八話、アーリアとの修行
〔アイラメタリア〕
三人の大幹部が見守る中アナスタシアは二本目の柱の作成を行う。
「うふふ…はぁぁ!!!」
その悪の魔力が地面に向けて浸透し膨れ上がった瞬間二本目の柱が迫り出して来た。
「お疲れ様でした、アナスタシア様」
アスナは二本目の作成を行ったアナスタシアを労う。
「ふふっこの程度で疲れたりはしないのだけどね?さぁ帰るわよ」
「はっ」
アスナはアナスタシアと共に転移してアジトに帰還した。
〔ダークローズのアジト〕
翌日アスナはアーリアに呼ばれて彼女の元にいた。
「よく来たわ、アスナ」
アーリアは変わらずアスナを柔らかい顔で出迎え優しく髪を撫でた。
自分と同じ道を辿るアスナと言う少女はアーリアにとってはもう娘同然の愛おしい存在なのである。
「今日も修行を付けて下さるのですよね?」
「ええ、夫もアリシアの剣術をあなたから消し去れと言っているからね」
アナスタシアとしても右腕であるアーリアに次ぐ自分の左腕となったアスナにアリシアの要素があるのは気に入らない。
だからこそアーリアが使う剣技に切り替えさせようとしているのだ。
「アナスタシア様のためにも出来る限り早く、アリシアの要素を捨てなければなりませんね」
「ええ、だからこそ今日もそのための指導を行うわ、かかって来なさい」
アーリアとしては夫がゆっくりと柱を立てて行っているため残り二本が完成するまでにアスナからアリシアの要素を全て消し去るつもりだ。
「はい」
アスナはアーリアが放り投げた木剣を受け取ると構える。
「はぁぁ!」
アスナは自分を可愛がってくれているアーリアの想いに報いるためにも真剣な面持ちでアーリアに向かって行く。
「甘いわよアスナ!あんな女の指導を受けていただけはあるわね!」
アーリアから見れば人を倒すための剣技など甘い意味のない剣技であり殺す自身の剣技こそ意味のあるものだと思っている。
「急所を殴り意識を奪おうとするんじゃない、急所を斬り裂き敵に致命傷を与えて殺しなさい、あなたが誰のために戦っているのか常に考えなさい!」
「アナスタシア様のためです!」
今の洗脳され堕ち切っているアスナはアナスタシアのために戦う悪の戦士である。
そのアナスタシアのために戦うのであればアリシアの剣技を使っている暇はないのである。
「そうよ!あなたは私と同じく夫のために戦う戦士!そんなあなたに甘さなど必要ないのよ!」
「はい!師匠!」
剣士として優秀であるアスナはどんどんアーリアの剣技を吸収して行き自分のものとして行く。
最早その戦い方にアリシアの要素は少ししか残っていない。
「やめ、とても良いわ、今のあなたと戦った相手は苦しみながら死ぬ事になるでしょう」
アーリアは自分の指導を受けほぼ自分の剣技を引き継いでくれたアスナを嬉しそうに見つめる。
「うふふ、アナスタシア様に逆らう愚か者は苦しむべきですから、この戦い方はその点でも素晴らしいです」
急所を確実に斬り裂き敵を壊して殺す戦い方。
非常に邪悪な戦い方であるが今の堕ち切ったアスナには相応しいモノである。
「早速その剣技試してご覧なさい」
アナスタシアが指を鳴らすと捕らえていた一人の男が召喚される。
その名はキール。
アイラメタリアにあった国の将軍の一人である。
彼は指揮をして自分の国を滅ぼした女であるアスナを見ると睨み付けた。
「貴様!!!!!」
キールは怒り狂いながら斬りかかって来る。
アスナはその剣を受け止めてからクスクスと笑った。
「ああん…お熱いお誘いだね?」
アスナは楽しげな顔を見せ男の攻撃を全ていなす。
「貴様だけは絶対に殺す!」
男は自身の国の敵討ちのためにもアスナを殺そうとする。
しかし圧倒的な強さを持つアスナに敵うわけがないのだ。
「あはっ…」
アスナはキールの横振りの斬撃を避けると素早い回し蹴りを放った。
「あがっ…」
その一撃で左腕がへし折れる。
アスナは敵の骨を砕いた感触を心地良く思い頬を赤く染めた。
「あはっあはは!!!!!!さぁ!壊して痛め付けて殺してあげる!!!!!!!」
「く、くそぉ!!!!!」
キールは絶望的な力の差に冷や汗を掻きつつも自身の国の敵討ちのためにアスナに向かって行く。
数分後アスナは満足気に壊して痛め付けて殺した男の死体を踏み付けていた。
「まぁまぁ楽しめたよ?ただ死ぬのが早すぎだね?」
そう言って死体を蹴り飛ばしたアスナはその邪悪な魔力で死体を消し去った。
「良く出来ました、流石は私の弟子だわ」
アーリアとしてもその戦い方は納得の行くものである。
今の戦いの中でアスナは完全にアーリアの剣技にへと切り替える事を完了させたのだ。
最早アリシアの教えなどアスナの戦い方の中には一切ない。
「私の戦い方と剣技を完璧に引き継いでくれたけどそれで終わりではない、その技を昇華させていかなくてはならない、だから私の指導はまだまだ終わらないわよ?アスナ、私の弟子として今後もついて来なさい、そうすればあなたは夫の役に立つ事がもっと出来るようになるわ」
「はい!師匠!」
アスナはアナスタシアのためにも嬉しそうにアーリアの指導を受けて行く。




