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六話、街へ行こう!

〔森の中の家〕


アスナがアンジーに着替えをさせて貰っている。


アンジーはその幼い姿に出会ったばかりの頃の前のアスナを重ねていた。


(またお嬢様の幼い姿を見ることになるなんて分からないものですね)


そう思いながら今度こそアスナが大人になれるまで側で守って見せるとアンジーも他の少女達と同じく誓う。


皆思っているのだ今度こそアスナを死なせないと。


「アンジー?」


アスナはジッと見つめられているので首を傾げた。


その顔はどうしたの?と心配してくれている顔である。


「ふふっなんでもありません、お嬢様は本当にお優しいですね」


アンジーは柔らかく微笑みアスナの髪を撫でるするとアスナは嬉しそうに目を細めた。


「着替え終わった?そろそろ出掛けるわよ」


「うん!終わった!私先に外で出てるね!」


アスナは母の言葉に返事をすると外に向けて走って出て行く。


これから街に初めて行くのが楽しみで仕方がないのである。


「アンジー、一度アスナを失ったからこそあの子を想う気持ちが強くなりすぎるのは分かるけれど、思い詰め過ぎるのは良くないわ、みんなであの子を守って行くのだから、ね?」


そう皆でアスナを戦える年齢まで守るのだ。


アンジーだけが思い詰める必要はなく皆でアスナの側にいればそれで良い。


「分かっています、アリシア様」


アリシアの言葉を聞いたアンジーは胸に手を当てて微笑む。




〔サスノリア〕


ここはサスノリア。


アリシアの実家サーストン家の屋敷がある街である。


アリシアの代から長い年月がこの街はアリシアが若かった頃の面影を保ちつつも車や電車が走る街となっている。


「わぁー!」


アスナは沢山の人々が往来する光景を見て目を輝かせる。


自分達以外にもこんなに人がいるんだと思ったのである。


「ふふっ行くわよ、アスナ」


「うん!」


今日の目的は森の中の家の中にある子供用の服は何人かアリシアが預かりその娘達が着てきた服であるため古い。


そのため服を新調するためにやって来たのである。


「お嬢様の服選び!楽しみですね!」


アンジーは間違いなく可愛いものが見れる!と目をキラキラさせている。


「そうね」


アリシアはそんなアンジーを見てクスクスと笑いつつアスナの手を引いて歩き始めた。


「お母さん、ここにお母さんが暮らしてたお家もあるんだよね?」


「ええ、サーストン家の本家よ、その内挨拶に向かいましょう」


アスナには現当主からサーストン領の領主とサーストン家の当主になってくれないか?との話が来ているそのためその内アリシアはアスナを連れて挨拶に向かう予定だ。


領主になりアスナの将来的な生活の地盤が整うのはアリシアとしても安心が出来ることなのでアリシアとしてもアスナにサーストン領の領主とサーストン家の当主になってもらうつもりである。


ちなみにレイアール家の当主と魔王の座はフィオが引き継いだ。


前者は前のアスナの妹であるため順当で後者は邪神であるフィオなら魔王になるに相応しいそれに邪神ではあるが天使でもあるアスナでは魔王になるのは少々問題がある。


「うん!」


アスナは挨拶に向かおうと言う母の言葉に素直に返事を返した。


そんな話をしている間にアリシアが大昔から通っている服屋に着いた。


昔はドレスを専門に作っていた店であるが時代が進み現代的な服も作るようになった。


「久し振りね」


アリシアは中に入ると店長に挨拶する。


「これはこれはアリシア様!」


何代もアリシアの服を提供して来た一族の家長である店長はアリシアを嬉しそうに出迎えた。


「そちらはまた新しい魔王お孫さんですか?」


そしてアリシアはここに孫か弟子を連れて来て大昔はドレスを現代では好きな服を選ばせて来ていた。


そのため店長はその見た目から新しい孫なのか?と聞いたのである。


「ふふっこの子は私の娘よ」


「あらー!そうなんですね!とても可愛らしいです!」


「でしょう?この子は可愛いのよ」


店主の言葉を聞いたアリシアはそうだろうそうだろう私の娘は可愛いのだ!とドヤ顔をした。


「今日はこの子の服を買いに来たの、見繕ってくれるかしら?」


「はい!もちろんです!」


店長はアスナの周りを一周してアスナならどの服が似合うか判断し服を取りに行った。


「どうぞ!」


暫くして戻って来た店長の腕には大量の服が載せられている。


全て店長の見立てで選んだアスナに完璧に似合うはずの服達だ。


「多いわね…まぁ全部買うけども…」


可愛い娘のためなら長年生きて得た膨大な資産をどれだけでも注ぎ込むつもりであるアリシアにとってこの大量の服を買うくらい痛くも痒くもないのである。


「何着か試着なされます?」


「そうね、それでアスナが気に入った服をそのまま着させて帰るわ」


「わっかりました!ではこちらへ!」


アスナは試着ってどう言う意味の言葉?と首を傾げつつ試着室に入りあぁ着替えるって意味かと思うとまだ一人で着替えられないためアンジーに着替えを手伝って貰い試着をする。


アンジーはアスナを着替えさせて新しい姿になる度きゃーきゃー興奮していた。



店を出たアスナはホワイトクイーンと言う名の通り白い服が好きなようで白いワンピースを着て歩いている。


「えへへ、可愛いね!」


ワンピースの裾と桜色の髪を揺らすアスナの姿は非常に可愛らしいものだ。


「ふふっあんまり走ると転けちゃうわよぉ?ほらそこにソフトクリーム屋があるから食べましょう?」


「うん!…ソフトクリームって何?」


「見れば分かるわ」


「うん!」


アスナはアリシアとアンジーと一緒に列に並びアリシアにソフトクリームを買ってもらうと嬉しそうに目を輝かせ食べ始める。

次回からホワイトクイーンは十歳となります。

冒険者デビューです。

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