十五話、邪悪すぎる行い
〔客船〕
客船の上空にダークローズの二人の大幹部と四人の幹部が浮かんでいる。
「さぁ、みんな?お楽しみの時間だよ?」
アスナが指を鳴らす。
すると四人の幹部達は手柄を立てアスナに褒めてもらうために我先にと客船に向かって行った。
「うふふ、あの子達ご褒美を期待してるみたいだよぉ?どうするの?アスナ」
「ふふっ、一番働けた子にあげるかも、ね?」
アスナはそう言いながらゆっくりとアイシアと共に客船に向けて降りて行く。
船に近付けば近付く程今のアスナにとっては聴き心地の良い音色となる人間の悲鳴が聴こえて来て自然のアスナの口角は邪悪に吊り上がった。
「うふふ、今のあなた凄く可愛い顔をしているね、ここじゃなければキスしちゃいたいくらい」
「?しないの?」
アスナは別にここでもキスをすれば良いじゃない?と首を傾げた。
「ふぅん?あなたがそう言うなら」
アイシアはアスナを抱き寄せると唇を奪う。
そうしているとこちらを見つけたらしい客船の警備兵が撃って来た。
「私のアスナとのキスを邪魔するなんてとんだ無礼者だね?」
アイシアは邪魔をして来た彼の頭を魔法で撃ち抜き消滅させた。
「あはっ…アイシアったら本当に素敵…」
アイシアの殺し方を見てアスナは頬を赤らめ腕に強く抱き着いた。
「さぁ着いたよ、お楽しみの時間だ」
「そうだねぇ?うふふ…」
アスナは剣を呼び出し手に握るそして逃げ惑う要人達やなんとか魔人を倒そうと奮闘する警備兵達を見据えると斬り掛かった。
「あはは!死ねぇ!!」
アスナは楽しげな顔でそしてこの行いが楽しい時点で非常に邪悪な心を持つ事を証明しながら次々と警備兵を殺して行く。
「いきなりお熱いねぇ?」
アイシアは楽しげに殺すアスナを見てクスクスと笑う。
「だってぇ?こんな楽しい事他にないでしょう?」
「そうだね」
アイシアも向かって来る敵を見据えると次々と魔法で頭を撃ち抜いて殺す。
「ひぃ!」
そうしていると逃げ道を間違えた要人がアスナとアイシアを見て尻餅を着いた。
「あはっ…」
アスナはそれを見てニヤリと笑うと血が滴り落ちる剣を地面に滑らせながらゆっくりと近付いて行く。
今まで捕らえられた者を殺せと命令されたりエミーに殺させたりと非戦闘員を自分の意思で殺した事はないアスナ。
非戦闘員を殺す事それがどれほど罪深い事なのか理解している魔怪人は今からする自分の行いを想像すればするほどに口角が吊り上がって行くのを実感する。
「ふふっふふふ…あはっ…あはははは!!!!!!」
高笑いをしながらアスナは剣を振り下ろした。
その一撃で要人の首が飛びアスナは初めて非戦闘員を殺した。
「ふふっよく出来ました」
アイシアは背後からアスナの様子を見ていた。
これで殺せないようなら再調整が必要だと思っていたが問題はなさそうだと判断する。
洗脳は完璧に成功しておりアスナの心は邪悪に染まりすぎているくらいに邪悪であるのが確定したのである。
何故なら楽しみながら非戦闘員を殺して見せたのだから。
「うん」
アスナはニヤリと笑うとアイシアと共に戦闘員も非戦闘員も次々と殺す。
暫くして静かになった。
六人のダークローズの幹部による人間の殲滅が完了したのだ。
「みんなご苦労様」
アスナは頑張ってくれた四人を労う。
「いえ、アスナ様のご命令ですから」
エミーは片膝を着きながら魔人として当たり前の事をしただけだと示す。
「アスナ!!」
そうしているとアリシアの声が船内に響く。
アリシアがフィオとセシィと共に現れたのだ。
「あなたは…自分が何をしたのか分かっているの!?」
アリシアはアスナに近付くと肩を掴み言う。
「分かってるよぉ?この船に乗ってる人間を殲滅したの、それで?魔怪人である私がそれをして何か問題があるの?」
アスナは邪悪な笑みを見せつつ自分の行いは魔怪人として何も間違っていないと言った。
「…そう、ならあなたを倒して元に戻しその罪を絶対に償わせるわ!」
「フン、雑魚のくせに私に勝つ事なんて出来ないくせに、良いよ?遊んであげる、アイシア、そしてあなた達?こいつは私の獲物、邪魔しないでね?」
「はっ」
「りょうかーい」
四人の幹部は頷きアイシアはソファに脚を組んで座る。
「さぁ?遊んであげる、どこからでも掛かって来て良いよ?」
アスナは腕を広げ掛かって来いと示す。
「その余裕、すぐに崩してあげるわ!」
怒るアリシアはアスナに向けて斬りかかり悪に堕ちた少女と世界を守りし者の戦闘が始まった。




