十九話
〔ダークローズ本部〕
アスナはアナスタシアの元にやって来ていた。
「ふふっ何か用かしら?」
大きな椅子に腰掛ける邪神はアスナに用件を聞く。
「私はあなた様に忠誠を誓いあなたのためにこの身を捧げると誓っていますが、あなたの目的を知りません、ですからお教え下さりませんか?」
アスナはアナスタシアの目的を聞く為彼女の元にやって来たのだ。
「あらそう言えば言ってなかったわね、ほら人間って愚かでしょう?」
「はい」
アスナはアナスタシアが人間が愚かだと言うと迷わず同意した。
「争ってばかりで本当に醜い、だからこそ、全ての人間を魔人として私の管理下に置き、真なる平穏な世界を作り出すつもりよ」
アナスタシアの言葉を聞いたアスナは彼女の手を握る。
「あぁ…なんて素晴らしいお考えなのでしょう…愚かな人間共を魔人化させる事でお救いになっていたなんて…本当にあなた様は素晴らしいお方です…」
「うふふ、聞くまでもないけど力を貸してね?アスナ」
「もちろんです…」
「うふふ、良い子ね、さてと今日は気分が良いし久し振りに私が動こうかしら、アスナ?着いて来なさい、アーリアとアイシアも一緒に」
アスナがアナスタシアを心酔している様子を満足気に眺めていたアイシアは呼ばれて父に駆け寄った。
「お父様?今日は何をするの?」
「んー最近侵攻してる世界があるでしゃ?もうほとんどの人間が魔人化してるのにいつまで経っても諦めない愚か者達がその世界に残っているの、そこをまだ侵攻していない世界への見せしめのために滅ぼすわ」
リング2に無数にある世界を大量にその支配下に置いているダークローズであるが広大な世界全てを支配出来ているわけではない。
その為現在進行形で侵攻中の世界が複数あるのだ。
「ならアスナにやって貰おうよ!まだアスナの本気の攻撃見てないし!」
「ふふっ良いわね、私も本気のアスナの攻撃力を見てみたかったし、と言うわけでアスナ?あなたに攻撃をお願いするわ」
「はっ!承知致しました」
アスナは忠実に最後に残る国への攻撃を引き受けた。
「ふふっそれじゃ行きましょう?ご主人様」
「ええ、アーリア」
アナスタシアは差し出されたアーリアの手を取ると二人の大幹部も引き連れて転移した。
〔メロロメルウ国〕
周りの国が全て魔人の国となった状況でどうにか抗おうとしているメロロメルウ国。
その国の遥か上空にアスナ達は現れた。
「それじゃあ早速お願いするわ、アスナ」
アナスタシアは任せたわよとアスナの肩を叩いた。
「愚か者共を殲滅する大役をお任せいただき光栄です、アナスタシア様、それではご覧くださいませ、愚か者共が全滅する瞬間を」
アスナは下に見える国を見て邪悪な笑みを浮かべると手を頭上に掲げ魔力を溜めて行く。
「あはっあははは!!!アナスタシア様に逆らう愚か者共は全員死ねぇ!!!!!!」
アスナは巨大な魔力を振り下ろした。
放たれた巨大な魔力は猛スピードで地面に向かって行き地面に着弾すると大爆発を起こす。
「素晴らしいわ…」
アーリアはアスナの力を見て完全にこの少女を手に入れたのは正解だと思うようになった。
「ふぅ、我等の支配下の国を滅ぼさないように調整して放ちました、愚か者共は全滅したはずです」
アスナは振り返りアナスタシアの為に国を滅ぼした事に対して誇らし気な顔を見せつつ言った。
「よくやってくれたわ、アーリアが言ったようにあなたの力は素晴らしい、あなたを迎えられた事、嬉しく思うわよ、アスナ、これから永遠に私のためにその力を使い戦いなさい」
「もちろんでございます」
アスナは胸に手を当てながらアナスタシアに向けて頭を下げる。
その忠誠心は限りなく高い。
「どこかの国に行って夕食を食べましょうか、素晴らしい仲間を手に入れた祝いをしなきゃね?」
アナスタシアは三人を連れて近くの国に行き。
アスナと言う強力な魔怪人を手に入れた事に対する祝いを行った。
〔ダークローズ本部〕
夕食を食べた後アナスタシアは玉座に戻っていた。
「さて、さっきの力を見て決めたのだけれど、アスナ、そしてアイシア、あなた達にはリング1の侵攻任務だけでなく、リング2に残っている世界の侵攻作戦も任せるわ、良いわね?」
複数の任務を任せるのはアナスタシアがアスナを信頼し重宝すると決めた証拠である。
今のアスナはアナスタシアから相当に高い評価を受けているのだ。
「お任せくださいませ」
アスナはいつも通り胸に手を当てて頭を下げリング1に残る世界の侵攻任務も引き受けた。
「それじゃ今日はもう下がりなさい、侵攻任務を任せる時は私が念話で直接依頼するわ」
「分かりました」
アスナはアイシアと手を繋ぐとアジトに帰って行った。
「改めてあの子を手に入れたアイシアの行動は正解だったわね?アーリア、素晴らしい戦力だわ」
「そうね」
アナスタシアとアーリアは暫くここで話した後寝室に入って行った。




