Episode 24 反省文追加
わたしは頭を抱え、アレクシス様、ルカ様、お義兄様、そして端でオロオロしているエノリス様の視線を必死にかわそうとしていた。
しかしその瞬間――
バンッ!!!!
背後の扉が叩きつけられる音。教室全体が震えた。
「――何やってんだオメーらァァァァ!!!!」
ハイアス先生、完全に激怒。
ヒールが床を打つ音は、まるで戦場の足音のように響き渡る。
「殿下、公爵、お前……ショアン家の兄、お前もだァァァ!! ここは教室だぞ、戦場でも恋愛劇場でもねぇんだよォォォ!!」
三人は一瞬で腰を抜かすように縮こまる。
エノリス様が震える。
「朝っぱらから女子寮で大騒ぎ、教室で三対一の取り囲み……何回言わせんだ!! 反省文は三百字×五枚! 提出期限は今から三十分後だァァァ!!」
「えっ、えっ……そんな……!!」
三人は顔面蒼白。
ハイアス先生は続けざまに畳み掛ける。
「静かにしろ! 机も椅子も床も、オメーらの恋愛劇場の舞台じゃねぇ!! 誰か一人でも騒げば――容赦なく学園長に報告する!!」
わたしは頭を抱える。
(……強すぎる……! アレクシス様もルカ様もお義兄様も、完全に押されてる……!)
そしてハイアス先生は、三人を睨みつけたまま低く一言。
「……ショアン嬢、お前もだ。口で反省するだけじゃ甘い。反省文、絶対書け。ヴィエラ嬢も巻き込むぞ」
エノリス様は、驚きの声をあげる。
「……えええっわたしも、ですか⋯⋯っ!?」
ハイアス先生はまだ止まらない。
「オメーら、いいか、聞いてるか!? 次に同じことやったら、学園の全記録に載ると思え!! 授業妨害、騒音、無断行動――全部記録する!! 覚悟しろォォォッッッ!!!!」
その迫力に、三人は完全に魂を抜かれたように立ち尽くす。
わたしも、心臓が爆発しそうなほどドキドキしながら、反省文用紙の場所を確認する。
教室内のカオスは、ハイアス先生の激烈指導によって一気に制御されつつあった――が、心の中ではまだ甘い熱気が渦巻いている。
エノリス様がわたしに小さく囁く。
「……ここからどう切り抜けるか、腕の見せ所ですね⋯⋯」
わたしは決意を固める。
(……やるしかない……! 三方向からの熱視線と先生の激怒、全部受け止めて……!! でも怖いってぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!! 誰か助けて!! レオニール様でもいいからーっ!!!)
わたしは心の中で叫んだ。




