7話 聖女アリアーダ
「今日お話しするのはこのアリアーダの石のおおもとになった聖女アリアーダさまのお話になります。この話は2000年以上前から教会で伝えられてきたお話です。エランさんは勉強の一環としてお聞きください。アンネ、あなたは復習の一環としますので質問を途中途中混ぜます。しっかり話を聞きなさい」
「は、はい・・・」
メルさんが先にアンネさんにくぎを刺したな。寝てたり聞いてなかったりしたら承知しないぞっということだろう。
話を聞きながら寝るなんて、アンネさんは結構やらかしてそうな方なのかな?
「では話を始めていきます。聖女アリアーダ様はおよそ今から2050年前に誕生しました。生まれた当時は特に他の子たちと変わりなく普通の少女だったそうです。当時はまだ石がありませんので、特性は何があるか把握しづらい時代でした。5歳になった時彼女は夢を見たそうです。夢の中では祝福の女神ウラン様が語り掛け祝福をくださったそうです。その時にウラン様が語った内容で、あなたには火、水、土、風の4属性に聖属性を与えますと言われたそうです。通常では2属性あればそれだけで優秀でした。それは今でも変わりありません」
2属性あれば優秀ということは3属性ある母さんはかなりすごいんじゃないかな?
私は何属性あるのかな?早く確認してみたいものだ。
「それをアリアーダ様は教会に行ったときに伝えたそうです。でも、5歳であるアリアーダ様の言葉だけでは教会は誰も信じませんでした。自分の親ですら子供が言ってること程度で片づけていたみたいですからね。当時の教会では聖属性は教皇様しかいなかったことも原因ではあります。それだけ聖属性は珍しい属性ですからね。」
聖属性は珍しいのか。そういえば母さんがそんなことを言ってたな。それと一緒で闇属性も珍しいんだよなたしか。
「少し補足すると、現在の教会で確認できる聖属性の方は5名です。石が取れるようになって確認できるようになってからのことを考えても少ないですね。ちなみに5名中4名は教会に所属しています。1名は現在どこにいるのかは確認ができていません。」
今は5人確認できているのか。まあこの国にいる人だけではないだろう。教会自体もアルトリア王国以外にもあるようだし。
「少し話を戻しまして、教会では信じてもらえなかったアリアーダ様は一旦はあきらめました。ただ信じてもらえなくても自分では確認できると思ったので自宅で一生懸命祈っていました。でも、何も起こりませんでした。そして、少し時間がたってまた教会に行く日がやってきました。たまたまなのか、教会に行くとある人物がいました。アルネ、誰がいたでしょうか?」
「炎の勇者カーカス様です」
「その通りです。勇者カーカス様の話は今は置いときましょう。ただ、勇者と名前がある通り彼の名前は当時世界に知れ渡っていました。そんな彼が教会にいたのです。それは運命だったのかもしれません。カーカス様は子供たちのあこがれでありました。一人の子供が自分の親にも見てもらいたいと外に出て他の子たちも一気に外に出ました。ただアリアーダ様だけは教会に残ったままででした」
勇者という存在もいたのか。勇者がいるということは何かと戦っていたのか?まあ、ダンジョンもあることだし何かしらの魔物がいたのかもしれないな。これもまた物語とかなっているのかな?
「教会に残っていた子供のアリアーダ様にカーカス様は興味を持ち話しかけました。何故君はいかないのかと。アリアーダ様は私が言っても親は来てくれないといいました。また嘘だろうと思われるためですね。カーカス様はまたという言葉が気になったのか、何の嘘をついたのか聞いたそうです。」
一回嘘をつくとその人間には嘘つきという言葉が付きまとってくる。
しかも子供の言葉となればそれは信憑性を欠くというの当たり前になってくる。
そうなることでその子はしゃべらなくなる。
「アリアーダ様はその場で自分の言ったことを伝えました。聞いたことによってカーカス様はあることを考えました。アリアーダ様が本当のことを言っているかどうか確かめればいいと。実はカーカス様はまだ見つかったばかりの石をお持ちでした。2つ見つかっており一つは自分でも効果も知らないうちに使い光った色が自分の属性だったのです。もう一つは石は教会に渡す予定でしたが、アリアーダ様に使って本当なら非常に重要な存在になるし、外れても自分が教会に避難されればよいと考えたそうです」
なるほど、他の方ではまとまらなくても勇者なら無理やりまとめることができる。それに石自体は勇者が見つけたものでもある。決定権は半分以上勇者にあるといえるだろう。
「石を使った結果は5属性でした。この結果でアリアーダ様は聖女になることの始まりになりました。
教皇しか確認ができていなかった聖属性もありましたので。カーカス様はそれを見て驚きそして教会の神父に結果を伝えました。もちろんその経過の話も。それで教会はアリアーダ様を聖女認定しました。そして石はアリアーダの石と言われるようになりました。あと、ある言葉も残るようになりました。アルネ、その言葉は?」
「・・・嘘をつくと、アリアーダ様に夢の中で怒られるですね」
「アルネお姉さんは嘘ついたことあるの?なんか表情が硬くなったような・・・」
「エ、エランちゃん私は嘘はついたことありませんよ!」
アルネさんがそういうとメルさんがジトーっとした目で見ていた。
嘘ついたことあるんだろうな。
「な、なんでそんな目で見るのですか?!」
「いえ・・・」
ああ、教会の中でも何かあったんだろうな・・・
アルネさんらしいな。
隣を見ていると母さんはクスクス笑っている。
そして母さんが口を開いた。
「一つだけ気になりました。経過を伝えるということは汚点になると思います。汚点は教会としても残したくないもの。あまり広げたくないものであり2050年以上前の話であればほとんど伝えられていないと思います。もしくは中身が少し変わっていると思います。それがこのように伝わっているのが不思議です。私が教わったところではそのような話も聞きませんでした。もっと簡素で教会の話を聞きつけた勇者様が石を持ってきて確認をしたという話ですね」
確かにそうだ。教会が汚点を広めたいとは思わないはず。だがメルさんはその話を普通にしている。
何故だろう。
「それはですね、ここの教会がそのアリアーダ様が聖女に認定された教会だからです。他の教会ではこの話は出てこないでしょう。ここの教会だけにしかないアリアーダ様の記録などが残っているからです。もちろん古いものですし貴重なものですから厳重に保管されています」
母さんは驚いたような顔をしている。
それは本当に知らなかった顔だ。
もちろん私も驚いている。
ここが聖女アリアーダの教会だったのか・・・
「さて、アリアーダ様のお話はこの辺までにしておきましょう。石の生まれは知っておいた方がよいと思ったので話をしました。この教会でしか聞けないアリアーダ様のお話もあります。興味がありましたらまたお話を聞きに来てください」
まだまだお話はありそうだな。聞きたくなったらぜひともまた来たいと思う。
「では、そろそろ始めましょうか・・・といってもエランさんが握り祈ればどの特性かは分かります。複数種類の特性であればその特性の数だけ光る色があらわれます。色は火なら赤、茶であれば土、青であれば水、緑であれば風、白であれば聖、紫であれば闇になります」
やっとできるのか。どの特性かわくわくするな。特性のない人は基本的にいないそうだからな。
楽しみだ。
「母さん早くやりたい!」
「はいはい。ではアルネさん、エランに渡してもらっていいですか?」
「わかりました。エランちゃん、手を出してもらえる?」
「はい!」
腕を伸ばして掌を開き上に向ける。
そこにアルネさんが乗せてくれる。
「そうしたらエランさん、それを女神ウラン様に祈るようにして握ってください。そうすれば特性がわかると思います」
「わかりました!」
言われた通りに握って感謝の祈りをささげる。
心の中にはいつもおいしいご飯をありがとうございますと更に付け加えておく。
そうすると石が光り始めた。
石の光った色は・・・
「黄色?」
私は首をかしげるような感じでそう言って周りを見ると、みんな驚いた顔で口を開けてみていた。
評価等頂けましたらとてもうれしいです。
頑張って続けていこうと思います。
よろしくお願いいたします。




