四話、完全に洗脳が解けなくなるまで洗脳は続く
〔ダークローズ本部〕
ダークローズ本部にある研究室。
アスナをアーリアと並ぶ戦力にしたいアナスタシアはアスナの調整に手を尽くしている。
日々自分に次ぐ戦闘能力を持つアーリアに鍛えさせ時間がある日はアナスタシア自身が教えを説きそしてカプセルを使った強化も行うのだ。
今日はカプセルを使った強化を行っている。
「お父様はアスナをお母様と同じくらいに強くするつもりなの?」
「ええ、現状の戦力でも私の勝ちはほとんど揺るぎない状態と言える、それでも私は油断をしないわ、確実に勝てる状態に持って行く、この子アスナはその為のラストピースとなる子よ」
「ふふっ、お父様がアスナが完成したと確信出来るようになったら私達の負けはほとんどゼロになるんだね」
「そうよ」
アナスタシアは娘の言葉に満足気に頷いた。
「それで?今日は何をしているの?」
アイシアは昨日の改造メニューについて父と母に聞く。
「より洗脳深度を深める事と身体改造の続きね、洗脳が深まり精神が邪悪に染まれば染まるほどに魔怪人としての力を発揮出来るようになるわ」
アーリアは自分にも施された工程である為懐かしいなと思いつつ答えた。
「そっか、うふふ…アスナがもっともっと悪い女の子になるのは私としても楽しみだよ」
アイシアはアスナの洗脳が更に深まると聞き嬉しそうな顔を見せた。
「洗脳工程は脳に負荷が掛かるから魔堕石でベースを作った後はゆっくりとしか行えなくなるのよねぇ…」
魔堕石での洗脳は説得しても洗脳が全く解けないくらいの深度に持って行く事が出来るが。
それ以降のアーリアの状態のような洗脳を完全に解く事が出来ない状態にするには機械を使った洗脳でゆっくりと行って行くしかない。
アーリアの時も二、三ヶ月を掛けてその状態とする事が出来た。
アスナの現状は説得ではもうどうやっても洗脳が解けないが魔堕石を破壊すれば洗脳を解く事が可能と言う状態なのだ。
しかしそれも魔堕石が脳に寄生していて破壊すれば脳が破壊されてアスナが死ぬと言う状態でアナスタシアらしく保険を掛けてあるのがアリシア達的には厄介だ。
つまり現状でもアリシア達には成す術がないと言う事である。
「この工程が終わればもう洗脳は完全に定着しもし奴等が魔堕石を破壊したとしてもこの子は我々の味方のままとなるわ」
「それでも奴等は諦めないでしょうねぇ?本当に愚かだね、もうアスナは永遠に私達の物なのに」
「ふふっそうね」
親子は邪悪に笑い合う敵に希望などもうないのだと思って。
しかしダークローズには明るい未来しか見えて来ない。
「魔堕石を安全に破壊する方法なんて見つかるのかな?」
「そうねぇ…ないとは言えないわ、この世界は何が起こるのか分からないものだしね」
絶対にないとは言えないのが世界と言うものなのだ。
「そっか、まっ可能性は低いんだしどうでも良いや」
アイシアはそう言うとアスナを起動させる。
「ふぁ…おわったの?」
目覚めたアスナはあくびをしながらカプセルから降りて来た。
「気分はどうかしら?アスナ、何か不調はない?」
アナスタシアは貴重な戦力であるアスナの身体を気遣う。
本人が言っているようにアスナは完全なる勝利のためのラストピースなのだそのためアナスタシアはアスナを大事にする。
「問題ありません」
アスナは身体を確認して何も問題はないと答えた。
「それなら良かったわ、まだ魔堕石を破壊されても洗脳が解けなくなる状態にするまでは時間がかかるからあと数回付き合って頂戴ね?」
「分かりました、ふふっ、早く完了して奴等に希望がないと伝えるのが楽しみです」
アスナは邪悪に笑う。
希望がないと伝えた時のアリシア達の絶望した顔を想像しているのである。
「あらあら?悪い子ねぇ?まっあなたをそう言う子にしているのは私達なんだけど」
「感謝しています」
アスナは邪悪に染まって行く自分を作ってくれているアナスタシア達に心から感謝した。
「構わないわ、私達の勝利のためでもあるんだから」
アナスタシアはアスナの肩を叩くと今日は下がるように言った。
アスナはそれを聞きアイシアと手を繋ぐとアジトに帰還する。




