十章、アスナ・サーストン十五歳になりました!
〔森の中の家〕
アリシアの娘になってから十年。
アスナ・サーストンは十五歳になっていた。
「ふぁ…」
朝の日課であるトレーニングをするためアスナは身を起こすとベッドから降りて体を伸ばす。
そして鏡の前に立った少女は昨日のうちに鏡の隣にある机の上に置いておいた服を着るために服を脱いだ。
その体は前のアスナと全く同じ姿に成長しておりIカップ程の胸細い腰適度に肉が付いた脚そしてアリシアによく似た顔。
アスナは誰が見ても綺麗だと思う美少女に成長していた。
「うん!完璧!」
白い上着を着て赤いスカートにブーツと言う姿になったアスナは前のアスナと違って谷間を見せていたりは一切しない。
その姿は確かにスタイルが良いが清純さを感じさせる清楚なものである。
「さっ下に行こっと」
剣を片手に部屋を出たアスナは階段を降りてリビングをチラリと見る。
すると父が起きて朝食の準備をしようとしていたので剣を腰のベルトに着けてから中に入った。
「おはよう、お父さん」
「うん、おはよう、アスナ」
挨拶をされたアスナはアスナの姿を見て若い頃のアリシアにそっくりだと思う。
「お父さんは座ってて?私がご飯作るよ」
「良いのかい?」
「うん」
朝食を作ると言うアスナは髪を持ち上げつつ微笑む。
その笑顔はとても可愛らしい。
「それじゃ頼むよ」
レイリックは娘の好意を素直に受ける事にし父に朝食を作る。
「出来たよ」
「ありがとう」
レイリックは朝食を作ってくれた娘に感謝すると食べ始める。
それを見て優しく微笑んだアスナは部屋から出て中庭に向かう。
中庭に出ると桜色の髪が美しく舞ったアスナは母に最近新しく買って貰った剣を引き抜くと真剣な顔を見せ振るい始める。
その剣技は研ぎ澄まされておりそしてアスナの実力は前のアスナを100とすると80までは来ていた。
この先は実戦を積んで前の自分の実力に近付けて行く段階に入っている。
「うん、良い感じね、アスナ」
そうしていると壁にいつの間にかもたれかかっていたアリシアがアスナの剣を良い感じだと言う。
「ありがと、お母さん」
アスナはアリシアに褒められて嬉しそうに微笑んだ。
「…」
アリシアは十五歳まで大きくなったアスナを見て思うサキュバスである自分が育てたのによくもまぁこんな清楚な子に育ったものだと。
自分など同じくらいの年齢にはしっかりとサキュバスらしく谷間が見えるドレスを着ていたりしたがアスナは絶対に同性にすら外では谷間を見せない。
服装も落ち着いたもので非常に可愛らしいし階段を登る際などにはしっかりとスカートを押さえたりして中が下から見えないようにする。
見た目や行動も含めてアスナは清楚な少女に成長したのである。
「お母さん?」
アスナは何か考える母を見て首を傾げた。
「ふふっなんでもないわ」
「そう?」
アスナはなら良いんだけどと思う。
「ねっアスナ、そろそろエクシーズに行ってエージェント登録をしましょうか」
「うん、良いよ、沢山の人をエクシーズに入れば助けられるんだよね?」
アスナはその心優しさから自分の力は誰かを救うために使うべきだと考えている。
だからこそエクシーズに入れば沢山の人々を助けられると考えているのだ。
「もちろんよ、なら決まりね?」
「うん、いつ行くの?」
「そうね、司令があなたに会いたいって言ってるから、彼の予定を聞いてからにしましょうか」
「…分かった」
アスナは司令と会う際に自分の目標を言うつもりだ。
人間や魔族が魔人と共存出来る世界を作ろうと思っていると言う目標を。
「あなたが何を言おうとしてるのかは分かってるわ、彼が何を言ったとしても私はあなたの味方だからね?」
「うん、ありがとう、お母さん」
アスナは母の言葉に嬉しそうな顔を見せると再び剣を振り始めた。
〔ダークローズ本部〕
ほんの少しだけ魔力を使えるようになったアナスタシア。
その周りには精気を吸い尽くした人間の女の死体が転がっている。
回復の兆しが見えたため精気を吸収して回復を押し進めているのだ。
「お父様〜来たよ〜いっぱい食べたんだねぇ?私も呼んでくれたら良かったのに、人間って美味しいからさぁ?」
父に呼ばれたアイギスは舌舐めずりしながら邪悪に笑う。
魔狂人であるアイギスにとって人間は餌でしかないのだ。
「アイギス、あなたは十分に成長したわ、だからあなたの敵となるアスナを使ってあなたの力を試して来なさい」
「はぁい、ねっ?殺せるなら殺して良いんだよね?」
アイギスは邪悪な笑みを浮かべつつアスナを殺しても良いのか聞く。
「ええ、好きになさい、あの子は我々にとって殲滅対象なのだから」
「はーい、うふふ、帰って来たら私と遊んでね?お父様」
「うふふ、ええ可愛がってあげるわ」
「やった」
アイギスは頬を赤く染めて微笑みつつ転移して行った。




