表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テンプレ異世界はバグばかり?ポンコツ女神と示談から始まるデバッグ無双  作者: ニャルC


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/14

第3話:現場入り、門閥制度は親の敵?2

背は高く、華やかな金髪が夕陽に輝き、白いドレスが映える。

王女は周囲に慈愛に満ちた笑顔を振りまき、跪く騎士たちを労っているようだった。

ミントは周囲の空気を読み、あえて一歩下がって会釈を模した。


「感謝いたします、旅の方。王都に向かわれるのであれば、お礼にぜひ同乗を」

と王女はミントを馬車へ誘う。

だが、ミントの口から出たのは、感謝でも畏怖でもなく、冷徹な「意見」だった。


「恐れながら、一言よろしいでしょうか?

助けられたからといって、初対面の相手を無条件で信用するなんて……

――ワタシとあの野盗がグルで、貴方の懐に入り込むための『マッチポンプ(自作自演)』

だった可能性は考慮されてますか?」


王女が目を丸くする。

その横から、先ほどの赤毛の騎士が今度こそ爆発した。

「貴様、失礼だぞ! アイリス殿下に対しなんたる無礼! 名を名乗れ!」


「名乗るほどの者でもないんだけどね。ライナス・ベネディクト・ミント。通称ミントよ」

「ライナス……ベネディクト……。ふん、異邦の貴族か」

騎士が姓名の長さに勝手に「血統の重み」を見出したようだが、ミントは呆れたように肩をすくめた。


「名前の文字列が長いほど偉いの?それより騎士さん、街道の索敵はしたの?

なんでこの規模の野盗に直前まで気づかなかったわけ?」

「遠見の水晶でやった!異常はなかったはずだ!」


「護衛の倍の野盗を見落として『やった』と言われてもね。……内通者モグラの可能性はない?」

「貴様……我々の忠誠を疑うか!」

赤毛の騎士が屈辱に顔を赤くし、剣の柄に手をかける。


ミントは微動だにせず、事務的なトーンのまま、指を二本立ててその鼻先に突きつけた。

「あのね。ワタシが指摘しているのは、感情論じゃなくて『事実』。

忠誠心がどうであれ、現実はご覧の有様よ。

索敵能力が致命的に不足しているか、あるいは内部に情報を流したバカがいる。

……まずはモグラ(内通者)叩きでも始めたら?」


騎士が言葉に詰まるが、ミントは興味を失ったように背を向けた。


次は、石畳に転がされ、縛り上げられた野盗の前にしゃがみ込んだ。


「インタビューの時間よ。

撤退判断の速度から見るに、あなたたちはただの野盗ではない。

とすると、プロの軍人や騎士崩れかな?……それなのに、不思議だと思わない?

君たちが国を相手に身代金を要求したところで、回収までに軍に包囲される。

生存して逃げ切れる確率を考えると、これ、割に合う仕事(ROI)だと思う?」


恐怖に顔を歪める男に対し、ミントは感情を排した声で仮説を並べ立てる。

「考えられるパターン。

一つ目、王族内の継承順位を巡るお家騒動の片棒。

二つ目、ワタシの代わりの『誰か』が君たちを倒し、恩を売るための自作自演マッチポンプ

今、目をそらしたわね?」


ミントは柔らかいトーンで畳み掛ける。

「王族に剣を向けた以上、この国の法では多分死刑だよね?

……でも、君も『道具』として使い捨てられるのに、なぜこんな無茶をしたの?

家族でも人質に取られた?素直に依頼主を吐くなら、助命嘆願に協力してあげる。

契約は守る主義よ」


男は絶望に打ちひしがれ、うなだれた。

核心については何も知らないようだが、その「怯え方」そのものが有力なデータだった。


「……さて。

キミが直接の雇用主を知らないなら、君の職場アジトを見学させて。

案内してくれるかな?」


男を先頭に森の奥へ移動を開始して間もなく、一角から煙が立ち上るのが見えた。

「隠れ家が……! 燃えてる!」

男の絶叫を、ミントは冷ややかに受け流す。


「手回しが良すぎる。

作戦が失敗した瞬間に全リソースを焼却するプランBへ移行したわけ?

襲撃側はプロで、護衛側はただの素人集団?」


失礼極まりない感想を吐きながら、ミントはミラーグラスをスッと外した。

現れたのは、予想に反してあどけない少女の素顔だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ