三話、破壊神VS魔怪人
〔破壊神の神殿〕
神殿の中でアスナとフィオが剣をぶつけ合った。
「…」
壁に激突していたアナスタシアは立ち上がりその力を見て思う。
「アスナと同等か…」
破壊神の力を得たフィオはアスナと同等の力を得ていた。
それに加えてアリシアがしっかりと仕込んだ剣技を使うフィオは強い。
「チッ、忌々しい…私が捨てた剣術を…」
アスナは現在アーリアの剣術を使っている。
だからこそ捨てた剣術を使うと言う点でもフィオは忌々しい敵なのだ。
「ただ破壊神になったからと言って私より強くなったわけじゃない、この程度なら私の方が強い!」
アスナはそう言うとフィオの腹に蹴りを叩き込んだ。
「くぅ!」
フィオは腹に激痛を感じつつ吹き飛ばされる。
(やっぱり今のお姉ちゃんは強い…どうにか…お姉ちゃんの身体に触れないと…)
今のアスナの強さは凄まじいと言える程のものだ。
だからこそ魔堕石の支配権の奪取はかなり難しいのである。
「死ね!」
そしてアイシアも攻撃を放って来る。
この戦い間違いなく簡単にはいかないのだ。
「ふふっアリシアとその他のゴミども、動けば殺すわよ?私は怒っているのだから」
顔を蹴られた事に怒るアナスタシアはフィオの加勢をしようとするアリシア達の動きを見て動けば殺すと言う。
アリシア達はここで死ぬわけにはいかないため加勢を踏み留まりフィオを信じて見守るしか出来なくなった。
「あはは!ほらほら!どうしたの?勢いがなくなったよ!?」
アスナは楽しみながらフィオをアイシアと連携して追い詰めて行く。
「くっうう!はぁ!!」
ならばとフィオは全身から魔力を放った。
「くっ!」
「チッ!」
その行動でアスナとアイシアが吹き飛ぶ。
フィオは吹き飛ばしただけでは動きを止めずアイシアに向けて拘束魔法を放った。
「ちぃ!」
破壊神の力を使った拘束だ。
アイシアは中々解く事が出来ない。
「これで!」
フィオは果敢にアスナに挑んで行く。
「このぉ!!!!!」
少し前まで軽く倒せておもちゃとして遊べる相手であったフィオがここまで苦戦させる存在となった。
アスナはこれならばさっさと殺せば良かったと思う。
「だから今ここで殺す」
厄介だからこそアスナはここでフィオを殺すつもりで攻撃を仕掛ける。
「つぅ!やぁぁ!!」
振り下ろされた斬撃の威力に怯みつつもフィオは打ち返し逆にアスナの腕を跳ね上げさせた。
「ここだぁ!」
フィオは前に飛んで姉に抱き着くと押し倒した。
「くっ!アスナ!」
アイシアが焦りアナスタシアが舌打ちをする。
「戻って…お願い!」
そしてアスナを拘束したフィオはアスナの中にある魔堕石の支配権の奪取を開始した。
確かに魔堕石にアクセスをする事が出来た。
自分に従えと石に命令することも出来た。
フィオはこの距離ではもし元に戻っていなかった場合殺されてしまうためアリシア達の前に戻る。
「…」
アリシア達がアスナを見守っているとアスナはゆらりと立ち上がった。
「残念でしたぁ、あはっ!」
しかしフィオは魔堕石の支配権の奪取に失敗した。
破壊神よりアナスタシアの方が邪神として格が上なのだ。
奪取は簡単には成功しない。
「アナスタシア様がお作りになられた魔堕石を穢そうとするなんて益々許せない…絶対に殺す」
アスナは完全に怒った様子を見せフィオに向かって来る。
アイシアも立ち上がり向かって来た。
「アイシア、部が悪いわ、引きましょう、まだチャンスはある」
「うん…分かった…」
アスナを殺すと判断するのはあくまでも何回も失敗してもう無理だと判断した時だ。
一回の失敗で諦めるつもりはないアリシア達は殺されないようにするためにも引いて行った。
「チッ…」
アスナは逃げられたのを見てイラついた様子で舌打ちをする。
「アスナ?アイシア?こっちに来なさい」
そうしているとアイシアと共にアナスタシアに呼ばれた。
アスナとアイシアは彼女の元に向かう。
「思った以上に強いわ、だからこそよ、次会った時はいつものように嬲って遊ぶんじゃない、殺せる隙が見えたら殺しなさい、彼女は明確に我々ダークローズの最大の脅威だわ」
アナスタシアにここまで言わせるほどにフィオは強くなったのである。
「分かりました、私の手で必ずや殺します」
アスナは片膝を着き必ずフィオを殺すと宣言した。
アスナとアイシアを同時に相手にしても戦えるようになったフィオはこの二人だけではない。
人類側の最高戦力としてダークローズの侵攻を押し返す活躍を見せ始める。
そしてフィオから加護を施されたセシィ達も戦闘能力を向上させダークローズに被害を与えて行く。
一人強力な存在が生まれると戦況は大きく変わる。
押されるばかりであった人類は遂にダークローズに対して反撃を開始したのである。




