十一話、クイーンVSプリンセス
〔森の中の家〕
アスナが中庭で畑を耕している。
これも幼い頃から行っている日課でアスナは植物を育てる事をとても楽しんでいる。
「ねーえ?あなたがアスナちゃーん?」
そうしているとアスナに話しかけて来る声があった。
「あなたは?」
アスナは振り返り相手の顔を見て驚いた何故なら自分と同じ顔をしていたからだ。
「あはっ驚くよねぇ?同じ顔をしてるんだもん」
現れた少女アイギスは驚いたアスナの顔を見てニヤリと笑った。
「まさかあなたはお姉ちゃんの…」
「そう、あなたの対となるアナスタシア様の娘、アイギスだよ」
アイギスはゆっくりとアスナに近付いて行く。
「そう…」
アスナは警戒しつつ近付いて来るアイギスを見据える。
するとアイシアが立ちはだかるように現れた。
「あなたが私の妹?」
アイシアはアスナ守るように立ちながら相手の正体を問う。
「そうだけど認めたくないなぁ、お前なんて失敗作の妹だなんてさ?死んでもごめんなんだけど?」
アイギスは冷たい顔を見せアイシアの妹である事を否定する。
「大体さぁ?敵の女に惚れてそいつを自分のものにしたけどそいつが死んで敵に寝返るなんてあんた本当に馬鹿だよねぇ?何?自分の女の仇を取りたいわけ?もう死んでるのに、あはっ」
アイギスはアイシアを挑発する。
「そうだよ大馬鹿だ私は、それでもあの子が残したこの子を守るって誓ってるんだ!」
「ふぅーん本当に前のその子の事好きだったんだ、まっ失敗作のお前がどう考えてるなんてどうでもいいや」
アイギスはそう冷たく言うとアイシアを殴ろうとする。
その拳をアスナが受け止めた。
「確かにアイシアお姉ちゃんがやった事は間違ってたって私も思う、それでも前の私が好きって気持ちは本物ならそれは何も間違いじゃない、だから私はあなたみたいにその想いを馬鹿になんてしたりはしない、人を好きになる事はとっても綺麗な事だから!」
「アスナ…」
アスナはそう言ってアイシアの前に出た。
アイシアはそんなアスナを見て胸に手を当てた。
「フン、あんたも馬鹿の一人か、そんな馬鹿なら大した力もないんだろうね!」
アイギスはアスナに向けて蹴りを放つ。
アスナはその蹴りを片手で受け止めアイギスを湖の方に向けて放り投げた。
「くぅ!このぉ!!」
放り投げられたアイギスは追って迫って来るアスナに砲撃を放つがアスナは回転してその砲撃を弾きアイギスに回転しながら蹴りを叩き込む。
「くぅ!」
アイギスは湖に墜落しアスナは追ってアイギスに迫ると剣を振り上げて来た。
「やぁ!」
アスナはその攻撃を避け突きを放つ。
「うっ!」
アイギスの肩にアスナの剣が突き刺さった。
「ちぃ!!」
アイギスは舌打ちをしつつ次々とアスナに向けて剣を振るうがアスナは全て避け最後に彼女の腹に手を当てた。
「私はクイーン、あなたの中の石を破壊出来る、どうする?このまま引かないなら破壊するけど?」
「チッ!」
アイギスは魔狂石を破壊される前に撤退した。
「やるねアスナ、あの子相当に強いのに」
「あの子、凄い油断してる感じだったから、だから私の方が冷静に対処したら勝てると思ったの」
アスナはそう言うと誇らしげに胸を張った。
自分の作戦が上手く行った!と喜んでいるのだ。
「後ありがとうアスナ、前のあなたを好きな私の気持ちを認めてくれて」
「うん、その気持ちはとても綺麗だと思うよ、ただ前の私を手に入れるためにやった事とか、前の私とエッチな事しまくったりとか、そこは一切綺麗だとは思わないよ、アナスタシアお姉ちゃんに思考を邪悪に染められていたとしてもね?」
アスナは善悪をしっかりと分けるタイプだ。
だからこそ悪い事は悪いとしっかりと言うのである。
「だから反省してください!」
もうあんな事したらダメだよ!とアスナは指を突き出して来た。
「分かってる」
アイシアはそう分かっている。
もうあんな事は絶対にしないそう思うからこそアスナを必死になって守っているのだ。
「それじゃ私帰るね」
「うん、またね、アイシアお姉ちゃん」
アスナはアイシアに手を振ると再び畑を耕し始める。




