五話、洗脳解除からの再洗脳
〔ダークローズのアジト〕
アナスタシアは次の柱の建設をする気にならないようでアスナ達が作ったこの城でのんびりと寛いでいる。
そんなアナスタシアであるが自身が作った悪の存在で最高傑作であるアスナの強化に余念がない。
それはこの少女を強くすればするほどに自身の野望の完遂が確実なものとなるからである。
だからこそアスナに様々な任務を行わせてその精神を更に悪に堕として行き身体の強化もカプセルにより日々行っている。
そしてこの日行うのは精神面を更に悪に堕とすための工程である。
「よく来たわね、アスナ」
研究室にいるアナスタシアの元にアスナがやって来た。
「また私の身体の強化ですか?」
「今日はもっとあなたの心を悪に染めてあげるわ」
アナスタシアは楽しげな顔で今から行う工程をアスナに告げた。
「あはっ、ありがとうございます」
自分が悪に染まれば更にアナスタシアの役に立てる。
そう思うアスナは嬉しそうな顔を見せる。
「それじゃ始めるわよ」
「はい」
アスナはどんな方法で自分を更に染めてくれるのだろう?と期待した顔を見せた。
しかしこれから行う事が非常に残酷なやり方である事を知っているアナスタシアは邪悪な笑みを浮かべた。
そんな顔を見せるアナスタシアがアスナの額に指を触れさせるとアスナは一瞬ポカンとした後に頭を抱えた。
「わ、私…」
アスナは蹲り絶望した声を出す。
「うふふ、どうしたのかしら?アスナ」
アナスタシアはアスナに何が起こっているのか理解しているためニヤニヤと笑う。
「私…なんて事を…」
アスナの洗脳はアナスタシアの手によって解かれた。
魔瘴石や魔堕石はアナスタシアが作り出した魔人及び魔怪人製造装置だ。
その生みの親であるアナスタシアならば対象の洗脳をいつでもオンオフ出来るのである。
「あら?全部あなたがやった事じゃない、うふふ、あなたが数え切れない程の人間を魔人に堕としたり殺したりして来たのよ?」
アナスタシアは楽しげな顔でアスナを追い込む。
こうする事で洗脳状態に復帰させたアスナの精神を更に悪に染めるつもりなのだ。
「私は自分でこんな事をしたいって思った事はないよ!」
アスナは震えながらアナスタシアを睨み自分の意思ではないと言う。
「最低ね?あれだけの人数を堕として殺しておいて」
「ッ…」
アナスタシアの言葉にアスナは俯く。
アスナは自分がやった事を全て覚えている。
だからこそアナスタシアに対し言い返す事が何も出来ないのだ。
「あなたはもうこちら側の存在よ、悪の存在なのよ、あなたは、だから認めなさい、悪の存在として永遠に私に従うと、そうすれば何も怖くはないし何も辛くはないわ、私には分かってるわよ?今のあなたが自分のした事で怖くて辛いと思っているのがね?」
「私は…」
アナスタシアは震えるアスナを見て邪悪に微笑みながら抱きしめた。
「私とアイシアそしてアーリアだけがあなたの味方よ、他の者はあなたに怖い思いを辛い思いをさせる存在、そんな者達はあなたには必要ない、そうでしょう?アスナ」
抱きしめながらアナスタシアはアスナの耳元で囁く。
「本当にあなたに従えばこんな想いしなくて済むの?」
洗脳が解けている状態のアスナは虚ろな瞳でアナスタシアの言葉は本当なのか聞く。
「もちろんよ、約束するわ」
「私…私はあなたに従います…」
そして洗脳されていない状態でもアスナはアナスタシアに従うと言った。
「うふふ、良い子ね?」
アナスタシアはアスナの髪を優しく撫で魔堕石による洗脳を再起動させる。
その瞬間アスナは一瞬意識を失うがすぐに目を覚ました。
「おはようございます、アナスタシア様、追加の調整ありがとうございました」
洗脳深度は更に深まりアスナは今の工程により更に邪悪な存在にへと堕ちた。
「良いのよ、あなたを更に良い子にするための工程なのだから」
「はい」
アスナはアナスタシアに一礼すると部屋から出て行った。
「うふふ、我ながら完璧だわ、最高傑作と言える存在を作り出す事で負ける事をあり得なくする、もう一人の私に足りなかった事を補い、私は勝つのよ」
アナスタシアは計画の完遂のためアスナの強化計画を更に練り始める。
今回の調整でアスナはアーリアの力すら超えました。
アナスタシアに次ぐ強さとなったのです。




