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テンプレ異世界はバグばかり?ポンコツ女神と示談から始まるデバッグ無双  作者: ニャルC


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第12話:スタートアッププロジェクトログ(北前船)2

「次は全てのパーツの寸法を揃える、と言われました。造船所の親方は絶句していました」

「この船のコンセプトは同一規格による『モジュール化』

職人の『現物合わせ』という、非効率なアナログ工程は一切排除するため」


ヘレンは、整然と並ぶ船体の継ぎ目を感心したように見つめた。

「現物合わせをしない……。

もし一部が破損したとしても規格品スペアと交換するだけで、即座に復旧できる。

熟練の船大工を待つ必要なんてない。そういうことですね?」

「モジュール化、この設計思想アーキテクチャの真価は、運用の継続性だけじゃない」


ミントはミラーグラスを光らせ、不敵な笑みを浮かべた。

「この設計図をそのまま流用すれば、二隻目、三隻目の『姉妹船』を、

一隻目よりも遥かに短い工数で建造できる。造船の『量産化』よ」

「……姉妹船。なんだか、とても素敵な響きですね、ミント様」


ヘレンの無邪気な言葉に、ミントは肩の力を抜き、わずかに口角を上げた。

「ええ、素敵。……それくらい、この海運ビジネスは『儲かる』から。

ヘレン、あなたのサポートのおかげで一番艦が完成したよ。でも契約の範囲外よね?」

「ミント様が冒険に出ないと、私の剣も出番がないですから。

モジュール化って武器や防具にも使えそうですよね」

「さすが武門の出ね、制式装備と言って近代の軍隊ではーー」

夕闇のドックに、二人の楽しそうな声が響いていた。


プロジェクトの開始から一年。

王都の港には、かつてない巨躯を誇る帆船が浮かんでいた。

前線のローレンシア国への支援物資と交易品を積み込み、マストにはパノティア国旗が掲揚される。


乗組員も揃い、栄光の船出の日を迎えた。

本日天気明朗なれど、波なし、つまり風なし。

ガレー船と違い、帆船は風がないと動けない。


ニヤニヤしながら見物に来た陸運系貴族たちが貴賓席に座っている。

「……ハッ。あんな巨大な帆船、無風じゃ立ち往生して港の置物になるのが関の山だ」

「女神が祝福された大地の安定性を捨てて海に賭けるなど、王女様も困ったものだ」

グラスを片手に見物を決め込んでいる。


漁船よりはるかに大きい帆船を見ようと、港には見物人も集まっている。

貴賓席の、パノティア国第一王女アイリス・パノティアの祝辞が始まる。


パノティア国第一王女アイリス・パノティアの祝辞。

「皆さま、本日はお集まりいただきありがとうございます。

我々は決まった陸路を、決まった歩みで進むことしか知りませんでした。

私たちの目の前にあるこの船……『北前船』と名付けられたこの巨大な船。

この船が運ぶのは、品物だけではありません。

各地の笑顔、新しい知識、そして『世界は変えられる』という希望そのものです。

錨を上げ、新しい海の時代を、今ここに切り拓きましょう!北前船の航海に、女神の加護を!」


王女陛下の祝辞が終わっても、港内は穏やか。

最後のモヤイ(係留)が放された瞬間。

バサァッ! と、巨大な帆が力強く風を孕み、巨大な船体が、水面を滑るように加速を開始した。


「行ってまいります、王女陛下」

デッキの上で、ミントが優雅に頭を下げた。

周囲が「女神の奇跡」と呼び、陸運貴族たちが「ありえない」と絶句する。

風が吹いたのは奇跡ではない、風属性の魔法使い3人がいるのだから。

今度はミントがニヤニヤする番だった。


お約束とミントの感想

・美少女ネコミミ獣人:ネズミ駆除が得意というのはいいね

・魔法属性がある(火水風土光闇):属性と魔力量と人件費で評価すべき

・現代知識で無双しよう:パーツの規格化だね

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