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十話、宣戦布告

〔ダークローズのアジト〕


アナスタシアが四本目の柱の作成を行った。


アジトに戻った彼女は最上階にある展望台で腕を開く。


「さぁ…我が軍勢よ!こちらの世界に来なさい!」


アナスタシアが力を放つのと同時に四つの世界から魔力を吸い上げ巨大なゲートが開く。


リング2と1を繋ぐゲートを通って無数の魔人達や兵器が雪崩れ込んで来て彼女達はアナスタシアの前に並び立った。


「よく来てくれたわ、私の可愛い子供達、リング2に続きリング1も手に入れるわよ」


「「はっ!」」


「ふふっ、早速侵攻開始と言いたい所だけど、まずはこちら側の最高戦力であるエクシーズに宣戦布告でもしに行きましょうか」


「うふふ、そうですね、行きましょう」


アナスタシアに付き従うアスナはその考えに同意した。


「決まりね」


アナスタシアはアスナの言葉に頷くとアイシアとアーリアも連れてエクシーズ本部に向けて移動した。




〔エクシーズ本部〕


エクシーズの司令の元にアナスタシアと三人の大幹部が現れた。


アスナは指を振るいアナスタシアが座る椅子を作り出す。


「どうせ椅子なんて用意しないだろうし私が代わりに用意してあげたよ?感謝してね?」


アスナの魔怪人としての姿を目前で見るのは初めてである司令は俯く。


アスナに期待していた者は誰しもアスナが堕ち切った姿を見ると悲しくなるのだ。


「何をしに来たのだね?」


「そんなの決まっているわ?私な軍勢がこちら側の世界に来れるようになってね?宣戦布告をしに来てあげたのよ、わざわざ私が足を運んであげたのだから感謝なさい?」


「…宣戦布告をされて感謝をする気になるわけなかろう」


「アナスタシア様に対して何様のつもり?感謝しろと仰られているのだから感謝しろ、人間如きがふざけるなよ?」


アスナは司令の言葉を聞いて怒る。


アナスタシアはアスナのその忠誠心に溢れている姿を見て満足気な顔を見せた。


「悪いが、エクシーズの司令として敵対する者に感謝はしない」


司令は悪に堕ちた少女アスナに対して一歩も引かない。


元エージェントとして武術の心得があり目の前の少女から放たれる圧倒的な力を感じ目の前の少女は自分など一瞬で殺せることを理解していてもだ。


「アナスタシア様?このゴミを殺す許可を」


アスナはアナスタシアの方を振り返り司令を殺す許可を求めた。


「もちろんダメよ、指揮する人物を戦争を始める前に殺したら何も楽しめないじゃない」


「ああん…アナスタシア様ぁ…こんなゴミ死んでも代わりに指揮出来るゴミはいくらでもいますよ、ですからあなた様に非礼を行ったこのゴミは殺してしまいましょう?」


「ダメ」


アナスタシアはアスナのおねだりをキッパリと断った。


「はぁい…フン、おい?ゴミ命拾いしたな?次会った時に絶対に殺してやるからな?」


アスナは冷たく言うとアナスタシアの後ろに戻る。


「うふふ、私の可愛い片腕がごめんなさいね?早速だけど明日攻撃を行うわ、アスナ一人でね?あなた達人間に我がダークローズ最強の魔怪人の力を見せてあげようと思うの」


アスナの力を見せ付ける事で敵に対し絶望感を与えるつもりなのだ。


「一人だと?舐められたものだな」


「うふふ、私のアスナなら可能よ?何故ならこの子は私が作り上げた使徒の中で最高傑作なのだから」


アナスタシアに最高傑作だと言われたアスナは誇らしげな顔を見せる。


「…分かった、ただ君の片腕だと言うアスナを失って後悔しないように、そしてアスナ、君をエクシーズとして討伐対象に認定する、アリシア殿達が君を取り戻せたら解除するが、エクシーズとしては君をもう見過ごす事は出来ん」


自分達ではアスナを元に戻す事は出来ないだからこそ討伐対象だと言うのだ。


しかしアリシア達がアスナを元に戻せたら敵ではなくなる為討伐対象から解除されるのだ。


「あはっ私が元に戻ることなんてないから永遠に私はお前達の討伐対象だね?それに安心しなよ?お前達なんてすぐに皆殺しにしてやるから」


自分にはそれが出来る力がある。


だからこそアスナは迷わずエクシーズを皆殺しにすると言えるのだ。


「君を必ず討つ、絶対にだ」


「やってみろ、はぁ…アナスタシア様?帰りましょう?ここにいると手が滑ってあいつの頭を吹き飛ばしてしまいそうです」


「そうねぇ、魔力ダダ漏れですものね、それじゃまたね?司令さん、私を楽しませるおもちゃになってくれる事を期待するわ」


アナスタシアは手を振ると三人の大幹部を連れて去って行った。


「さてアリシア殿、言った通りだ、我々エクシーズとしてはこれ以上アスナを見過ごせん、討つために動く事になる、この決定をするくらいに彼女は殺しすぎている」


「ええ…仕方ない事だわ…」


「そして君達も彼女を取り戻す手立てが失敗したら彼女を討つために協力してくれ、君なら分かっているはずだ、ダメならダメで討たなければこのリング1はアナスタシアの物になってしまう事を」


「ええ…私達が準備している手立てが失敗したら協力する、そうするしかないのも私達も分かっているわ」


フィオの邪神化による魔堕石の管理権強奪これが失敗すればアリシア達には他に手がない。


そうなると自分達もアスナを討つしかなくなるのはアリシア達も理解していて覚悟をしているのだ。


「安心した、あそこまで罪を重ねた彼女を討てないと言った場合君を逮捕するしかなくなるからな」


討てないと言った場合エクシーズがアスナを討とうとした瞬間に庇う可能性が想定されるだからこそ返答次第ではアリシアは逮捕される可能性もあったのだ。


「安心して、もう一度言うけど私達も覚悟しているから」


「うむ、それでは君達は君達の活動を継続してくれ、明日の戦いは一先ず我々と協力してくれる世界の軍と共に行おう」


「ええ」


アリシアは転移して消えそれを見送った司令は明日の戦いのための準備を開始させた。


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