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三話、何を言ってもアスナの心には届かない

〔レイアール家〕


アリシア達はアスナの体内から魔堕石を消し去る方法について模索していた。


「やはりオーバーロードの力、それしかないわよね」


「ええ」


オーバーロードの力。


それが変異すれば魔堕石すら安全に消し去る能力を得れるかもしれない。


現状はアスナから魔堕石を取り除いたらその瞬間に魔堕石はアスナの脳と心臓を破壊して殺す。


つまり悪事を働くアスナに対して止めようとする事は出来ても救おうとする事は出来ないのだ。


「あはっ、まーた無駄な作戦会議してるの?」


そうしているとアスナがやって来た。


目的はもちろん挑発をして嘲ってアリシア達を揺さぶる事である。


「無駄じゃないよ、お姉ちゃん、私達は本気でお姉ちゃんを元に戻すつもりだから」


フィオはアスナに刺されたりしても心が折れる事はない。


過去救ってくれた姉に恩返しする為に姉を救う為に動いているのだ。


だからこそ悪に堕ちた姉に対しても怯まず立ち向かう。


「ふふっ、そんな方法ないのに?魔堕石は私の心臓と脳に寄生してる、つまり取り除けば私は死ぬの、お前達もしかして私を殺そうとしてるの?」


今のアスナにとっては魔堕石を取り除かれれば死ぬためアリシア達が自分を殺そうとしているとしか考えられないのだ。


「そんなつもりはないです!」


セシィは自分達の思いを分かって欲しいため必死になってそんなつもりはないと言うがアスナの表情は非常に冷たい。


「口ではどうとでも言えるよね、魔堕石を取り除かれたら死ぬ時点でそれをしようとしてるお前達を信じるわけねーだろ」


アスナはそう言うとアリシア達を睨んだ。


「とにかくさぁ?さっきも言ったけど無駄な事しないでくれる?私はね?幸せなの、アイシアが毎日愛してくれてアナスタシア様は私を重宝してくれる、そしてアーリア様も私を強くする為に鍛えて下さっているの、ふふっ今の私はね?お前達といた頃より幸せなんだぁ…」


アスナは本気でそう思っている顔をアリシア達に見せる。


「くっ…」


その表情を見てアリシア達には否定する事は出来なかった。


「それでも私達はあなたを救おうとすることを辞めはしないわ」


アリシアはアスナの瞳をしっかりと見て必ずアスナを救うと言った。


「ウッザ、ここまで言って諦めないなんてどうかしてるよ」


アスナはそう言った瞬間に消え次の瞬間にはアリシアと剣を交えていた。


「反応するんだぁ?少しは私と戦う時に力を出せるようになったって事?早く本気出せよ、力を出せないお前と戦っても何も面白くないの、本気を出せてないお前を殺しても何も面白くないからさぁ?そんなんじゃお前を殺せないんだよね」


「くぅ!」


アリシアは思うどれだけアスナが可愛くても救う為には倒して捕らえるしかない。


そして今は倒しても救う方法がない為意味がないがそれでも倒してアスナの悪事を止めるそれが自分達のやるべき事だと。


だからこそ本気を出さなくてはならないと思う。


「はぁぁ!!」


だからこそアリシアはアスナを傷付ける事を覚悟して本気を出した。


「あはっ!!それで良いんだよ!私を楽しませて!」


アスナはアリシアが本気を出した事に歓喜し打ち合い始めた。


アーリアの指導により戦い方が変わったアスナは相手を壊す為の戦い方をする。


アリシアはその変化を悲しく思いつつもアスナを止める為に剣を振るうがかなり力を増しているアスナはアーリアを上回る。


「フン」


アリシアの突きを逸らしたアスナは懐に潜り込むと腹に剣を突き刺した。


「くっ…」


「ふふふ、凄いでしょお?お前にも勝てるようになったの、アナスタシア様やアイシアのおかげでね?本当にこの身体になって良かったよ」


アスナはそう言いながら邪悪に笑うとアリシアから剣を引き抜く。


「今日はこれで終わりにしてあげる、簡単に殺したら何も面白くないもの、何度も何度も痛め付けてお前の心が折れたその瞬間に殺してあげるから楽しみにしていてね?」


アスナは冷たく言うとアリシア達に背を向けて去って行った。


「お婆ちゃん!大丈夫?」


フィオが刺されたアリシアに駆け寄った。


「大丈夫よ」


アリシアは怪我なんかよりも何も言ってもアスナの心に届かないそれが悲しいそう思うのであった。

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