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十三話、エクシーズ内魔人掃討戦

〔エクシーズ本部〕


エクシーズ内に潜む魔人達がアスナに迫って来る。


「アスナ!行くわよ!」


アリシアは「アスナ」とこうして十年振りに戦場に立てる事を喜びながら敵に向かって行く。


「私の力は世界を守るための力…だから行きます!」


アスナはアリシアと一緒に駆け出し魔人と相対すると斬り伏せた。


続けて奥から迫る魔人を見据えるとビームを放って撃ち抜く。


「アナスタシア様…」


死に行く魔人はアナスタシアの名を呼びながら生き絶える。


「…」


アスナはその姿を見て近くに行って膝を着くと目を伏せる。


クイーンとしてアスナは彼女達を慈しむ心があるだからこそ死んだ事を悲しく思うのだ。


「アスナ、どんどん行くわ、このまま好きにさせていたらエクシーズ内の非戦闘員はあっという間に殺されて行ってしまうわ!」


「そうだね」


立ち上がったホワイトクイーンは凛とした表情を見せると戦闘を継続する。




「チッ…簡単に勘付かれるな…」


エクシーズ内に魔人を忍ばせる作戦の指揮を取っていたリーリエはアスナにバレてしまった事に対し舌打ちをした。


本来なら大量の魔人によりエクシーズを内部から喰い散らして崩壊させる予定だったがその作戦は早期に阻まれたのである。


「ならば出来るだけ多く私の手で人間共殺してくれる!」


リーリエはこの十年で幹部級の魔人が得た新しい能力オーバードを使いエクシーズ本部に迫る。


「あれはマズイわ!アスナ!」


「そうだね、なら私も!」


アスナは割れた窓から飛び出すとこちらも巨大化する。


その姿は神々しさを感じさせる巨大なロボットセイレーンの姿となった。


この姿はアスナの力により作り出された機動兵器であり内部にアスナが搭乗して操縦する形式だ。


対する魔人の巨大化は肉体を変化させるため内部で搭乗していたりはしない。


「これはこれは、クイーン、お初にお目にかかる」


「あなたは前の私の記憶で見たよ、リーリエだよね」


「おや、あなた様が私を知っていらっしゃるとは、嬉しい事ですね!」


リーリエは有機的な大剣を振り上げると斬りかかって来る。


アスナはその大剣を受け止めると各部の砲口からビームを放った。


「ちぃぃ!これがクイーンの力か!」


この十年何人もの強者を喰らい強くなっていたリーリエでもアスナに劣る。


ホワイトクイーンとしての身体とアリシアの指導によりアスナは強くなったのだ。


「はぁ!」


リーリエに迫ったアスナはタックルを放ってから一撃二撃と連撃を叩き込む。


続けて左手に構えたビームライフルから砲撃を放とうとするがリーリエは人型に戻りエクシーズ本部内に戻って行った。


巨大な姿では不利だと判断したのだろう。


「待って!」


アスナはエクシーズ本部にセイレーンを接岸させるとコクピットを開いて本部内に戻る。


アスナが降りるのと同時にセイレーンはアスナの翼にへと戻って行ったセイレーンはアスナの翼が巨大化した姿なのである。


「チッ、撃て!私はこれよりリアクターの破壊によるこの本部の爆破を行う!」


「はっ!」


大量の魔人が集まりアスナの行く手を阻む。


強くなったアスナでもこの数を突破してすぐにリーリエに追い付くのは難しい。


「どうすれば…」


アスナはこのままではリーリエがリアクターに辿り着いてしまうと焦るがリーリエが階段を降りる直前にアイシアが現れた。


「貴様…今まで潜んでいたのか…」


リーリエは裏切り者の姫であるアイシアを憎々しげに見据える。


かつてはアイシアもリーリエの主人であったが裏切った時点で完全なる敵として認識しているのだ。


「あらなぁに?私はあんなに可愛がってあげたあなたのご主人様の一人なのに」


アイシアはリーリエを挑発する。


こうする事でリーリエを自分と戦闘させアスナが突破して来るのを待つつもりだ。


「私の人生の一番の汚点だ…死ね!アイシア!」


アイシアの思惑通りリーリエが斬りかかって来た。


アイシアはそれと同時にアスナと目を合わせる。


(分かった)


アスナは彼女と頷き合い駆け付けたアリシアとフィオとセツナと共に突破を急ぐ。


「はぁぁ!!」


「くっ…かなり力を増したね!」


リーリエはかなり力を増しているその力はアイシアと同等だ。


「うふふ、アナスタシア様のお役に立つため強くなったのだ、うふふ…そのおかげで何度もあのお方から褒美を頂いている…」


リーリエは頬を赤く染めつつ褒美をもらった事を嬉しそうに言った。


「他の二人もかなり強くなった、アイシア!お前は我等新大幹部の手で必ず葬り去ってくれるわ!」


「あらあら怖い怖い、やれるもんならやってみなさいよ!」


アイシアも全力を持ってして力を増しているリーリエと打ち合う。


互角であるため決着は付かないが確実に時間稼ぎは出来ていた。


だからこそアスナが突破する時間を稼げたのである。


「ホワイトセイクリッドエッジ!」


煌めく黄金の斬撃が放たれた。


アイシアがそれを横っ飛びに避けリーリエは避けられずに直撃する。


「ぐぁぁ!!」


大ダメージを受けたリーリエは地面を転がり壁に激突した。


「ホワイトセイクリッド!バスター!」


アスナは容赦なく次の攻撃を放とうとするがリーリエはやられる前に逃げて行った。


「ふぅ、強かったから突破して来てくれて助かったよアスナ」


「どういたしまして、さっ残りの魔人を全部倒しちゃおう!」


「ええ!」


アスナとアイシアはアリシア達と協力してエクシーズ内に潜んでいた全ての魔人を撃滅した。




〔ダークローズ本部〕


逃げて来たリーリエは震えながら王の前で膝を着いていた。


「も、申し訳ございません…作戦は失敗しました…」


アナスタシアの左右に控える同じく大幹部になったアイシャとエレノアが冷たく失敗して帰って来たリーリエを見据えている。


「あはっ無能だねぇ?リーリエ、お父様ぁ?こんなクズにはお仕置きが必要じゃないかな?」


アイギスはそのお仕置きを自分の手で行いたいため邪悪な笑みを浮かべている。


「アイギス、やめなさい、私はたった一回の失敗で仕置きをするわけではないわ、ただリーリエ、何度も失敗するのは許さないわよ、肝に命じておきなさい」


「はっ!」


リーリエは仕置きをされずに済んだとホッとする。


そんな彼女にアイギスは近付き耳打ちをした。


「助かったねぇ?リーリエ」


アイギスはリーリエの耳から唇を離すとクスクスと笑いながら父の膝の上に戻った。


「下がりなさいリーリエ、アイシャとエレノア、あなた達も作戦を開始するのよ」


「はっ」


「お任せを」


かつて前のアスナが作った強力な魔人が動き出す。


人類と魔族を全て魔人に変えアナスタシアに捧げるために。

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