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九話、エレノアVSエルダート

〔ハイビスダス王国〕


ハイビスダスから立つ前にアスナはエレノアを見ていた。


アスナはアイシアの上半身を吹き飛ばしたエレノアを徹底的に貶めるつもりである。


だからこそハイビスダスの騎士服を着ているエレノアの格好が気に食わないのだ。


「エレノア?その服、脱いでくれる?」


「はい」


アスナに命令されたエレノアは迷わず服を脱いだ。


「アイシア?」


「んー?」


そしてアイシアを呼び耳打ちする。


「あはっ悪い子だなぁ?まぁあなたをそうしたのは私なんだけど」


「ふふっそうだよ?責任取ってね?」


「取ってるでしょ?あなたをたっぷりと愛する事でさ?」


アイシアはそう言うとアスナの頬に手を触れた。


「あはっそうだね、それじゃやって?」


「ええ」


アイシアが手を振るうとエレノアの格好が変わった。


目を覆うバイザーに大事な所しか隠さないブラ下半身を覆うショーツも極小で手には黒い手袋のみ脚にはブーツを履いている。


その姿は正に奴隷戦士と言った格好だ。


「わぁ?エッチだねぇ?エレノア?」


ニヤニヤと笑うアスナはわざとらしくエレノアの格好の事を言う。


「ありがとうございます、アスナ様」


「…」


しかしエレノアは寧ろ嬉しそうにアスナに礼を言った。


別の反応を期待していたアスナは露骨に機嫌が悪くなった。


「こらこらこら!」


そしてアスナがエレノアを殺そうとしたのを察したアイシアがアスナを止める。


「私を愛してくれてるのは分かるけどさぁ!あの子これから利用し倒すんでしょ!?殺してどうすんの!」


アイシアはエレノアに聞こえない声量でアスナに対し怒る。


「そもそもアイツあなたの上半身を消し飛ばした糞野郎だし、死んで当たり前だよ」


「はいはいはい!愛してくれてありがとう!でもアイツは利用するんだから殺しちゃダメ!良い!?」


「分かった…」


アスナは殺意を収め頬を膨らませた。


「ふぅ…」


アイシアは怒ると止めるのが大変になったアスナの様子を見て心を邪悪に染め過ぎたかなと思う。


しかしこの容赦なく殺そうとする冷酷さや邪悪さもアイシアにとって好みであるためこのままで良いやと思い直した。


「それじゃ行くよ、エレノア、次の国を支配する」


「はっ!」


アスナはアイシアとエレノアと無数の魔人を引き連れ次の国に向けて転移した。



〔デトロア王国〕


デトロアにダークローズの魔の手が迫る。


上空に転移して来たアスナは侵攻を命じる時のゾクゾクした感覚を楽しみながら手を振るう。


これからこの国もアナスタシアの支配下になるのだと思うと興奮が止まらないのだ。


「侵攻開始、女を一人残らずアナスタシア様の配下としなさい」


「「はっ!」」


莫大な数となったリング1の魔人達が一斉にデトロア王国に襲いかかる。


同時に各地に潜んでいた魔人達も活動を開始しデトロア王国はあっという間にどうしようもない混乱状態に陥った。


「さぁ、あなたが言う強者エルダートだっけ?そいつと遊びに行こうか」


「はい、こちらです」


アスナは後は部下である魔人達に任せていれば勝てるためエルダートの元にエレノアに案内して貰う。




〔デトロア王都〕


魔人の侵攻が始まり燃え盛る王都。


アスナはその様子を見て嘲笑いながら王城に降り立つ。


すると大男が攻撃を仕掛けて来たがアスナは指先でその攻撃を止めた。


「お前がエルダート?」


「そうだ、悪しき者よ、お前がこの世界を侵攻している者の首領であると知っているぞ!」


エルダートはアスナを押し切ろうとするがアスナはため息を吐くと指を鳴らす。


するとエレノアが飛びエルダートを蹴り飛ばした。


「あなたの相手をするのは私よ、エルダート」


エレノアは漆黒に染まった剣を引き抜きエルダートに向けて構えた。


「…何者だ」


エルダートはエレノアの格好を見て何者なのか分からなかった。


「あら?分からない?」


エレノアはニヤリと笑うと仮面を外し素顔を晒した。


「なっ!?エレノア殿!?」


エルダートはエレノアまで魔人になってしまったのかと思って驚いた。


「まさかあなたまで魔人になってしまっているとは…」


「うふふ、アスナ様に変えて頂いたのよ、本当に素晴らしい気分だわ」


エレノアはそう言いながら己の身体を撫で上げた。


「アスナ様は私があなたを殺す事をご所望なの、だから死んで貰うわ!エルダート!」


「くっ!」


斬りかかって来るエレノア。


その動きの速さは凄まじくエルダートはギリギリ受け止めれた。


「ぐぅ!」


「あら?あなたそんなに弱かったかしら?それとも私が強くなりすぎたのかしら!?」


エレノアは邪悪な表情を浮かべながら次々と斬撃を繰り出す。


アスナとアイシアは勇者と呼ばれた存在が堕ち切り自分達のために戦う様子を見て満足気な様子で戦闘を見守る。


「あはは!張り合いがないわね!エルダート!そんなんじゃ何も面白くないわ!」


エレノアはかつては自分と張り合えていたエルダートに対して一方的に追い込めているこの状態が楽しくて楽しくて仕方がないと言った様子だ。


この力を与えてくれたアスナに感謝しながら攻撃を仕掛けて行く。


「くっ!正気に戻ってくれ!エレノア殿!!!!!!」


「私は正気よ!ダークローズに従うと言う新たな道を見つけたのよ!あはっあはははは!!!!!!」


堕ち切った様子を見せるエレノア。


エルダートはもう彼女を救う事は出来ないと思い殺すと心に決めるがその前にエレノアはエルダートの懐に潜り込んだ。


「楽しかったわよ、エルダート、でも…」


エレノアが横目でアスナを見るとアスナが飽きたから殺せとジェスチャーで示していた。


それに頷いたエレノアはエルダートの首目掛けて飛ぶ。


「アスナ様があなたを殺せとご所望なの、だからこれで終わりね?」


エレノアが振るった斬撃は一撃でエルダートの首を斬り飛ばした。


斬り飛ばされて落ちたエルダートの顔は絶望した表情のまま止まっている。


「お待たせ致しました、アスナ様、お楽しみ頂けましたでしょうか?」


「まぁまぁ、お腹すいたから食事を用意させて」


「はっ!早急に!」


アスナはエレノアが去ったのを見送った後アイシアと共に玉座に向かう。


「貴様ぁ!」


王はアスナに斬りかかって来るがアスナはつまらなさそうに剣を振るい王を軽く殺した。


「良い椅子と机があるね、ここで夕飯を食べよ?」


「ふふっそうね」


二人の少女は外で街が燃える中のんびりとエレノアが夕飯を運んで来るのを待つ。

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