきなのだ。
「それじゃ行って来るわ」
「みんな、待っててね」
アスナは皆に向けて柔らかく微笑んでから母と共に転移して行った。
〔アンシャの街〕
今日アイギスに指定されたのはアンシャの街。
シーナは足早にアイギスとの待ち合わせ場所に行く。
「うふふ、こんばんは、シーナ」
アイギスはシーナを見て魅惑的に微笑むと腕を開き目を瞑る。
シーナはそれを見て少女を抱きしめると唇を重ねた。
「はぁん…あはっ、さぁ今日も狩りをしよう?」
「ええ、アイギス…」
シーナはアイギスと手を繋ぐと歩き始めた。
「お母さん、やっぱり…それにシーナお姉ちゃんが持ってるのは魔堕石だよ」
アスナは石があると感知出来るそのためシーナが魔堕石を持っているのを感知したのだ。
「次はシーナが狙いか…追うわよ」
前のアスナの時の事を思い出しアリシアはやらせるものかと思い二人を追い始めた。
犯罪組織のアジトに入ったシーナはいつも通り楽しんで殺しを行う。
「あはっ…たまんなぁい…」
頬を赤く染めながらシーナは魔堕先によって膨れ上がった力を使う事に酔い痴れる。
「シーナ〜こっちにデザートがいるよ〜」
「へぇ?」
アイギスの声を聞きシーナは歩いて行く。
そこには捕らえられた一般人達がいた。
彼等を殺せばシーナの心は完全に堕ちるアイギスはそう確信してニヤリと笑う。
「あはっ…楽しませてね?」
シーナは邪悪に笑うとトリガーを弾こうとしたが背後で気配がしたため振り返る。
「シーナお姉ちゃん!ダメだよ!」
アスナがアリシアと共に現れていたのである。
「アスナ…隊長…」
シーナは二人が来たのを見て目を見開く。
「ふふっ」
アイギスはそれを見て丁度良いと笑う。
「それ魔堕石だよね?渡して、壊すから!」
アスナはシーナに魔堕石を渡すように言うがシーナはアスナに銃を向けた。
「ダメよアスナ、これは私に力をくれるの!だから壊させたりなんてしない!」
「あなたは強くなるために努力が出来る子だった、そんなあなたがどうして…」
「あはは、隊長…どうにもならない才能の差をずっと見せられたらこうもなるんです、だから私は…」
シーナは邪悪に笑うとアスナとアリシアの目の前で一般人を撃ち殺した。
「あはっ…」
アスナとアリシアに見られながらのこれにより殺人シーナの心は完全に悪に染まってしまった。
「あはははは!!!!!!」
邪悪な笑い声を上げるシーナはトリガーを弾き続け一般人をアスナとアリシアに見せ付けるように全員殺した。
「くっ…倒してでも止めるわ!」
アリシアは今のシーナを救うためには倒すしかないと思い剣を引き抜くがその前にシーナはアイギスの方を向く。
「うふふ…私を導いてくれたアイギス…感謝してるわ…?見ててね?」
「うんっ!」
アイギスが嬉しそうに返事をするのと同時にシーナは首から取り外した魔堕石を胸に当てた。
「あんっ!あああああ!!!!!!!」
魔堕石はシーナの身体に入って行きシーナは更に強くなるため繭に包まれて行く。
これからこの繭がシーナを魔怪人に作り変えるのである。
「おめでとうシーナ、これであなたはダークローズの一員だよ」
アイギスはシーナが中にある繭を愛おしそうに撫でる。
「壊す!」
アスナが迫り繭を破壊しようとするがアイギスはビームで牽制し繭に触れると転移して行った。
「お母さん…シーナお姉ちゃんが…」
「…これがダークローズのやり方よアスナ」
アスナでも魔堕石を持っていないと魔怪人になろうとしている事は気付けないアリシアはアイギスの巧みなやり方でシーナが堕とされた事に悔しそうな顔を見せつつエクシーズに娘と共に帰還する。




