十六話
〔ダークローズ本部〕
ルミナの元での仕事を終えた翌日アスナとアイシアは次の大幹部メルティの元に来ていた。
「アーリア様から聞いておりました、お待ちしておりましたよ」
メルティは柔らかい笑顔で二人を出迎えた。
彼女が身に纏う魔瘴気はアスナやアイシアよりも濃いその理由は暗黒聖女は汚染に特化した能力を得るためである。
「メルティ、今日はどんな仕事をするの?」
アスナはメルティに今日の仕事内容について聞いた。
「ダークローズが侵攻前の世界、そこに赴いて水源を汚染します、魔瘴気を含んだ水を吸収するだけでも人間は弱りますからね」
メルティはこのような汚染を繰り返してダークローズが優位になるように導き侵攻を何度も何度も成功させるきっかけの一つとなっていた。
この汚染能力の高さも相まって下位大幹部の中ではメルティが一番評価が高い。
「なるほどね…」
アスナはリング1のダークローズの首領として自分も戦力として暗黒聖女を保有しているため同じように使うのはアリだなと思う。
「メルティ、少し待ってくれる?」
「はい、構いませんよ」
「ありがと」
アスナは念話でアイシャに話しかけ次の侵攻予定の世界の水源を周り汚染するように言った。
「終わったよ」
「それでは汚染作業に向かいましましょうか」
「うん!」
アイシアが元気に返事をしダークローズのやり方の中でも上位に食い込む悪どいやり方である汚染作業に三人は向かって行った。
〔ヘルマンテル〕
ここはリング2のダークローズが侵攻予定のヘルマンテルと名付けられた世界。
暗黒聖女の汚染作業は侵攻プロセスの第一段階として行われるのだ。
続いてルミナが魔瘴石を持たせた魔人達と共に政府組織などに勤める人間を魔人化させる作業をし最後はアーリアが軍を率いて侵攻を開始する。
このやり方は鉄板となっておりダークローズはアーリアが加入してからは侵攻に失敗した事は一度もない。
「まずはここを汚染しましょうか、アスナ?やってみてください」
「はーい」
アスナにとっては簡単な作業である汚染。
水に浸かったアスナは邪悪な魔力を放ち始めた。
「うふふ上手ですね、流石です」
「そりゃ私の奥さんだもん」
メルティが褒めるとアイシアは誇らしげに胸を張る。
妻が褒められると夫として嬉しいのだ。
「ふぅ、このくらいで良い?」
アスナが水源から出て来る。
水源はアスナが放った魔瘴気より更に邪悪な魔力である魔堕気により邪悪な魔力を放つようになっている。
ちなみにアスナの汚染よりも更にメルティの汚染の方が強力であるためアスナが魔堕気を使えるからと言ってメルティより汚染出来ると言うわけではない。
「上出来です、次の水源に行きましょう」
「はーい」
アスナ達は空を飛んで次の水源に向かう。
それからいくつもの水源を回って汚染を繰り返したアスナとアイシア。
メルティはその働きに感謝していた。
「よくやってくれました、一人だともう少し時間がかかるのでありがたいです」
メルティは重宝されているからこそ多忙であるため今日楽が出来た事を感謝して来た。
「うふふ良いよ」
「だね」
夫婦は微笑み同じダークローズの所属の者としてこのくらいの助け合いは当たり前だと言った態度を見せた。
「それでは最後に私の汚染を披露するとしましょうか」
「わぁ!楽しみ!」
「ダークローズ1の汚染を見れるんだね!」
二人はメルティの汚染を見れる!と喜ぶ。
「ふふっ、それでは早速」
メルティは目の前の最後の水源に身を沈めると邪悪な魔力を放ち始める。
その瞬間水源から強烈に邪悪な魔力が放たれ始める。
「わぁ…こんなの飲んじゃったら人間なんてまともに動けなくなっちゃいそう…」
「だよね、お父様とお母様もほんと邪悪な作戦考えるなぁ」
「あはっ、その作戦私も実行したんだけどね?」
「うふふ、そう言う作戦を躊躇なくやれるあなたって素敵だよアスナ」
夫婦は見つめ合うとキスを始める。
「あらあら」
一仕事終えたメルティは優しく二人の様子を見守り二人がキスを終えるとダークローズ本部に共に戻るのであった。




