九話、アナスタシアのやり方
〔レイアール家〕
邪神になる方法を探すアリシア達は休憩をしていた。
仲間達は様々な場所に飛んで情報を集めているため今ここにいるのはフィオとセシィとセツナのみである。
「アナスタシア、彼女のやり方は私達にとっては非常に厄介なやり方よ」
アリシアは仲間達に敵のやり方について話す。
「まずは自分を脅かすかもしれない存在が自分の前に立ちはだかる前に捕らえて洗脳し自分の戦力として取り込む、そして自分好みに育て上げ自分が理想とする世界を作るための使徒に仕立て上げる、本当に狡猾なやり方だわ…」
「私達もそのやり方に苦しめられてるもんね…」
リング2ではアーリアと言う希望となる筈だった存在がアナスタシアの物になり十年以上と言う年月は掛かったが世界はアナスタシアの支配下に堕ちた。
リング1では元々は取り込むつもりはなかったがアイシアの提案で取り込み。
現在ではアーリアを超えるアナスタシアを含まない場合のダークローズ最強の存在としてリング1の人類の前に希望となるはずであった少女アスナは立ちはだかっている。
「ええ…敵としては厄介だけど、ダークローズに所属する魔人達からすればこれ以上ない王と言えるでしょう」
しっかりと作戦を立てて動き確実にこちらを潰すために動くアナスタシア。
敵としてはこれ以上ないくらいに厄介だ。
「そして最も恐ろしいのはアナスタシア自身は私達と一度も戦っていないと言う事よ」
「敵の親玉の実力が分からない、これは本当に恐ろしい事だね」
セツナは話しながら思う。
アナスタシア自身が出なくても敵である自分達を滅ぼせるくらいの戦力を持っているからアナスタシア自身が出てこないのだと。
「ええ、恐ろしい事だわ」
もしアスナを取り戻せたとしてもアナスタシアの力量次第ではアスナは簡単に負けて死に世界は結局アナスタシアの物になってしまう。
そうならないためにも出来れば敵の親玉であるアナスタシアの力量は知っておきたい所なのだがアーリアやアスナを有する時点でアナスタシアが出て来て戦う必要がない。
更に言えば現状アスナのみでアリシア達は抑え込まれている。
つまりダークローズはその気になればアスナのみで自分達エクシーズを滅ぼせてしまうと言う事だ。
この時点でアナスタシアの物となったアスナの力量は恐ろしいものであると分かるだろう。
「あはっアナスタシア様を褒めるなんて分かってるじゃん」
そんな話をしているとアスナがいつの間にか現れていた。
いつも通り魅惑的なボンデージ姿である。
「あなた達が言ってるようにアナスタシアの手を煩わせなくてもそしてアーリア様の手を煩わせなくてもお前達なんて私一人で滅ぼせるの、今この瞬間にだって」
アスナは消えるとアリシアの背後に現れて抱き着き首に剣を当てた。
「殺せるんだよ?」
アスナはそう言いながらアリシアの胸を揉みしだく。
「くっ…やめなさい…アスナ…」
「あはっいーよ?今日の私は機嫌が良いからね?」
機嫌が良い理由はアリシア達がアナスタシアを評価していたからだ。
自身のご主人様であるアナスタシアが褒められるのはアスナにとって非常に気分が良い事なのである。
「アナスタシア様のやり方についてお前達は話してたけど、お前達が我々に降り魔人になると言うのなら、私もお前達を殺すのをやめてあげても良い、その代わり最下級の奴隷扱いにするけどね?」
最下級になった者は下級の魔人でも命令されたらその場で自害しないといけなかったりと本当に奴隷のような扱いをされる身分だ。
そんな存在にされるくらいなら死んだ方がマシであろう。
「安心しなさい、そんな身分にされるくらいなら死んだ方がマシだから」
「うんうん、大馬鹿らしい選択肢で安心したよ、私一人すら止められないお前達に生きるチャンスを与えてあげようと思ったんだけどね?いらないなら好きにしなよ、その代わり気が向いたら殺してあげるから」
「そうなる前にあなたを元に戻すわ」
「はいはい、いつも通りの戯言だね、あぁそれと言っておく事があるんだった、アナスタシア様が今、三つ目の柱を建てたの、残り一つが完成したら、あはっ大量の軍勢がこっちの世界に来れるようになる、ふふっ楽しみだね?」
アスナはニヤリと笑う。
その表情はお前達に希望などないと言っているのと同じ顔であった。
「ふぁ…さっきまでアイシアとセックスしてたからさぁ?眠いんだよね…だからソファ借りるね?お休み」
ここで寝ても自分に対して何も出来ない事をアスナは知っている。
だからこそ敵の陣地のど真ん中で寝ると言うアリシア達を舐め切った行動が取れるのだ。
アスナはあくびをしながらソファに横になると本当に眠り始めた。
「隙だらけだけど手を出しちゃダメよ、今の私達の実力でアスナを怒らせたら一瞬で終わらされるわ」
「分かってます…」
セシィはこんな舐め切った行動をされる事を悔しく思いつつ調べ物を再開した。




