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Episode 30 わたしへの救世主の従姉妹

「──アレクシス殿下、フォルディアス公爵、ショアン次期公爵⋯⋯。あなたたち全員、エルの気持ち考えたことありますのっ!?」


 扉を開けっ放しにして、エルナがずんずん入ってくる。


「エルナ嬢⋯⋯?」

「ローズファルト嬢? なぜ⋯⋯」

 アレクシス様とルカ様が混乱した。


 エルナは扇を、アレクシス様、ルカ様、お義兄(にい)様の三人にバシッと向けた。


「なぜも何もありませんわ。ここ、わたくしの部屋でもありますのよ」


 エルナの言葉にハッとなったお義兄様。

「そう言えば、エルとエルナは従姉妹(いとこ)だ。よって、相部屋になってるわけか⋯⋯」


「殿下や公爵様とは違い、ショアン様が常識人のようで助かりますわ。──そう、わたくし、エルナ・デルエーラ・ローズファルトは、エルリウール・アルカ・ショアンの従姉妹ですの。相部屋になるのも、当然でしょう?」


 そう言って妖艶に微笑むエルナ。

 わたしには、完全に悪女の微笑みにしか見えない。


「ということですので、殿方は出てってくださいな。もちろん、ヴィエラ様も⋯⋯ね?」

 最後のほうにやたら圧がかかっているような気がしないこともないが、にこりと微笑んだまま言い放ったエルナ。


「⋯⋯エル、後日また。今日は失礼する」

「あなたは婚約者という立場を利用しすぎですわ、殿下」

 最初に出ていこうとしたアレクシス様に、嫌味を言うのを忘れない。


「⋯⋯エル、すみません。後日また、ゆっくり話する時間がほしいです」

「スキンシップが激しく、女性の──淑女の唇を無理やり奪うようなお方は好まれませんわよ、公爵様」

 ルカ様に嫌味を言うのも忘れない。


「⋯⋯エル、こいつら二人は反省するまで叱りつけておくから安心してくれ」

「例え義兄でも、兄は兄なのですから妹は守るものですわよ、ショアン様」

 お義兄様に釘を刺すのももちろん忘れない。


「⋯⋯エル様、わたし、止められなくてごめんなさいっ! あのっ、次は頑張って止めます⋯⋯!」

「あなたはずっと、“誰からでも愛される子爵令嬢”でいいですわよ、ヴィエラ様」

 後悔を口にするエノリス様に、笑顔でトゲを吐くエルナ。

 目は全く笑っていない。


 四人が部屋から出ていき、平和が訪れた。


「ごめんなさい、エル。助けるのが遅くなってしまって」

「いいわよ、全然。私は気にしないわ」

「相変わらず寛容ですわね、エルは⋯⋯」


 ほうっと息を吐くエルナ。


「でもやはり⋯⋯()()()()()()()()()殿()()は違いますわね。流石は私の⋯⋯“()()”、ですわ」


 きらきらとした瞳のまま、わたしに視線を向けるエルナ。


「あなたもそうは思いませんこと?」

 そこで一つ言葉を区切る。


「『貴女に一輪の薔薇を捧ぐ』の悪役令嬢、エルリウール・アルカ・ショアンに()()()()──姫島(ひめしま)柚希(ゆずき)さん?」

エルの前世がついに公開⋯⋯!

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