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9話 そんなことより

 やばい、思ったよりやばい。これは明らかにやっちゃいましたって感じだ。でも、まあ子供だからしょうがないでごまかすしかないし。実際こっちは、ここまでなるとは思わなかった。でもまあ、なってしまったものはしょうがないと思う。実際しょうがない。


「す、すごいですね」

「これは何と言っていいか・・・」

「・・・」


 みんなやはり言葉が出ないような感じであるな。まあ、目の前で起こったことがあまりにも衝撃的だしな。


「あれですかね。私は見たことそんなにないのですけど、雷に似ているような気がします」

「そうですね、私の目から見てもあれは雷ですね。あれは・・・」

「雷は大体人に当あたるとまずいですからね。大体跡形もなく無くなってしまいます。これはしっかりコントロールできるものにしないとまずいですね。ただ、まあ使わないという選択肢にもありますね。これを教会の本部に伝えれば間違いなく教会の管理下になります。軍事にも利用される可能性がありますし、異端認定されれば処刑なんかもあるかもしれません。うまくいけば英雄の類にもつながりますが・・・。氷の勇者とは危険度が全く違うでしょうね。何より発動してから発生するまでの時間が短すぎるため、他の魔法よりはやく相手に届くのが問題ですね。これを、避けるのは至難の業ですね」


 あれ、私はかなりの危険認定されてる?それは困るな。まだこの世界に来て5年なんだけどな。もう少しいろいろなことをやりたい。なんせ、まだこの世界をちゃんと見ていないしな…。

 どうにかならないか。


「これは絶対に伝えるわけにはいきませんね。こんなことが知れてしまえばエランさんの未来は決まってしまったようなものですから。今回のことは絶対に広めないようにいたしましょう」

「そうですね。それでやっていきましょう。正直息子がここまでの力を持っているとは思いませんでした。これは特性だけではなく魔力量も通常の人よりはるかに多いと思いますし。せめて広まるにしてもしっかりコントロールできるようになってからにしたほうがいいです。なので訓練は必ず必要です。もちろんこれは私たちの住んでいる森で行います。人目に付くわけにはいきませんので。ただ、私はある程度のことしか説明ができませんね。この特性についてどう想像すればいいのかが私にはわかりませんので」

「まあ、エランさんでしたら大丈夫だとは思いますが。利発的な方で何に関しても動揺してるような感じがありませんので。それに物事の理解力も普通のことは違いますので」

「そうですね」


 うん、大丈夫だと思う。中身は33歳だし。


「大丈夫です。訓練してしっかりコントロールできるようにしていきます。ただ基本的なことだけは教わっておきたいですね」

「アイリスさんのほうが教えるのは良いと思います。私たちは基本的に生活魔法以外に使えないのと特性が1つしかありませんので。訓練もそんなに難しいものではありませんでした。アイリスさんは特性が3つあると聞きしましたのでコントロールの訓練はしっかりやられていると思いますので」

「そうですね。想像力はエランにお任せするしかありませんが、コントロールを教えるだけでしたら私には可能です。ただこの子が相手だと私の役目もすぐ終えそうな気がしますが。なんでか知りませんが、この子はもう字が読めるんですよ。私は少ししか教えていないのですが・・・」


 シスターたちが驚愕の目でこちらを見てくる。

 

「私、覚えたのここに来てからなんですが・・・」

「すごいですね。これは優秀というよりは天才ですね。普通ではありえないことだと思います。私の知る限りですが5歳で字を読める子なんていません。読めるということは書けるということにもつながると思います。将来がどうなるのかすごく気になりますね」

 

 まあ、普通の平民の家に本なんかは置いてないだろうからな。本より食べるもののほうが大切だろうから。読み書きもある程度年齢が言ってから覚えることも多いと聞いたことがあるし。

 それよりも・・・


「母さん、僕は頑張ってやるから・・・そろそろご飯にしないかな?」


 みんながいろいろ考えている中私はその発言をする。

 するとみんな溜息を吐き・・・


「そうね、ご飯にしましょうか」


 と、母さんはにっこりとしてこっちに言う。


「メルさん、私はこのことは絶対にしゃべりません」

「当たり前です」


 シスターたちはそんなことを言っている。


「母さん早く!お腹すいた!おじさんもあと半刻ぐらいで来るんじゃない?」

「そうね。では教会の横の草原をお借りししましょう。メルさんよろしいでしょうか?」

「構いません。アルネ、私たちもそろそろご飯にしましょう」

「はい、では作ってきます」


 ふむ、シスターたちもご飯にするらしい。

 それなら、


「母さん、シスターたちとも一緒にご飯を食べようよ。サンドイッチ今日たくさん作ってたよね」

「ええ、シスターたちとも一緒に食べようと思ってたからたくさんあります。むしろ余るかもしれませんはね…。お二人いないとは思いませんでしたので」


 なるほど。それはあまりそうだな。

「いいのですか?」

「ええ、むしろ一緒に食べてもらわないとあまってしまいます」

「ではお言葉に甘えましょうか。アルネ、飲み物だけ準備いたしましょう」

「わかりました。しかし、アイリスさんのサンドイッチ楽しみです!」


 私も楽しみである。今日は特性のサンドイッチだし。

 そうして協会のへ戻っていく。



 母さんと私が先に教会隣の草原へ移動していき、あとでシスターたちが木製のコップにお水を準備して持ってきてくれた。

 母さんは、紙に包み人数分のサンドイッチを人数分分ける。

 ああ、よだれが出てきた。


「アイリスさんありがとうございます。とてもおいしそうなサンドイッチですね」

「今日はエランの祝いも兼ねてますのでちょっと工夫もしていますので」

「母さんの料理ははずれがありません。何食べてもおいしいです」

「エランちゃんのお墨付きが出ましたね。これは絶対においしいです!」


 アルネさん、よだれはたらさないでね?


「では、皆さん食べてください」

「「「いただきます」」」


 まずは、大きくかぶりつく。もう一日楽しみで仕方がなかったのだ。

 ああ、うまい。燻製肉に野菜の味、ハーブの香り、そして、おじさんのチーズが見事にマッチしている。お肉もそうだが、ハーブがいい量で邪魔をしていないのがわかる。チーズともマッチをしている。うまい。顔がとろけそうなほどだ。

 そう思って周りを見ていると・・・


「美味しい。アイリスさんは本当に料理がお上手ですわね。アルネ、私たちも頑張りましょう」

「メルさん、本当においしいですね。正直私はここまでの料理食べたことがないです。アイリスさんの子供になりたいです」

「アルネ、馬鹿なことを言わないでください」


 メルさんがため息をついてそういう。


 母さんはクスクス笑いながら「ありがとうございます」と言っている。

 さっきまではどうなるかと思ったが、今日も幸せを感じている。空も青くて空気もおいしい。このご飯はずっと記憶に残るだろうな。

 そう思いながら大きくもう一回かぶりついた。

評価等頂けましたらとてもうれしいです。

頑張って続けていこうと思います。

よろしくお願いいたします。

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