十六話、アスナVSアリシア
〔客船〕
アイシアと四人の幹部が見守る中。
アスナとアリシアが剣を斬り結んだ。
「あなたとこんな風に剣を合わせることになるなんて…」
「あはっ、これもアイシアに選ばれたお陰だね?この手でお前を殺せるんだもん」
アスナは邪悪な笑みを浮かべるとアリシアの腹に蹴りを叩き込む。
「ぐぅ!」
アリシアはその一撃を受けて前のめりになりアスナは髪を掴むとアリシアを地面に叩き付けた。
「はぁぁ!」
倒れた状態から剣を振り上げるアリシア。
アスナは余裕で避けると横振りに剣を振るった。
アリシアはしゃがんで避けアスナの首元に剣を突き付けた。
「あなたを鍛えたのは私よ、アスナ、いくら強くなっても…」
自分なら勝てる。
そう言おうとしたアリシアだがアスナはニヤリと笑いその身から魔力を放出した。
「私なら勝てるってぇ?無理に決まってるじゃん、私は魔怪人になって強くなったんだから」
アスナはそう言うと連続して斬撃を放つ。
アリシアは押し込まれ下から放たれた斬撃で腕をはね上げられる。
アスナはアリシアの懐に潜り込むと首を掴んで彼女を押し倒し首に剣を突き付けた。
「いくら私が強くなったとしても弱すぎ、何手を抜いてんの?私相手じゃ本気を出せないって事?」
アスナは明らかに本気を出せていないアリシアを見て怒った顔を見せる。
「せっかくお前と遊べると思ってお前を怒らせるためにこんなに殺したのにこれじゃ台無しじゃん、どうしてくれんの?」
アスナはこれでは楽しめないと機嫌が悪そうな顔を見せた。
「小さい頃から私はあなたを見て来たわ、だからこそあなたが可愛くて可愛くて私は仕方がないの…そんなあなたを傷付ける事は私には出来ない…」
「フン、ならお前が本気を出せるようにもっともっと人間を殺してあげる、そうしたら私と本気で戦ってくれるでしょ?」
「やめて…」
「やだ、私はね?本気のお前と戦って殺したいの」
アスナはそう言うとアリシアの首から手を離し離れた。
「今日はこれくらいにしておいてあげる、さっさと殺したらお楽しみがすぐに終わっちゃうからね、ほら?フィオ?セシィ?こいつを返してやるよ」
アスナはアリシアを二人の妹の方に蹴り飛ばした。
「お姉ちゃん…正気に戻って…」
セシィが蹴り飛ばされたアリシアを受け止めフィオは涙を流しながら元に戻って欲しいと言う。
「残念ながら私は正気だよ?フィオ、アイシアに作り変えて貰った今の私こそ本当の私なの」
アスナはフィオに顔を近付けるニヤリと笑いながら今の自分こそ本当の自分だと言った。
フィオはその光のない瞳を見て元の姉とは別人だとしか思えなかった。
「違う…お姉ちゃんは優しくていつも笑ってて…それがあなたでしょ!」
「それは偽物の私、これが本当の私なの、何度も言わせないで」
アスナはフィオに冷たく言うと背を向けた。
「アスナ〜そろそろ帰るよ〜」
アイシアは飽きたのか帰ろうと言う。
「はぁい、ふふっあなたともその内遊んであげるよ、フィオ、そして気が向いたら殺してあげる」
そう言ったアスナは一瞬で動きフィオに剣を突き刺した。
「あっ…うう…」
フィオは痛みに耐えきれず力なく倒れた。
「あはっ、その程度で済んだことに感謝してろ」
説得しようとしていたフィオに苛立っていたアスナは冷たく言うと甘えた様子でアイシアに抱き着く。
アイシアは抱き着いて来たアスナの下半身に手を滑らせアスナはその手の動きに身を震わせて喜んだ。
「楽しめた?」
「んっふっ…んー…アリシアが弱すぎてイマイチ、早く帰ろ?」
アイシアの手の動きに身を震わせつつアスナは早く帰ろうと言う。
「ええ」
アイシアは楽しめなかったと言うアスナの言葉を聞いて彼女を慰めるために手の動きを強めた。
アスナはその手の動きに嬉しそうな顔を見せアイシアにもたれかかりながらアジトに帰って行った。
「フィオ…大丈夫?」
「急所は外せたから大丈夫よ、でも早く治療しなきゃ…」
「ええ…」
アスナに敗北したアリシアは二人の孫娘を連れてレイアール家に帰還する。




