新十章、エクシーズに入ったホワイトクイーンプロローグ
〔エクシーズ本部〕
戦闘が終わりアスナはエクシーズ内を歩いていた。
魔人に怪我をさせられたエージェントや職員を見つけると癒して回っているのである。
「ありがとう…」
魔人の進化系であるアスナを心のどこかでは警戒してしまっていた者達も怪我の治療をされ優しく微笑まれるとその警戒心は消えてなくなってしまう。
そう感じさせるほどにアスナの表情は温和で心優しさが伝わるものなのだ。
「アスナ、もう怪我人はいないみたい、司令のところに行こう」
まだ残っている魔人がいる可能性を考え治療を行うために無防備になるアスナの護衛をしていた二十五歳になったセツナが司令の元に行こうと言う。
「分かった、行こっ」
アスナは胸に手を当てて本当に怪我人がもういないか確認した後セツナに手を引いて貰い司令室に向かって行った。
司令室に入るとアリシアのパーティーメンバーが全員集まっていた。
「アスナ、エージェントと職員の治療をしてくれて助かった、感謝する」
司令は仲間の傷を癒してくれたアスナに感謝した。
「お礼なんて良いよ、私は当然のことをしただけだから」
アスナは自分の行いは当然の事だと胸に手を当てて微笑んだ。
「それでも感謝したいのだ」
「ふふっ分かった、ならその気持ち受け取っておくね」
アスナは司令の言葉に嬉しそうに微笑んだ。
「さて、今後の我々の目的だが、四本柱の破壊に取り掛かりたい所だが、その前に支配されている他の世界や魔人が作り上げた様々な組織の討伐を行って行かなければならん」
次々と部隊を送り込める状態であることを打破しなくてはならないしその前に四本柱攻略戦を行う時に他の世界から兵力を送り込まれるのを阻止するために世界の奪還と組織の討伐が必要だ。
ただ柱を破壊すれば良いと言う状況ではないためまだまだダークローズに対してエクシーズは負けている状態なのである。
「アリシア、君の隊にはダークローズが各世界に忍ばせている魔人と組織の討伐を頼みたい、そうしている内にアスナを鍛える事も出来るだろう」
アスナは明確に人類と魔族の切り札となった。
ダークローズに勝つためにはアスナの力の完全覚醒が必要となる。
そのための訓練としてダークローズが作った組織の討伐は丁度いいのである。
「了解よ、アスナもみんなも良いわね?」
「了解です!」
アリシアは仲間達の返事を聞いて司令に向き直った。
「それでは早速任務を」
「…まだないのだ、と言うわけで今日は解散」
「…」
みんなせっかくやる気満々なのにとアリシアは思いつつ司令室から出て行った。
アリシアの隊はエクシーズの大隊の第一大隊第一小隊に繰り上げされていた。
エクシーズが有する全小隊の中で最高戦力を誇るチームであるためである。
「アスナ?何か分からないことはない?」
「施設の場所とか教えるわよ?」
「ほらお菓子」
大半が二十五歳の十歳歳上の大人になったお姉さん達に囲まれるアスナは非常に可愛い可愛いと可愛がられる立場となっていた。
大人が大半になった小隊にアスナのような若い子が来たら可愛がられるのは当然である。
「こらこら、あんまりアスナに構いすぎてはいけません、ほらこっちに来て私の膝の上に座って落ち着きましょう?」
みんなに構いに構われてアワワとなっているアスナを背後から抱き上げたララティアが椅子に座り膝の上に乗せると髪を撫で始めた。
(自分が…)
(可愛がりたいだけじゃん…)
もちろんララティアもアスナを可愛がりたいだけである。
「もー!私十五歳なんだよ!?子供扱いはやだ!」
アスナは大人のお姉さん達からの可愛がりに自分も大人だ!と反発しララティアの膝の上から飛び降りた。
「はいはい、あなた達、十も歳下な子が可愛いのは分かるけどあんまりやりすぎると怒るのは当然よ?」
アリシアはそんなフィオ達に可愛がりすぎはダメと注意した。
「はぁい…」
フィオ達はやりすぎたと反省する。
「ただアスナ言っておくけど十五歳はまだまだ子供よ」
「…違うもん、私も大人だもん、ほ、ほら!」
アスナはそのイメージにある精一杯のセクシーポーズを取り自分も大人であると示した。
しかしその姿は可愛らしさに溢れており色っぽさはカケラもない。
ちなみに前のアスナが堕ちていた時の記憶を覗けばエッチなポーズはいくらでも真似出来るがエッチなことをアスナは恥ずかしがるためそもそも前のアスナが堕ちていた時にしていたエッチな記憶はそもそも見れていない。
「あえて言うと可愛いだけよ、アスナ」
「…」
アスナはフィオの言葉を聞いて肩を落とすと大人しくお菓子を食べ始める。




