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テンプレ異世界はバグばかり?ポンコツ女神と示談から始まるデバッグ無双  作者: ニャルC


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第5話:冒険者ギルド監査(ガバナンス編)2

ギルドマスターの苦悶混じりの反論を、ミントは鼻で笑って切り捨てた。

「……人手不足で業務が回らない? だったら知恵を使いなさい」

「どうしろって言うんだ!」

ギルドマスターが怒鳴る。


「利用規約、つまり入会手続きの時点で、その『不干渉』とやらを規約に明示したら?

それで入り口にでも大きく掲示しておきなさいよ」

ミントは事務的なトーンのまま畳み掛けた。


「掲示……だと?」

「『当施設内でのトラブルについて、当ギルドは一切の責任を負いかねます』。

あるいは『紛争解決は現地の司法機関に一任されるものとする』

……とね。それに同意した者だけが冒険者になる」


「わかった……すぐに見直すし、その男も処罰する! 」

ミントは銃を収める。


次に「王城の通門証」を静かに差し出した。

「これ、王城の通門証ね。検討の結果によっては王女陛下のお耳に入れることになるから」

いきなり王城の通門証と言われ、周囲が再度ざわつく。


「確認だけど、このギルドの『規則改定』は、他のギルドにどうやって共有されるの?」

ギルドマスターは不思議そうに首を傾げる。

「いや、重要な変更なら、次の定期便の馬車か、早馬で書類を送るが……」


ギルドマスターの回答を聞いた瞬間、ミントはこめかみを押さえ、深いため息をついた。

「……馬車? つまり、この世界のギルドネットワークは馬の速度ナローバンドで維持されている?

ということは、ワタシがこの街で規約を改定しても、隣の街に行けばまた『不干渉』が居座っている。

ギルド全体で適用されなきゃ意味がない。この組織の最上位権限者は誰? 」


ギルドマスターは困ったように頭を掻く。

「いや、実は……重要な案件は『大都市の代表ギルドマスター会議』で審議されることになっていてな。

各都市の事情もあるし、満場一致が原則で……」


ミントは天を仰ぎ、冷酷な結果を突きつけられた。

「最悪。一人が反対すれば何も決まらない、

あるいは全員の顔色を伺って『現状維持』という何もしない選択しかできない」


ふと思い出したように、ミントが言う。

「この建物の設計、設計思想が破綻していない?」

ミントは指を折りながら、欠陥を列挙していく。


「1階に受付と酒場が同居しているけど、分けた方がよくない?さっきみたいな揉め事が減るよ。

2階にギルドマスターの部屋があるけど、1階でトラブルが起きても介入が遅れるよね。

2階に書庫があると、火災の時に困らない?

裏手に解体場と訓練場があったけど、解体場の横で訓練したら、不純物が混じらない?

逆に訓練場で怪我をしたら、衛生的に危険だよ、汚染コンタミネーションの問題ね」

ミントの指摘に、ギルド内が静まり返る。


先ほどパーティに誘ってくれた女性冒険者と目が合った。

「先ほどの勧誘の件だけど」

というと、首を横に振られてしまった。

ソロが決定しました。


「大変だ!」

と誰かが駆け込んできた。


お約束とミントの感想

・最初に出会う新人冒険者:勧誘されたのに、パーティー加入を断られました

・冒険者同士の争いにはギルドは関与しない:ワタシは平和主義です

・高ランクの冒険者が登場し、絡んだ男に注意する:個人の問題ではなく、システムの問題

・建物の構造が似たりよったり:スタンダードがいいとは限りません


デバッグ・チャットログ

ミント:冒険者ギルドのガバナンスが崩壊しているわ。

「不干渉」という名の無責任のせいで、酒臭い大男が、か弱い女子を攻撃するのが放置されている。

ガイア:また物騒な言い方を……。でも、ギルドマスターが仲裁に入ったんでしょ? 権限は持っているはずよ。

ミント:遅すぎるのよ。仲裁コストが高いなら、業務分割と規約の事前掲示(利用規約への同意)を徹底させなさ

ガイア:冒険者たちが、そんな細かいルールを読んでくれるかしら……。

ミント:読ませる仕組みを作るのが設計者の仕事。

それと、最大の問題は情報の同期速度。隣の街に規約改定が伝わるのが「馬車の速度」って、ナローバンドどころか物理パケット輸送じゃない。一貫性が保てないわ。

ガイア:うーん、魔法は基本的に戦闘用か、ごく一部の便利な生活魔法に特化して進化しちゃったから……。遠距離通信魔法はリソース消費が激しくて、一般には普及してないのよね。

ミント:「戦闘魔法以外はあんまり」って、開発優先順位を間違えた典型的な失敗例ね。遠見の水晶で伝達は?

ガイア:貴重なアイテムだから、ギルド全拠点に配備するなんて、予算がいくらあっても足りないわ

ミント:やっぱり物理ね。物理は全てを解決する


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