三話、シーナの悩み
〔エクシーズ本部〕
アスナとララティアでシーナの治療を済ませアスナ達は本部に帰って来た。
「シーナ大丈夫?」
戦闘の様子をモニターしていたフィオが心配そうに話しかける。
「大丈夫よ、アスナとララティアが治療してくれたから、私帰るね」
「うん」
シーナは微笑み帰って行った。
「シーナは銃で戦う関係上どうしても銃が通用しないと火力不足になってしまう面があるわ、だから私が掛け合ってシーナのギアの火力を上げてもらうように掛け合ってみるわ」
シーナが焦ってしまった理由をアリシアは理解しており彼女のためにもギアの強化をしてもらうように言いに行った。
アリシアはこう言った時に仲間のためにしっかりと動く隊長なのだ。
「明日、シーナお姉ちゃんといっぱい話して元気になってもらわなきゃね!」
「ふふっそうね」
そしてアスナ達も明らかに落ち込んでいたシーナをフォローしようと決める。
こうする事で仲間を支え強くなって行こうと思っているのだ。
〔シーナの家〕
十年経ちシーナはエクシーズ本部の近くで部屋を借りていた。
「はぁ…ララティアもアンジーもしっかりとアスナと隊長のフォローをしてた…それなのに私は…」
落ち込むシーナは枕に顔を埋める。
仲間に対する劣等感を感じている自分が嫌で
すると部屋の中で転移音がしたためシーナは枕の下に忍ばせている銃に手を伸ばす。
「誰!」
そして振り返り銃を構えるが現れていた顔を見て戸惑ってしまった。
「ふふっ…」
何故ならアスナと同じ顔をしたアイギスが現れていたからだ。
「あはっ顔が同じなのって便利だねぇ?」
シーナが戸惑った隙に近付いたアイギスはベッドに彼女を押し倒す。
「くっ!」
シーナはやられた!と悔しそうな顔を見せた。
「そんな警戒しないでよ?私は別にあなたを殺しに来たわけじゃないんだからさ?」
「それじゃ何をしに来たの…」
「あなた自分の力が仲間の中で一番劣ってるって悩んでるでしょ?だから私があなたを強くしてあげようと思って来たんだ」
「どうやって…」
シーナはアイギスに言われた言葉が図星でありどうやって自分を強くするのか思わず聞いてしまった。
「あはっもちろんこれを使うんだよ?」
アイギスが見せたのは魔堕石。
かつて前のアスナを悪に堕とし仲間と戦わせた邪悪な洗脳改造装置だ。
「っ…わ、私はそんなものの力は頼らないわ!」
「そうー?一瞬これを使えば強くなれるかもって思ったんじゃない?あはっ…強かったよねぇ?魔怪人になった前のアスナはあなたも進化を続ければ同じくらいの力を得れる、そうなればもう仲間に対して劣等感を感じる事もなくなるよ?」
「…それでも私は!エクシーズのエージェントよ!」
「うんうん、そうだね、だからこの魔堕石はねぇ?シーナ、あなたの力を補助する仕様にしてあるんだ、魔怪人にならなくてもお試しで魔怪人の力を使えるの、だから試してみない?前のアスナが使ってた魔怪人の力をさ?」
言葉巧みにアイギスはシーナを自分達の側に引き込もうとする。
「い、一回だけなら…」
前の戦闘で役に立てなかった事から心が弱っていたシーナはアイギスの企みに乗ってしまう。
「ふふっはい、今日からこの魔堕石はあなたの物だよ」
アイギスは掛かったそう思ってニヤリと笑いシーナに魔堕石を渡す。
「これをどうすれば良いの?」
「首から掛ければ良いの、さっ、行こっ?早速その力試したいよね?力を試すために殺して良いクズ共はあなたのために見繕ってあるんだ」
「…ええ」
椅子から立ち上がったシーナは期待してしまっていた魔怪人の力とはどれほどのものなのだろう?と思って。
〔エールダの街〕
エールダの街の裏路地この国が対処出来るレベルの犯罪組織が集まるここにアイギスとシーナはやって来ていた。
「ここだよ、こいつら女の子を借金漬けにして風俗で働かせてるんだぁ、それに薬漬けにしたりもしてる、こいつらなら普段あなたが相手にしてる犯罪組織の奴等も何にも変わらないし殺しても良いよね?」
「そ、そうね…」
普段のシーナなら捕まえるべきだと言うが既に肌に触れている魔堕石の影響が出ているためアイギスの説明を聞き殺しても良いやと思ってしまった。
「ほら?行くよ?こんばんはー!」
アイギスはドアを蹴り破り中に入る。
中ではアイギスの説明通りに女達が男達に好き放題にされていた。
その光景を見てシーナは同じ女として怒りが込み上げる。
「あの子の説明通りね、あんた達みたいなクズは私が撃ち殺してあげるわ!」
シーナは魔導銃を呼び出すと撃つ。
その一撃の強さはこれまでとは比べものにならないものでありシーナは前のアスナはこんな力を使っていたのかと思う。
同時にこの力があればずっと感じていた劣等感をもう感じなくて済みそうだと思う。
「あはっあはは!これが…これが!!!魔怪人の力なのね!」
シーナは楽しんで男だけを殺して行く。
「あはっ」
アイギスはその様子を見て唇を邪悪に吊り上げる。
「ふぅ終わったわ、あなた達?クズどもは死んだわ?もう自由よ」
「え、ええ…」
女達は自分達が殺される前に慌てて逃げて行った。
「ふふっねーえ?シーナ、魔堕石の力気に入ってくれたぁ?」
「ええ、ありがとうアイギス、この力があれば私はもう弱くない強くなれるわ」
「ふふっそうだねあなたは強くなれる、さっ?魔堕石を身体の中に受け入れて魔怪人になろう?」
「…それは断るわ、私はエクシーズのエージェントよ」
シーナは誘惑に負けそうになったが踏み留まりアイギスに銃を向ける。
「はいはい、良いよそれで、その魔堕石大事にしてね?」
アイギスはまた明日の夜一緒に遊ぼ?とシーナに伝えてから帰って行った。
「ふふっ…」
シーナは自分を強くしてくれる魔堕石を首から外すと大事に胸に抱きしめ家に向けて転移して行った。




