Prologue2 謎の声
オレはとっさに周囲を確認するも――誰もいない。
「なんだぁ…? 今の声?」
(頭の中で響いたような?)
ふっと、さっきの水槽が目に入る。
水槽が薄い青で覆われていた。
隣にある小箱は、薄い赤で覆われていた。
「何……これ……?」
(さっきと色違くない!?)
悩んでいると、玄関の扉が開いた。
「ただいまぁ、お兄ちゃん! なにしてるの?」
華那が帰ってきた。
「なぁ、妹よ」
思わず、声をかけた。
「なんだ? 兄よ」
「これの色って透明だよな? 青ではないよな?」
からっぽのアクアリュウムの水槽を指差し尋ねた。
「何を当たり前のことを言っておるのだ?」
「だよなぁ…」
(なら――オレがおかしいのか?)
「というか、そこ邪魔!! どいて!」
「おう、わりぃ」
避けて場所を譲る。
(まぁいいか)
そう思うことにして、自室に戻ることにした。
そしたら、視界の端に映ったアクアリュウムの色に変わったのだった。
■ ■ ■
着替えて、ベッドに横たわる。
(なんなんだろうなぁ…)
仰向けになり、さっきの現象を思い出す。
「明らかに、見間違いではなかった」
考えても答えは出ない。
そんな――ときだった。
『創造神フェヴィロス様からサポートを賜りました者です』
(え? 誰?)
辺りを見渡すも誰もいない。
「なんだ? 今の? つか……何?」
『タツヤ様のサポートをするように仰せつかりました』
(フェヴィロス? サポート? 何の話だ?)
その言葉を聞き、夢に出てきた神が過った。
「あいつか? 神様が原因か?」
『神様相手に、あいつ呼びは解せませんが――まぁいいでしょう』
なんか怒られたような気がする。
「それで君はなんなの?」
『タツヤ様のサポートを仰せつかった者です』
(それ、ばっかりだな…)
無機質の機械と会話してるみたいだな。
(AIみたいな感じか?)
ラチがあかないからとりあえず、置いておこう。
「箱庭がなんちゃらと言ってたのは君か?」
『そうです。 一定数の空間があれば、生成可能です』
「大きさとか決まってるんだよな?」
『はい、高さは~約 二十二センチから 二十五センチ、横幅は~約四十一センチから 四十三センチ、奥行が~約 二十七センチから二十八センチのものが最低ラインの基準となります。
それ以上の大きさであれば、どんなものでも可能です』
ふむ。
「部屋でも可能なのか?」
『可能ですがその場合、中身は全て箱庭の中の異世界へ送られます』
そういう仕組みか……。
(へ? 異世界!?)
オレはそのの言葉を聞きワクワクが止まらなくなった。
(いや、今はそんなことよりも――)
「送られた生物や物資はどうなる?」
『生き物であれば、“タツヤ様の許可があれば”出入り可能です。
物資ついては一度送られれば、取り出すことはできません』
なるほど、そういう仕様か。
「どうしたら、箱庭を作れる?」
『そうですねぇ、この部屋にあるものでしたら、あのからっぽの水槽を使えば、生成できます』
言われたものに目を向ける。
それは使わなくなった水槽が棚に置かれていた。
数年前まで捕まえたカワムツを飼っていたのだが、死んでしまい、洗って放置していたのだ。
いつでも使用できるようにしていたものがこんなことに役に立つとは思わなかった。
オレは立ち上がり、自室にあった空の水槽に近く。
「それで、どうすればいいんだ?」
『水槽に左手を向けて、“箱庭生成”を言ってください』
オレは指示された通りの行動を取った。
「箱庭生成」
すると、水槽が光出したのだった。
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