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一話、夫婦って凄い司令は熱い

〔エクシーズ本部〕


第一小隊の部屋にてアスナが背中の翼の手入れをフィオとセシィに行って貰っている。


天使は信頼した者にしか自分の翼を触らせない。


そのためアスナは二人を信頼しておりそして天使としての本能もしっかりと持っているのだ。


と言うか今のアスナの本能は大半が天使のものだ。


「フィオ、いるかい?」


そうしていると男性の声がした。


フィオはその声を聞いて尻尾を立てると駆け寄って行く。


「あなた!」


そして抱き着いた。


やって来た男性はフィオの旦那様だ。


サキュバスにとって相手が見つからずいつまでも精気ドリンクを飲まないといけない事が一番の不幸であるためフィオもアスナが成長するまでの十年の間にパートナーを見つけて幸せになっていたのである。


ちなみにセシィの手にも結婚指輪が光っており結婚している。


「弁当忘れていたよ?」


「あーごめんごめん、鞄に入れ忘れちゃったわ」


フィオはそう言いつつ夫とキスをし手を振って別れてから従姉妹と妹の元に戻って来た。


「ほえー…」


アスナは人前で堂々とキスをしたフィオを見てすげーと言った顔を見せている。


自分はもし彼氏が出来ても人前では恥ずかしくて出来ないだろうからだ。


「あら?どうかした?アスナ」


フィオは幸せいっぱいな顔を見せつつ自分を見上げるアスナに向けて首を傾げた。


「お姉ちゃんって大人だねぇ…」


そして自分なんてまだまだ子供だとアスナは思う。


「な、なんなのかしら…」


「あはは、お姉様のキスを見て言ってるんですよ」


「あーなるほど、あのくらいいつもの事だから分からなかったわ」


「ほえー…」


アスナは今の言葉で察した他の所でも人前でキスしてるんだ…と思って。


アスナの表情は驚きから尊敬の眼差しに変わる。


大人って凄いと思って。


「なんか尊敬されてるんだけど…」


「あはは、アスナはやっぱり可愛いですね」


「ほえー」





「ドラゴン狩り?」


アスナの翼の手入れが終わった頃。


司令が部屋にやって来た。


アスナは仲間達と共にトランプをして遊んでいる。


「そうだ、世界危機級の奴が現れてな、アスナの経験値積みに丁度良い相手だろうと思って持って来たのだ」


「あの子世界危機級の魔物なんて十歳の時に私と一緒に戦って経験済みよ?」


「それでも構わん!考えても見ろ!アスナは言うならばこの世界の希望の勇者!そんな少女が脅威に挑み成長する!!王道であろうが!」


「…」


アリシアは熱く語る司令を見て思う。


この人そう言えば魔法少女とか勇者とかそう言うのが好きな人だったなと。


「それにだな!悪に堕ち仲間と戦った結果死んでも転生しもう一度立ち上がる!燃える展開だ!」


アリシアは妙に彼がアスナのやりたい事を素直に認めたなと思っていたがそもそもアスナのような者が好きなんだなと理解した。


同時にこの人ならアスナの強い味方で居続けてくれるだろうとも思う。


「ゴホンゴホン、済まない、我が出過ぎてしまった」


熱くなりすぎた司令は咳払いをしてからいつもの調子に戻る。


「安心なさい?司令、アスナ、全部聞いてるわよ」


「あはは…」


何騒いでんだろ?と思いトコトコと近付いて来ていたアスナは振り返りアスナの顔を見て顔を真っ赤にした司令を見て苦笑いをした。


「あーうんアスナ!とにかく俺は君の味方である!ドラゴン討伐任せたぞ!」


司令はそう言うと慌てて部屋から出て行った。


「面白い人だね」


「そうね、心が少年だわ」


アリシアは歴代の司令も同じような人格の者が担当して来たエクシーズだからこそ道を間違える事がないのだろうなと思う。


「ドラゴン討伐面白そう!行こっ!お母さん!」


「ええ行きましょうか、シーナ、ララティア、アンジーついて来なさい、他の子は他の任務が来るかもしれないから待機ね」


「了解!」


アリシア達はドラゴン討伐をするため転移した。


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