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6話 アリアーダの石

母さんがノックをすると、扉があいた。

出てきたのは教会のシスターだ。

この教会にはシスターが4人いる。

神父はいないが、盛大な儀式をするときにはエルトリア王国の王都グラッチウムの大聖堂にいる神父が派遣されてくる。

儀式は年に一回ある程度で、時期は収穫が多く見込まれる秋である。

収穫された後感謝のための祈りと、来年もまたお願いしますという祈りをするためである。

もちろん祈りの先は祝福の女神ウランである。


今出てきたのはシスターアンネリウスだ。

年齢で16歳ほどだったはず。

去年収穫祭が行われたときにいろいろ教えてくれたのもアンネさんだ。

彼女が名前が長いからアンネで呼んでって言われたのでそうしてる。

この教会では一番年下になる。


「あら、こんにちは。アイリスさん、エランちゃん」

「こんにちは。アンネリウスさん」

「こんにちは、アンネお姉さん」


私はアンネさんと呼ばず、アンネお姉さんと呼ぶようにしている。

そう呼ぶとアンネさんは、笑顔がとびきりかわいくなるからだ。


「よく来たね、エランちゃん。今日はどうしたのかな?」

「今日はね昨日5歳になったから、アリアーダの石を買いに来たんだ」

「エランちゃん昨日で5歳になったのね!おめでとう!」

「うん!」


そういってエランさんの顔が私から母さんのほうに向かう。


「アイリスさん、おめでとうございます」

「ありがとうございます」

「アリアーダの石はすぐに用意しますので、教会の中の椅子に座ってお待ちください」


そういわれたので私たちは扉の中に入る。

街道沿いにある教会の中ではなかなか立派な教会である。

天井も高く、装飾も少し豪華ではある。


「あちらの椅子に座ってお待ちください」


案内されたのはふかふかな椅子であった。

長時間座っているとお尻が痛くなりそうな木の椅子ではなく、少しクッション性のある椅子だ。

椅子はそこに二脚並んで置いてあるため一人一人で座った。

以前は母さんの膝の上に座っているときもあったが、さすがに5歳になれば自分で椅子に座るだろう。


そんなことを考えていると。

カッカッカッ、っと足音が聞こえてきた。足音の方向を見ると、この教会の最年長シスターのメルさんがやってきた。

年齢は確か40歳過ぎだったはず。

すごく冷静な方でこの教会を取り仕切っている人だ。


「アイリスさん、この度はおめでとうございます。エランさんはもう5歳になったんですね。」

「メルさん、ありがとうございます。そうなんですよ、なんだか時間がたつのが早いような気がします」

「アリアーダの石は倉庫のほうにおいてありまして、いまアンネに取りに行かせています。もう少しお待ちくださいね。」

「メルさんこんにちは!お久しぶりです。収穫祭の時はいろいろ教えていただきありがとうございました」

「エランさんこんにちは。びっくりしますわ。本当にこの子は利発的な子ですね」


そりゃそうだ、精神年齢は33歳。利発的じゃないと逆におかしい気がする。


「アイリスさん、今日この後特性の確認をするのでしょうか?」

「そうですね。エランが自分の特性を確認したいみたいなので、石を買いましたら特性を確認してそのあと外でランチにしようかと考えています。」

「でしたら私たちもその場面に参加させてもよろしいでしょうか?最近ではこの付近に子供が少なく、そういったこういったことも少なくなってきていまして。今いるアンネは2年前に教会に来ましたが、自分以外のアリアーダの石の結果を見たことがないみたいです」

「そうですか、特に困ることでもありませんし見ることはぜんぜんかまいません。一つ気になったのですが、最近は特性を再確認する人はあまりいないのでしょうか?稀にですが年齢を重ねると特性が増えていることもあると思うのですが」

「再確認する人は少なくなりましたね。石自体が少し高価でもありますし、一回しか使えませんからね。あとは、確認しても増えてる人が本の一握りですからね。子供のころ確認してそれで終わりになっているようです。ただ、貴族の方々なんかは年齢を重ねてからまたやってる方々もいるようですね」


再確認すると特性が増えていたりすることがあるのか。

つまり特性は増えることがあるということか。


「あと、私は見たことがありませんが魔術書を読まれてその後来る方もかなり昔ですがいたこともあったようです。魔術書は大変希少価値が高く、今あるのは王都の宝物庫に聖属性の魔導書が一冊あるだけです。国外にはあるかもしれませんが・・・」

「魔術書は大変貴重ですからね。昔の記載であればダンジョンの奥深くにあったりしたそうですが。

ただそのダンジョンもSSに指定されていますしね。まず普通では手に入らないでしょうね」


魔術書にダンジョン・・・ロマンあふれる言葉だ。

SS級指定されているということは、もっと下のランクのダンジョンもあるんだろうな。


「エランさんは、アリアーダの石についてお話は聞きましたか?」

「いえ、自分の特性がわかることしかまだ聞いてないです」

「まだ特性がわかるってことしか話していないですね」

「なら、私の方でお話させていただいてもよろしいでしょうか?」

「いいのですか?」

「ええ、こういうのも本来の私たちの仕事の一部なんですよ。他の地域では子供も多く親が忙しいために時間が取れないため、代わりに私たちが説明をしたりしているのです。今この教会にはいませんが、孤児がいるところもありますので」

「私よりも詳しいところがありそうですね、ならお言葉に甘えてお願いいたします」


そう話をしているとアンネさんが戻ってきた。色の黒く透き通った石を持ってきて。

あれがアリアーダの石か。


「すいませんお待たせしました。倉庫にいったらカギを置いてきたことに気づいて・・・一回戻ってからとりに行ったので時間がかかってしまいました!」


そうアンネさんがしゃべるとメルさんが大きなため息をついた。


「アンネ・・・あとでお話があります。そんなことじゃ困りますので」

「う・・・わかりました・・・」


アンネさんの顔に汗がたらっとながれている。

この後の展開が想像できるな。

そういえば、今日は二人しかいないのかな?シスターアリシアとシスターグレイスがいない。

あの二人がいるとさらににぎやかになるこの教会で静かなのは不思議すぎる。


「メルさん、すいません。今日はアリシアさんとグレイスさんはいないんですか?なんか、静かでさみしい感じがするんですよ」

「エランさん、二人は今日街に買い物に行ってもらっているのです。帰ってくるのは今から3~4刻後になりますね」

「そうすると今日は会えなさそうですね」


残念という顔をしてみる。実際残念だ、ここに来ると楽しいからな。


「ではそろそろお話を始めましょうか。アンネ、業務は一回止めて一緒にお話を聞きなさい」

「はい、わかりました!」

「あとそうね、少し話が長くなるから椅子を2脚準備して頂戴」

「はーい!」


そうやってアンネさんが椅子を2脚持ってきて私たちの前に向かい合うような形で並べる。

持ってきたのは木の椅子だ。

その椅子にメルさんが先に座り、アンネさんが座る。

準備ができたら母さんが僕に一声かけた。


「エラン、しっかりお話を聞きましょうね」

「うん!」

評価等頂けましたらとてもうれしいです。

頑張って続けていこうと思います。

よろしくお願いいたします。

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