10話 努力します
「「「ごちそうさまでした」」」
「お粗末様でした」
母さんのサンドイッチは非常においしかった。草原で食べると格別だった。
メルさん、アルネさんもいい笑顔である。
「ありがとうございました。こんなにおいしいものを」
「ほんと、おいしかったですー!」
二人も喜んでおり母さんもうれしそうだ。
「母さん、おいしかったです」
「うふふ、ありがとう」
さて、食べたから変える準備だ。そろそろユリックおじさんも来るはずだからな。
あとは、私の今後をしっかり考えたほうがいいだろう。
どうすればいいのかなー・・・
「エラン、そんな顔しなくても大丈夫よ。今考えなくても、家でしっかり考えて対策を練れば問題はないわ」
母さんに言われて、笑顔で返した。
「さて、片付けしましょうか。もうすぐユリックさんがくるでしょうし」
「うん!」
そうやってまた笑顔で返す。
◇
「メルさん、アルネお姉さんありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそおいしいサンドイッチありがとうございました。アイリスさん、今後のことで相談等ありましたらいつでも伺いますので、またお待ちしております」
「ありがとうございます。そうですね、わからないこともありますし、よろしくお願いします」
「エランちゃん、頑張ってねー!」
「うん頑張るね!」
食事が終わった後移動をして今は教会の門にいる。ユリックおじさんがまだ来ないので待ってる状況である。
「では、私たちは仕事に戻らなければいけませんのでここで失礼しますね。アルネ戻りますわよ」
「はーい」
「返事は伸ばさない」
「はい!」
最後までアルネさんらしいな。
「では、失礼いたしますね」
「こちらこそ、ありがとうございました」
「またお願いします!」
「エランちゃん、またまってるわね!」
シスターたちが教会の中に戻っていく。いろいろありがとうございました。
「ユリックおじさんまだかなー」
この後は農場に行くのだ。久しぶりにアリッサちゃんと遊べるな。私より歳が二つ上の7歳だ。
元気いっぱいでいつも農場のお手伝いをしている。
土が顔について笑顔を向けてきたときにはすごくかわいかったな。
ただ、やんちゃすぎるところもあるけど…
そんなことを考えていると、馬車がやってきた。ユリックおじさんとタルクだ。
「おじさーん!」
手を大きく振ると、おじさんも振かえしてきた。
「母さん来たね!」
「そうね」
あ、でも、特性を聞かれたらどうしよう・・・どうこたえようかな。
母さんがどうにかしてくれるかな…?
そんなことを考えているとおじさんがもう目の前まで来ていた。
「おう、またせたね!アイリスさん、坊主!」
「大丈夫だよ、そんなに待ってないから!」
「ええ、大丈夫です。先ほどご飯を食べましたので」
「おお、そうだ、サンドイッチ美味しかったです!な、タルク!」
「ひひーん!ひひーん!」
「うふふ、お口に合ってよかったです」
そんなたわいのない話をしている。
おじさんの馬車の2台には荷物がなくなっており箱のみだ。行きより帰りのほうがタルクも調子がよさそうである。ほんと元気だ。
「さて、のってくだせえ。話は乗りながらでもできますから」
「ありがとうございます」
「おじさん、タルク、またお願いします!」
「おう任せとけ!」
「ひひーん!」
そういって馬車は出発した。
◇
「そういえば、坊主の特性はどうだったんだい?」
おっと、いきなりやってきたか難題が。まあ、予想としては当たり前だが。なんせそれが目的で教会に来たのだからな。
「実は…エランは珍しく特性がなかったのです。少しかわいそうですけど結果がそう出てしまったので・・・」
母さんがそういったのだ。下手に特性をごまかすよりないといったほうがその後の話とかもスムーズだしな。母さんの言葉に従おう。
「そうか・・・残念だったな坊主。でも、坊主は頭がいいから特性なんてなくても普通に生きていけるだろう!」
おじさんありがとう。そしてごめん。本当のことがしゃべれなくて。本当にごめんなさい。
「うん、特性がなかったのは残念だったけど、なくなったからって僕が僕じゃなくなるわけじゃないんだ。だから僕はその分努力をいっぱいして、特性がなくても生きていけるっていうことを、すごいってことを証明していくんだ!」
「おお、そうか。落ち込んでなさそうでよかった」
おじさんは私が落ち込んでいると思ったらしい。むしろ、後ろめたさのほうが強い。なんせ嘘をついてしまっているからな。成長して本当のことが言えたらいいなって本当に思う。
「まあ、坊主ならできる!俺が保証してやる!」
なんとおじさんの保証をいただいてしまった。おじさんありがとう。俄然やる気が出てきたよ。
隣では母さんが。笑いはせず真剣な症状をしていたが。そのあと笑顔になった。
「エラン頑張りましょうね。あと、ユリックさん、今日野菜も一緒に買わせてください。シチューにお美味しい野菜も使いたいので」
「アイリスさんわかりやしたぜ。いい野菜を見繕っておきます」
新鮮な野菜を使ったシチューだ。リクエストしてよかった夕飯が待ち遠しい。まだ昼を過ぎたあたりの時間だけど。
馬車に揺られながら空を見ていると気持ちの良い風が吹いてくる。その風は、不思議なことにいつもより体になじむように感じた。心地よく眠気が襲ってくる。何だろうか、風が私を祝福しているようなそんな風である。
「母さん、風が気持ちいいね」
「そうね、なんか眠気を誘ってくる風ね」
「そうだなー、こんな風が吹いてる時は草原でごろ寝したい気持ちになるな」
母さんもおじさんもやっぱりこの風は気持ちが良いようだ。
眠くなる風だ本当に。でも景色を見たいから絶対に寝ないぞ。馬車からの動いて見れる景色は楽しいからな。
「坊主、あと半刻はかかるからお昼寝しても大丈夫だぞ?」
「いや、この馬車から見れる景色って移動しながら見れるから好きなんだ。この景色が見れるのはタルクのおかげだよ。だからタルクが走ってくれる限りはねないよ。。タルクありがとう!」
「そうかそうか、タルクよかったな。荷台には最高のお客さんが乗っているぜ!」
「ひひーん!」
この何気ない会話が好きだ。空も青く、空気は気持ちよく、馬車はゆらゆら進んでいく。
評価等頂けましたらとてもうれしいです。
頑張って続けていこうと思います。
よろしくお願いいたします。




